カート・ヴォネガット

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カート・ヴォネガット全短篇 3 夢の家

カート・ヴォネガット

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784152098306
ISBN 10 : 4152098309
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

優しいニヒリストと称され、愛されてきた作家カート・ヴォネガット。彼が84年の生涯で著した、笑いと愛に満ちた全短篇を、8つのテーマに分類し集成。4分冊の第三巻には、「ガール・プール」「ハイアニス・ポート物語」をはじめとする「ロマンス」「働き甲斐vs富と名声」テーマの24篇を収録する。

【著者紹介】
カート ヴォネガット : 1922年11月11日の終戦記念日、インディアナ州インディアナポリスに生まれる。コーネル大学生化学科へ進み、学内紙“コーネル・デイリー・サン”の編集に携わる。1942年、軍隊に召集。バルジの戦いにてドイツ軍の捕虜となり、ドレスデン爆撃を体験する。この体験がのちの人生に大きな影響を与えることとなる。終戦後、ゼネラル・エレクトリック社で広報として働きつつ、1950年、「バーンハウス効果に関する報告書」により作家デビュー。車のセールスマン、英語教師など職を転々としながら執筆を続け、雑誌を中心に短篇を発表。2007年4月11日、マンハッタンの自宅にて逝去。享年84

大森望 : 1961年生、京都大学文学部卒、翻訳家・書評家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ケイ

    編者に感謝したいのは、いくつかにテーマを分けていたとしても、辛口なのも愛にあふれているのも風刺がきいたのも、等しくまぜてくれているから。今回のお気に入りはケネディ家が素敵な『ハイニアス・ポート物語』。銀の匙をくわえて生まれてきても機会を捉えられる人はいる、世間知らずさをくまのプーさんに例えたのが苦笑いを誘う『この宇宙の王と王女』。見知らぬ人間の正義のために闘う事が人間が自由を得る方法との言葉につながる『エド・ルービーの会員制クラブ』 恋の始まりの予感♪『都会』〜「世界はきれいであたたかく未来は明るかった」

  • ヘラジカ

    この短篇集は薬箱みたいなものだ。その時々で必要な作品を読めばムードがガラッと変わる。ロマンスの取り「都会」が短いのに素敵すぎて心が明るくなった。ヴォネガットは含蓄に富んだ作品も良いけれど、こういうささやかな小品にこそ巧さが表れているように思う。彼はモラリストでシニシストかもしれないが最高のロマンティストでもあるのだなあと。案に相違して後半8編は全て読了済。初読のなかでは「愛する妻子のもとへ帰れ」が好き。はっきり言って男の都合の良い妄想みたいな話だけどオチが小洒落てる。文学性では「嘘」と「自慢の息子」かな。

  • 阿部義彦

    これこそ読書の幸せだと感じられる至福の短編たち。半分以上は読んでた筈ですがいい具合に忘れていてでも片鱗だけは覚えてたりして兎に角良いものは何回読んでも良いのである。一番好きなのは「工場の鹿」次は「エド・ルービーの会員制クラブ」これが未発表で埋もれていて『はい、チーズ』に収録なのか、今の日本を思わせるディストピア、しかし夜明けは近い!3番目は本書初出の小品「都会」ですね。解説で川上弘美さんも書いてますが、心が落ち着き贅沢な時間を過ごしたと思えるヴォネガットの小説世界を堪能しました。残すは4のみ、発売中。

  • roughfractus02

    コメディにとって職を得る事は不思議な場所に放り込まれることと同じだ。そこには対極的な人物達がいて、主人公や語り手がどちらかを選ぶか、選ばないままかによって物語の風味も変わる。前者は人間同士の物語となり、後者は選ばせる側の資本主義システムを際立たせる物語となる。育ちと性的魅力、強さと弱さ、若さと老い等の選択肢を選ばされる主人公達は選ぶ/選ばないの二択を与えるシステムの中にいる。本書のテーマは「ロマンス」(承前)と「働き甲斐&富と名声」だが、選ぶ/選ばないを喜劇化する構造では両者共にひねりの効いた笑いを生む。

  • maimai

    3冊目。特に印象に残ったものをいくつか挙げれば、ヴォネガットの皮肉な視線が際立つ「夢の家」、「自慢の息子」。同じ作家が書いたとは思えないロマンティックな恋愛スケッチ「都会」。同様にハートウォーミングな「パッケージ」。ヒッチコックの映画1本分のハラハラドキドキが詰め込まれた「エド・ルービーの会員制クラブ」。登場人物とヴォネガット自身の像が重なる「工場の鹿」。そしてアッという結末「ローマ」。本邦初訳が4篇も入っているのも嬉しい。

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