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憎しみに抗って 不純なものへの賛歌

カロリン・エムケ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784622086703
ISBN 10 : 4622086700
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

なぜ世界中で、他者への集団的な憎しみが高まっているのだろう。そこから自由になるためには。難民政策に揺れるドイツでベストセラーになった、世界を読むための必読書。

目次 : 1 可視‐不可視(恋/ 希望/ 懸念/ 憎しみと蔑視)/ 2 均一‐自然‐純粋(均一/ 根源的/自然/ 純粋)/ 3 不純なものへの賛歌

【著者紹介】
カロリン・エムケ : ジャーナリスト。1967年生まれ。ロンドン、フランクフルト、ハーヴァードの各大学にて哲学、政治、歴史を専攻。哲学博士。『シュピーゲル』『ツァイト』の記者として、世界各地の紛争地を取材。2014年よりフリージャーナリストとして多方面で活躍。『メディウム・マガジン』にて2010年年間最優秀ジャーナリストに選ばれたほか、レッシング賞(2015年)、ドイツ図書流通連盟平和賞(2016年)をはじめ受賞多数

浅井晶子 : 翻訳家。1973年生まれ。京都大学大学院博士課程単位認定退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • どんぐり

    多くの難民を受け入れてきたドイツ。テロ事件が起こるたびに、難民への圧力と抗議が高まる。難民対自国民、イスラム教徒対キリスト教徒、パレスチナ対イスラエル、二項対立で考えると、どうしても世界は分断しているととらえられる。ある特定のグループを「異質」な存在と見なし、憎しみを増幅させるのはいったいどこから来るのか。不気味で、忌まわしく、危険な集団と見立て、烙印を押し、レッテルを張る知覚パターンはどのようにつくり出されるのかを考察したのが本書である。憎しみに抗うために何をすべきか、その処方箋も提示している。「ルサン

  • sayan

    個人的に今年(2018年)最もインパクトを受けた1冊になるのは間違いない。ドイツ人ジャーナリストが難民、移民を受け入れた社会を冷静に観察し、分析しベストセラーとなった著作。自分の基準とは異なる「他者」に対する集団的な憎しみ等の構造、また人種という概念を用いない代わりに文化・移民・宗教を持ち出す文脈、非常に示唆的だ。ブザンの社会的安全保障を良い意味で明快に批評しているバランスが取れた書籍だと感じた。ちょうどメルケル首相が8月16日に難民の本国送還強化を打ち出した。いま、この書籍を手に取る意味は大きいと思う。

  • かもめ通信

    翻訳新刊が出たことをきっかけに再読。何度読んでもスゴい本だ。世界のあちこちで起きていることはもちろん、自分の身近で起きているあれこれについても、それはおかしい、それは間違っていると思うことは多い。私自身そう思った時点でできるだけ声を上げるよう心がけてもいるつもりだが、思いばかりが先走ってなかなか説得力を持つまとまった話ができない場面もまた多い。この本はそんな私を励ましてくれる本でもある。

  • くさてる

    「憎しみとは不明瞭なものだ。明瞭にものを見ようとすれば、うまく憎むことができなくなる」。人種差別、移民排斥、IS、性的マイノリティ排除など、ドイツのジャーナリストが語る、集団的な憎しみのメカニズムについての考察。自分とは「違う」存在を創り出して攻撃する流れにどうやって抗うべきなのか。警官にのしかかられて「息ができない」と繰り返し、やがて絶命した黒人男性の実話につい先日起きたばかりの事件のことがなぜ、と思った瞬間、こういうことが繰り返されてきたのだという事実に思い当たった。いまこのときに、おすすめの一冊。

  • ケイトKATE

    他者への集団的な憎しみにあるものは何か、憎しみを乗り越えるには何が必要か。この問題にカロリン・エムケは真正面から向き合っている。憎しみが起きる原因は、異質なものと遭遇したことからの懸念と不安、嫌悪を抱くことから始まる。そして「我々」と「他者」の二極化、やがて「敵」か「味方」という形へと変化し、社会の純粋性の維持と均一化を図るために異質なものへの排除と向かっていく。エムケは憎しみを乗り越えるためには、人間一人ひとりの多様性を認め個性を尊重すること。

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