Books

猫と鼠

ギュンター・グラス

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784911290057
ISBN 10 : 4911290056
Format
Books
Release Date
May/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

第二次世界大戦の暗い影を落とす、バルト海に面した港町で暮らす少年たちの生き生きとしつつも、ちょっといびつな日常の物語。主人公と友人のマールケたちは沈没したポーランドの掃海艇に潜り、いろいろなものを引き上げてくる日々を送っていたが、やがて軍隊に加わり、戦争に関わっていくことに。

戦後の世界文学の最も偉大な作家の一人で、1999年ノーベル文学賞を受賞したギュンター・グラスの、初期を代表する「ダンツィヒ三部作」2作目の短編小説を刊行。「ダンツィヒ三部作」はグラスの故郷ダンツィヒを舞台にした、自伝的要素が強い3作品のことで、有名な『ブリキの太鼓』は1作目にあたる。
本書は1977年集英社発行を底本に復刊し、書き下ろしの解説を追録。

【著者紹介】
ギュンター・グラス : 第二次世界大戦後のドイツを代表する文学者。1999年にノーベル文学賞受賞。小説のほか、戯曲や彫刻、版画なども多数。1927年、バルト海沿いの港町ダンツィヒ(現ポーランド領グダニスク)で生まれ、子供時代を過ごす。1944年に召集され、武装親衛隊員となる(2006年発表の自叙伝『玉ねぎの皮をむきながら』で明らかにした)。終戦を米軍の捕虜としてむかえ、1946年に釈放後は農園を手伝うなどした後に、墓石店で働きながら美術大学で彫刻等を学び、詩や戯曲を書き始める。1958年に『ブリキの太鼓』で47年グループ賞を受賞、翌年に出版され、高い評価を受ける。『猫と鼠』『犬の年』は『ブリキの太鼓』とあわせて『ダンツィヒ三部作』とされる。政治にも係わり続け、ドイツ社会民主党の党員として選挙運動を積極的に行ない、『自明のことについて』などの評論集を発表する。2015年4月13日死去

〓本研一 : ドイツ文学者、翻訳家。1926年生まれ、東京大学文学部独文科卒業、東京都立大学名誉教授。ギュンター・グラスの翻訳者として著名で、多数翻訳。2010年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ヘラジカ

    「ダンツィヒ三部作」の二作目。復刊であって改訳ではないため訳文は決して読みやすいとは言えない。大作であった『ブリキの太鼓』と比べるとグラス入門に適していると書かれていたが、こちらの方が読みにくいと感じる人がいてもおかしくないと思う。青春小説のような趣もあるとは言え、どこか仄かにグロテスクな臭気が漂っており、『ブリキの太鼓』の世界を別の視点で観ているとするとしっくりくる。意外とジャンル分けが難しい小説かも。三部作の最後の作品も復刊を待ちたいところだ。

  • Olive

    復刊を出すなら、もう少し訳を考慮するなりして欲しかった。 あまりに読み難く酷すぎる。自叙伝「たまねぎの皮をむきながら」を以前、読んでからギュンター グラスの別の作品も機会があれば手に取ろうと思ってかなり楽しみにしていたので残念。

  • sataka

    『ブリキの太鼓』のマジックリアリズム的な派手さと比べると、現実的な印象の作風。周囲の空気に流されずに我が道を往くマールケと、彼からなぜか目が離せない主人公の語り手の関係に、青年文学の醍醐味を感じた。第二次大戦下のダンツィヒと、そこにいた市民たちの生々しいほどの暮らしぶりの描写はさすがに見事。

  • たけし

    訳は少々読みにくい。しかし、グラスの文は第三者が今の事を書いてるようでいて先回りしたり懐古したりするので、素直に読めるものではないのではないか?ブリキの太鼓の訳は何度も直され相当練られているのだろう。短い話なので読むのに時間はそうはかからない。時代は大戦中のダンツィヒ。後に失踪する友人を主人公が懐古する形で描く。戦争の描写はないが、少年たちの生々しい描写のある青春小説とも言えるだろう。思えば青春には恥ずかしさや後悔がつきものだ。しかし、それでも儚い美しさは、取り戻せない感性の絶頂に由来しているのだろう。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items