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ユダの窓

カーター・ディクソン

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784150704056
ISBN 10 : 4150704058
Format
Books
Publisher
Release Date
March/1978
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
砧一郎 ,  

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

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この物語もトリック解説本などでもよくとり...

投稿日:2018/05/19 (土)

この物語もトリック解説本などでもよくとり上げられている名作ですから、その解決編で明らかになる密室殺人のトリックのおおよそはネタばらし気味に、知ってはいました。しかしそこを差し引いても面白い密室ミステリであったと記憶します。この作品も出だしにごく短い密室殺人状況の説明にあたる章があり、次章からロンドン中央刑事裁判所(オールド・ベイリー)の場面へと飛び、殺人犯として被疑に立たされた絶体絶命の青年の苦悶と、彼を巡る裁判劇が進行する。いきなり法律の専門用語が飛び交う法廷に場面を変えて、青年も訴追者側に追い詰められてゆく。普通に考えると殺人が可能だった人物も青年をおいて他にはいないからです。この物語の創りもたったひと通りの可能な別のトリッキーな殺人方法を準備しておき、そうなったらあとは動機と言い機会と言い状況証拠も揃った圧倒的に不利な状況に被疑者をおいてみる。そうやって作者がサスペンスを強調し、ハラハラドキドキを否応なく盛り上げて楽しむように物語を綴ってゆく。しかるべき解決編を念頭に置いておけば、あとは被疑者にとって、いくらでも暗雲を垂れ込ませた方がスリリングな味が出てより面白い設定が可能になるからです。特大のスリルに青年自身も自ら手にかけなかったという確証もなく、記憶が途絶えている点。彼にとって唯一の救いが密室トリックの専門家のような名探偵H.M卿が強力な味方についたこと。ここら辺に仕かけられた作者の意図と計算が利いてお見事。準備された密室トリックもいわゆる扉もの。そう呼ばれるトリック群に準拠し、独特の心理の陥穽(かんせい)を突いてみせます。不可能興味と法廷物ミステリの面白さが見事に融合マッチした逸品。

ベサメムーチョ美純 さん | 千葉県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    婚約者の父親に挨拶しにいった際に鍵のかかった部屋で飲み物を呷るなり、昏倒した青年。目覚めたら婚約者の父は殺されていた!彼の無実を証明すべく、婚約者が依頼したのはメルヴェール卿。かくして状況証拠や証人喚問も使った論破合戦は幕を切ったのである。証人喚問による、とある人物の爆弾発言にギョッとしつつもアリバイ表で書かれたメルヴェール卿の「ガブリ、ガブリ!」、「ワアイ!」という言葉が何だか可愛いです。真相は盲点過ぎて遣る瀬無かったのですが、「卑劣な者に罰を!」が実現されて良かったです^^

  • たかなし

    有名作品ってことで。舞台が法廷なので登場人物が覚えやすかったです。そして私が大好きな密室です。密室以外の謎も魅力的で読んでて楽しかった。カーの作品は2つめだけどこの方は凄い。カーはまだまだ有名作品を読めてないので読んでいきたい。

  • kagetrasama-aoi(葵・橘)

    ハヤカワ・ミステリ版も何度も読んでいるので登録します。こちらも味のある翻訳です。

  • Tetchy

    今回は物語の展開が非常に面白い。特に被告人側弁護人がHM卿というのが面白いではないか!そして各章の末尾で明らかになっていく新事実。単純に思えた事件が裏では実に複雑に絡み合っていたのを1枚1枚薄衣を剥ぎ取るかのごとく、読者の眼前に示していくストーリー展開は胸躍らされながら読まされた。その中でも特に印象的なのは10章以降からの展開だ。まるで長くだらだらと続いていたトランプゲームの神経衰弱が一気に終末に近づいていくような感覚を覚えた。ただ「ユダの窓」の正体がなんともチープだったことが不満。

  • sakadonohito

    密室と言える場所で殺人が発生。状況的に同じ部屋にいた青年が犯人に違いないと裁判が行われる。法廷で徐々に謎が解かれていくミステリ。中盤のやりとりは面白く感じたが法廷が舞台ゆえに終盤の弁護側、訴追者側、裁判官がそれぞれの立場からおさらい的演説の場面で飽きてしまった。設定上仕方ないんだけど。謎解きよりも法廷でのやり取りが主の作品だと思った。

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