カート・ヴォネガット

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これで駄目なら

カート・ヴォネガット

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784864104081
ISBN 10 : 4864104085
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

目次 : 1 金の稼ぎ方、愛の見つけ方―1978年5月20日 ニューヨーク州立大学フレドニア校/ 2 卒業する女性たちへ(男性もみんな知っておくこと!)―1999年5月15日 アグネス・スコット女子大学/ 3 百万長者だって持ってないもの―2001年10月12日 ライス大学/ 4 わたしがトマス・ジェファーソンの悪口を言ったって、あなたたちにはどうにもできない―2000年9月6日 インディアナ自由人権協会/ 5 音楽の慰め(この世はロクでもないことばかりだから)―2004年4月17日 イースタン・ワシントン大学/ 6 大学に行ってないとか気にするな!―2001年10月12日 カール・サンドバーグ賞受賞講演/ 7 ネイティブ・アメリカンたちの「ゴーストダンス」と、キュビズムを率いたフランスの画家たちの共通性―1994年2月17日 シカゴ大学/ 8 芸術家がすべきこと―1994年5月8日 シラキュース大学/ 9 自分のルーツを忘れないこと―1996年5月11日 バトラー大学

【著者紹介】
カート ヴォネガット : 1922年、アメリカ合衆国インディアナ州インディアナポリス生まれ。現代アメリカ文学を体現する作家のひとり。1950年に短編「バーンハウス効果に関する報告書」でSF作家としてデビュー。2007年に死去、享年84歳だった

円城塔 : 1972年北海道生まれ。東北大学理学部物理学科卒業。東京大学大学院総合文化研究課博士課程修了。2007年『Self‐Reference ENGINE』(早川書房)で長篇デビューする(同作の英訳版は、2013年にフィリップ・K・ディック賞特別賞を受賞)。2010年には『烏有此譚』(講談社)で野間文芸新人賞、2012年には『道化師の蝶』(講談社)で芥川賞を受賞。同じ年には、伊藤計劃との共著『屍者の帝国』(河出書房新社)で日本SF大賞特別賞を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ケイ

    賢い善意の人が語る偏見のない言葉、私の場合は茂木さんとヴォネガット。ヴォネガットの方が戦争で死を間近に見て、大恐慌やベトナム戦争を体感している分、言うことがシャープで愛や啓示に満ちている。彼が卒業する若者に向けて行ったスピーチがいくつか収められている。とどのつまりはこう。隣人を愛し、日々何回も幸せを噛みしめようということ。毎日のふとした幸せな瞬間、自分に「これで幸せでなければ、何が幸せか」と確認しろと。訳の出来はともかく、訳してくれた円城さんに感謝。糸井さんのわかったかのような帯は私はいらない(失礼)

  • マエダ

    「タイタンの妖女」「スローターハウス5」で知られるカートヴォネガットの卒業式のスピーチ集である。ヴォネガットは叔父の言葉を強く推していた”人類について発見した不快な点の一つは、自分が幸せであることに気づかないことだ。夏の日林檎の樹の木陰でレモネードを飲んでいた。そんな叔父が会話を中断してこう訊いた。「これで駄目なら、どうしろって」”序章で小説家のダンウェイクフィールドは”ヴォネガットの言葉に嘘は見つからないはずだ。彼は、真実を語るものだった”こんな真摯な作品が心に響かないはずはない。

  • えりか

    オススメ頂いた本。「これが幸せ。これを幸せと言わないで何という」「これで駄目なら、どうしろって?」上を見てはキリがない。今ここにある幸せを忘れないでほしい。気づかないだけで、幸せの種はいくつもある。幸せを幸せだとちゃんと実感すること。そして、自分の属する「家族」に親切に、自分に真っ直ぐに生きていってほしいというヴォネガットの言葉が響く。卒業生へ向けた彼の語りは厳しさと率直さとユーモアと、そしてあたたかさに溢れている。幸せの種を見失わないように、世間に流されていかないように今後何度も読もうと思う。

  • Y2K☮

    これぞ大人の芸術家。たとえば一人のパートナーでは充分じゃないという話。不倫を助長しているのではなく、友人や地域等のコミュニティの繋がりを家族レベルまで高めようと。人は独りで死ぬ。でも生きている間は独りで悩むなと。数十年長く生きているだけで偉そうに振る舞う年長者への批判にも全面同意。森博嗣も「偉そう=本当は偉くない」と書いていた。戦争を経験して男になれとか現代人は軟弱だから徴兵制で鍛えろみたいな理屈はホント糞くらえ。軍や戦争を社会勉強みたいな感覚で語るなと。初読の作家なのに話が合い過ぎる。何か読んでみるか。

  • いちろく

    紹介していただいた本。著者自身の講演集をまとめた作品であるが、エッセイ集のようにも読めた一冊。小説では抽象的に描かれていた内容やテーマが、本書では具体的に提示された印象。私の場合は小説から本書の流れだったので、今一度著者のSF小説を読むと違った側面が見えそう。抽象から具体、具体から抽象を繰り返すことで、より深く見えそうな印象も。カート・ヴォネガットの作品が好き、という人の気持ちの一端に触れられた気がする。

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