ガブリエル・ガルシア・マルケス

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族長の秋 新潮文庫

ガブリエル・ガルシア・マルケス

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784102052136
ISBN 10 : 4102052135
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

無人の聖域に土足で踏みこんだわれわれの目に映ったのは、ハゲタカに喰い荒らされた大統領の死体だった。国に何百年も君臨したが、誰も彼の顔すら見たことがなかった。生娘のようになめらかな手とヘルニアの巨大な睾丸を持ち、腹心の将軍を野菜詰めにしてオーブンで焼き、二千人の子供を船に載せてダイナマイトで爆殺したという独裁者――。権力の実相をグロテスクなまでに描いた異形の怪作。

【著者紹介】
G・ガルシア=マルケス : 1927‐2014。コロンビア、アラカタカ生まれ。ボゴタ大学法学部を中退し、新聞記者となって欧州各地を転々とした後、’55年に処女作『落葉』を発表。’67年『百年の孤独』によって一躍世界が注目する作家となった。次々と歴史的傑作を刊行し、’82年にはノーベル文学賞を受賞した

鼓直 : 1930‐2019。旧朝鮮生れ。東京外事専門学校卒業。神戸市外大、神奈川大などでスペイン語を講じながらボルヘス、アストゥリアス、カルペンティエール、コルタサル、ドノソ、ガルシア=マルケスなどの主要作品を翻訳し、ラテンアメリカ文学ブームを牽引した。法政大学教授や日本スペイン協会理事長を歴任。瑞宝中綬章、スペイン民功騎士十字章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • かみぶくろ

    3.6/5.0 なんかもう圧倒的にすごくて、ただひたすら修行のように苦心しながら読んだ。改行なし、会話の鍵カッコなしの濃密な文章がひたすらに続きまくる。独裁者の権力と残酷と悲哀がインパクトあるエピソードをこれでもかと詰め込みながらひたすらに綴られまくる。ときに現実と非現実と時間と主体が魔術的に錯綜する。たしかに歴史に名を刻む途方もない作品だとは思うのだけど、しかしまあ疲れましたね。

  • みつ

    どこまで理解できたかは心許ない。頁が変わることで6つの部分からなるが、それぞれの部分は段落がなく、三人称の記述がいつの間にか「大統領」を初めとする様々の人物のモノローグに切り替わるため、夢の中を彷徨うような感覚に陥る。それゆえ今回の読書のように、意味を取ろうとして立ち止まるのでなく、物語の迷宮に入り込んでいく読み方が案外正しいような気もする。大統領の死(占いでは107歳から232歳・・p127)の場面は幾度となく回帰し、レプラ(=ハンセン病)患者が常に傍にいる世界は猥雑なカーニバル的様相を帯びる。Aへ

  • FUKUSUKE

    筒井康隆氏が百年の孤独の解説に「読むべきである。読まねばならぬ。読みなさい。読め」、と書いていた本。発売日になんとか手に入れた。6章で構成されているが、それぞれ大統領の遺体から始まる。改行がなく、「」で括られた文もない。視点もころころと変化するし、時系列に書かれているようで実は違っていたりするので慣れるまでがたいへんだ。マジックリアリズムも健在で。大統領の初恋の相手が日蝕の日に消えてしまうところは小町娘のレメディオスに重なる。愛のない交わりをくり返し、裏切られ、疑心暗鬼になるところに独裁者の孤独を感じる。

  • Shun

    気娘のような手とヘルニアの巨大な睾丸を持つ独裁者の哀れな死体が我々の目に映るという冒頭。その男は長い間国家を権力と暴力で支配し数多くの悪行を行ってきたが死はあっけなく訪れた。虚飾にまみれた独裁者の死の現場に立ち入った者たちが見たのは腐臭漂う宮殿のかつての栄華の名残。そして男の死から遡って彼が生きた時代を様々な人物と視点で途切れず流れるように綴られていくのが本作の特徴となっています。語り手が誰か曖昧な部分が多く改行もなしにひたすらと文章は続くため、読み通すにはまとまった時間を確保することをお薦めします。

  • かまる

    二千人の子供達を船に乗せダイナマイトで虐殺、遂行した士官に勲章を与え、実行してはならん命令もあると銃殺。裏切りの腹心をオーブンで焼き宴会の主菜に。そんな巨大な睾丸を持つ大統領は序盤から死に至っている。段落、改行はなく、章らしきものは白紙のページで区切られ、また死から始まり時は逆行していく。超密度の文章の羅列、誰の独白かも分からない、読み辛い。安部公房氏が月報に寄稿したのも頷ける混沌。ブエンディア大佐の末路ともあるが、それも納得の孤独に哀れみすら覚える。解説は池澤夏樹氏。全く不思議な本だ、癖になる。★3.5

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