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園芸家の一年 平凡社ライブラリー

カレル・チャペック

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784582768251
ISBN 10 : 4582768253
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
飯島周 ,  

Content Description

一月は固い大地にシャベルをへし折り、四月はやわらかい土中の芽吹きに心躍らせ、八月は旅先から隣人に水やりを依頼、十二月にはカタログを眺めながら三月を待ち望む―。腰を曲げ、足のやり場に困りながら、植物に人生を学び、日々奮闘する園芸家の喜怒哀楽を愛とユーモアたっぷりに綴る園芸エッセイの金字塔。

目次 : 庭づくりの始めに/ 園芸家が誕生するまで/ 園芸家の一月/ 種/ 園芸家の二月/ 園芸家のわざ/ 園芸家の三月/ 芽/ 園芸家の四月/ 祭典の日〔ほか〕

【著者紹介】
カレル・チャペック : 1890‐1938。北東ボヘミア(現在のチェコ)の小さな鉱山の町、マレー・スヴァトニョヴィツェに生まれる。プラハのカレル大学で学んだ後、ベルリンとパリに留学、帰国後の1916年頃から創作を開始し、1921年に『リドヴェー・ノヴィニ(人民新聞)』社に入社、生涯、ジャーナリストとして活動した。その一方で、戯曲・小説・評論・童話なども執筆、幅広いジャンルで秀作を残す。一貫してファシズムに抵抗し、死後は共産党により反体制の烙印を押されたこともあるが、チェコの国民的作家として、世界中の多くの人々に親しまれ続けている

飯島周 : 1930年、長野県に生まれる。東京大学文学部言語学科卒業。1967年以降、数度にわたりチェコのカレル大学に留学。言語学専攻。跡見学園女子大学名誉教授。2009年、チェコ文化普及の功績により、同国政府から勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • NAO

    チャペックの文章は、とにかく面白い。まじめにやってるの?と言いたくなるようなおふざけ満載でありながら、土や雑草、農機具に対するちょっとしたいらだちなど、土いじりをしたことのある者なら「そう、そう」と頷いて共感せずにはいられなくなる。書かれたのは、ナチが台頭し始めた頃。チャペック兄弟は、暗い世相もあって、こんな底抜けに明るく誰もが共感できる作品を描きたかったのか。イラストを描いた兄は、強制収容所で死亡。

  • NORI

    "園芸家の生態"を詩的でユーモア溢れる文章で綴った一冊。 「園芸家はまっすぐに、威厳をたたえて立ち、給水栓の口から噴出する水を支配する」いや、オッサンが庭に水を撒いてるだけですけどね。この面白さは、チェコ人である著者の文章力によるだろうが、同時に、訳者のセンスも大きいのかも。 庭に少し花を植えたり野菜を育てる程度で、とても園芸家を名乗れる水準に無い私でも笑えるあるあるネタ。もっと真剣に園芸に取り組んでいる方だったら、もっともっと共感できそう。「はにかむ葉よ、恥ずかしがるな。たたみ込まれた葉を広げよ!」

  • ロビン

    中公文庫版を読んで以来の再読。素人園芸マニアの著者による、園芸家という生き物の業の深い(?)生態を描いたユーモア溢れる名エッセイに、兄ヨゼフのチャーミングな挿絵が文字通り花を添えた楽しい一冊。エデンの園に行けたなら、知恵の実よりも土を持って帰りたい、という病膏肓に入った妄想や、余人は嫌がる堆肥の匂いに陶然とするなど、園芸家の狂騒曲にクスクス笑ってしまう。しかし、本書が戦時の抑圧された環境下で著述され、兄弟がファシズムに抵抗していたこと、そのためにヨゼフが強制収容所で死去したことを思うと厳粛な感慨を覚える。

  • Sakie

    再読。自由にできる地面を手に入れた途端、私は飽かず眺めては、ああするのはどうだろう、ここはどうしたらいいだろう、あの木は植えたい、これも植えたい、植える場所がまだ決まってないのに球根が届いてしまった、枯れ木のような枝をいつまでもにやにや眺めている、他所様の田畑の草花が羨ましい、など、それはもうチャペックの描くアマチュア園芸家そのものに他ならないのに気づいて、微笑ましく思うのだ。しかしそこには自然に通じるなにか深遠なものがあると、これもこの歳になって気づいたことだ。『一年じゅう春であり、一生、青春時代だ』。

  • Sakie

    耕作すなわち文化。植物に飼いならされる人間の悲喜こもごもをユーモア満載で綴っている。当時は紳士が嗜む趣味であったようで、なるほど傍から見れば理解しがたい、滑稽ですらあろう姿だが、若い時分には解さない深い深い哲学が庭仕事にはあるからなのだ。そして『わたしたち園芸家は、未来に対して生きている』と断言する。花を植える瞬間はその花が咲いた姿を想うだろう。木を植える瞬間はその木が大きくなった10年後を、さらには見ることの叶わぬ50年後をも想うだろう。いつか自分の庭を得て、体感でわかるようになったら、また読みたい。

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