カール・グスタフ・ユング

Individuals/organizations Page

Books

分析心理学

カール・グスタフ・ユング

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784622023135
ISBN 10 : 462202313X
Format
Books
Publisher
Release Date
December/1976
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

★
★
★
★
★

5.0

★
★
★
★
★
 
1
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
★
●訳者 小川捷之氏は1938年生、1962年東京...

投稿日:2021/07/19 (月)

●訳者 小川捷之氏は1938年生、1962年東京教育大学心理学科卒、1964年同修士課程修了、1990年上智大学心理学科教授 1996年逝去、1970年山王教育研究所設立・初代代表(当研究所は小川氏のあと河合隼雄氏が代表を引き継がれた) ●当書は、「心理臨床家のための119冊(創元社)」の1冊にリストアップされている。 ●ユング心理学は訳者自身があとがきで述べられている様に普遍的無意識や元型の概念を実際的に理解することが難しいが、至宝と呼ぶほどの無意識は人類学的な視点、人間の精神史的な視点から、遺伝子として霊長類以来か原人以来から刻みこまれたものなのかなとも思えた。人として誕生してからすべて学ぶものではなく、持って生まれた人類史として受け継ぐもの、あるいは、遠い祖先からのメッセージを携えているとも思える。そのメッセージを聞けるか、気づけるかは深く無意識の奥深く から手繰り寄せないといけないものかもしれない。それらは人々は言語を発明してからは神話として残してきたものとも思う。 ●患者に対する姿勢として、治療者の独善性を戒めており、改めて客観的な視点や患者の主体性を重んじる態度についてユングの人間性に惹かれる思いがした。 ●無意識が人生の半分を占めていると言われると、意識や自我だけでは不十分で、ユングがいうところの個性化の過程として無意識を統合した自己の実現を果たすことが、人としての生れてきた目標ではないかと思った。 ●「我々は劣等性によって我々の本能的な世界と同様、人類と結びついている。すべての機能を完全にすることは有益でさえありません。」・・・ここでユングは人の多様性を語り、その全体を受容することの学 びの重要性を示唆しているように感じた。 ●転移、逆転移について多くの時間を割いて講義しているが、今までとらえていたフロイト流の転移・逆転移の概念とは違い、 解消されなければならない転移として治療者として取り組むべきとのユングの教えには価値観の転換を迫られた。 ●「分裂したそれぞれのコンプレックスは、無意識の状態にあって、間接的な表現手段を探し求める。それが神経症的症候」 「神経症の発症を自己治癒への試みであり、劣等機能による補償の試み」とのコメントについては、心の機制や補償についての事例として意義深く感じられたと共に発症に対する元々の「悪くなっている」との価値観や精神病そのものも文化がそれを規定しているのではとの視点に通じるものとして価値観や視点の客観性が問われる様に思えた。 ●劣等機能、無意識、転移、逆転移、神経症、普遍的無意識と元型と神話等、数多くのところで「目から鱗」が数多く落ちた。

brian さん | 滋賀県 | 不明

0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • roughfractus02

    米国での黒人の夢の研究で、社会や人種を超越した神話モチーフの存在を確信が元型の発想をもたらした、と著者は200人の医師の前で語る。一方、外向/内向の2軸と感情・思考・感覚・直観の4象限での8タイプの分類については、感情/思考の対立を優越/劣等に機能(関数)化すると意志をエネルギーとして科学的表現ができるとし、『元型論』から『タイプ論』へと橋渡しを行う。劣等機能は古代的で未発達ゆえに、集合的無意識が意識を補償すると元型が意識を覆う。妄想とは劣等機能の増大であり、その集団的感染は戦争の契機に成りうるとされる。

  • キューネン

    面白かった!ユング心理学が、当人によって(多少入り組むこともあるが)平易な言葉で語られる。訳もこなれているし、専門用語や宗教用語についても注が詳しい。ユング心理学を学ぶなら、河合隼雄の入門書に当たるより、まずこの本を通読するのがいいのでは?と思った。ただ、いろんな種類の元型については記述されていなかったので、そこに関してはまた別の本を当たろうと思う。訳者あとがきも力が入っていてよかった。

  • 夜間飛行

    元型というものが戦争を引き起こすほどの力を持っていると知り、驚いた。ユングの著書を読むのははじめてだが、壮大な世界観に圧倒される思いであった。

  • Gotoran

    本書は、約三四半世紀前の英国(ロンドン)におけるユングの講義と質疑応答の記録。分析心理学の核となる考え(思考・感情・感覚・直観の外的な心的機能、記憶・主観的構成要素・興奮・侵入の内的な心的機能、自我、普遍的無意識、元型他)に加えて、フロイトとの無意識の違い、夢分析、精神療法と宗教等、非常に興味深い内容であった。河合著書(ユング心理学入門)を一読していることもあり、講義(本書)の概要については、把握できた。「訳者あとがき」も良かった。より深く理解するために、幾度となく、読み込んで行きたいものだ。

  • 難解さに定評のある著者に興味をおぼえたとき、いつもしてきたように、いきなり本丸を攻めたいのをぐっとこらえて、初心者むけの入門書でおおまかな地図を手にいれてから、できるだけ入りやすそうな入口をみつけて、おそるおそるドアをノックしてみる。ロンドンでの連続講義と討論の模様を収めた本書は、ユングみずから分析心理学をかみくだいてレクチャーしてくれる、初めてのユングにもってこいの一冊だ。あくまでも仮説に徹する謙虚さといい、アウェーな質問にも丁寧にむきあう真摯さといい、多くの人を魅了してやまない人となりが伝わってきた。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items