カルロ・ギンズブルグ

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チーズとうじ虫 新装版 16世紀の一粉挽屋の世界像

カルロ・ギンズブルグ

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784622090236
ISBN 10 : 4622090236
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
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Content Description

1583年9月、イタリア東北部、当時はヴェネツィア共和国本土属領のフリウリ地方において、ひとりの粉挽屋が教皇庁により告訴された。名をドメニコ・スカンデッラといい、人びとからはメノッキオと呼ばれていた。職業柄、白のチョッキ、白のマント、白麻の帽子をいつも身に着け、そして裁判の席にあらわれるのもこの白ずくめの服装だった。「各人はその職業に従って働く。あるものは身体を動かし骨折って働き、あるものは馬鍬で耕す、そして私はといえば神を冒涜するのが仕事だ」「私が考え信じるところでは、すべてはカオスである、すなわち土、空気、水、火のすべてが渾然一体となったものである。この全体は次第に塊になっていった。ちょうど牛乳からチーズができるように。そしてチーズの塊からうじ虫が湧き出るように天使たちが出現したのだ」かく語り、二度にわたる裁判を経て焚刑に処せられたメノッキオとは何者か。異端審問記録ほか埋もれた史料を駆使しつつ地方農民のミクロコスモスを復元、民衆文化の深層にスリリングに迫ったギンズブルグ史学の初期傑作。

目次 : メノッキオ/ 村/ 最初の審問/ 「悪魔に憑かれている」?/ コンコルディアからポルトグルアロへ/ 「高い地位にある方々に対して存分に語る」/ 古いものを残した社会/ 「かれらは貧しい人びとからむさぼりとる」/ 「ルター派」と再洗礼派/ 粉挽屋、絵師、道化〔ほか〕

【著者紹介】
カルロ・ギンズブルグ : 歴史家。1939年、イタリアのトリーノに生まれる。ピサ高等師範学校専修課程修了。ボローニャ大学・近世史講座教授、カリフォルニア大学ロスアンジェルス校教授を経てピサ高等師範学校教授

杉山光信 : 1945年、東京に生まれる。東京大学文学部社会学科卒業。東京大学新聞研究所助手、東京大学新聞研究所教授を経て、2015年まで明治大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • てれまこし

    チーズからうじ虫がわいて出るように、神の介入なしに混沌から天使も人間も生れてくる。こんな奇抜な宇宙観を審問官たちに得々と語る粉挽屋メノッキオ。読むことができて書物に親しんでいるが、彼の宇宙観にはルター派や異端思想に還元しきれないものがあって著者はそれを農民の口承伝統に求める。それも文明や時代の境目を越えてインドのヴェーダに連なって口伝えで伝承されてきた宇宙観に。この文書に残されないけどずっと存続した農民文化の深い層が、宗教改革と印刷革命によって一瞬照らされた事例がメノッキオの宇宙観ではないかと問いかける。

  • おやまだ

    メノッキオは果たして民衆を代表しているのか。むしろメノッキオに対するモンテレアレの住民の反応こそが、「民衆の心性」だと思うのだが。詳しくはブログで。

  • V8おじさんと空飛ぶコロッケ

    ギンズブルグの名著。 ちょっとこれまでの中〜近世あたりのヨーロッパと捉え方変わったな(昔の本読んで今更いうなという感じだけど)。 キリスト教がどこまでも強固に君臨してたと思ってたけど、案外そうでもなかったのかも、と思えた。 非常に豊かな思想を持った庶民もいた。もともとの民間信仰や読書を介した知的階級とのコミュニケーションなど、さまざまなつながりで紡がれていたのだ。 読むのに非常に骨がいったけど、なかなか面白かったな。 ギンズブルグはあと家に『ベナンダンディ』と『サバト』が積んである…いつか読まなきゃな。

  • cochou

    権力が魂や精神をどのように支配するのかという点についてリアルに描かれており感嘆した。 一方でキリスト教前の農民たちの心性については唐突感あり。飢餓への恐怖心から豊穣=神の恵み・天国のイメージが生まれ、飢餓の心配のない聖職者への疑問・反発が燻り、時に爆発するということだろうか? また、魂の問題で粉挽屋は論理的に行き詰まってしまい、宇宙の生成と歴史について唯物論を全面展開できないというのも面白い。

  • takao

    異端審問記録

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