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風の丘 新潮クレスト・ブックス

カルミネ・アバーテ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784105901158
ISBN 10 : 410590115X
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

イタリア半島最南端、赤い花の咲き乱れる丘に根を下ろして暮らすアルクーリ家の人々。ときに横暴な地主に、ファシズム政権に、悪質な開発業者に脅かされながらも、彼らは風の吹きすさぶ丘での暮らしを誇り高く守り続ける。その丘には、古代遺跡のロマンと一族の秘密が埋もれていた―。イタリアの権威ある文学賞、カンピエッロ賞受賞作

【著者紹介】
カルミネ・アバーテ : 1954年、イタリア南部カラブリア州の小村カルフィッツィに生まれる。少数言語アルバレシュ語の話される環境で育ち、イタリア語は小学校で学ぶ。バーリ大学で教員免許を取得、ドイツ・ハンブルクでイタリア語教師となり、1984年にドイツ語で初めての短篇集を発表した。その後、イタリア語で執筆した『サークルダンス』(1991)で本格的に小説家としてデビュー。『帰郷の祭り』(2004)でカンピエッロ賞最終候補となり、2012年に『風の丘』で第50回カンピエッロ賞を受賞した

関口英子 : 埼玉県生まれ。翻訳家。ルイジ・ピランデッロ『月を見つけたチャウラ ピランデッロ短篇集』で第一回須賀敦子翻訳賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • さつき

    イタリア、カラブリアに生きる家族四世代を描いた作品。最初は荒地だった丘を開墾し果樹を植え、だんだん豊かな地になっていく様はまさに日々の努力が実っていくのを見守っているようで胸が熱くなります。貧困、戦争、ファシズム…困難が山積する中、いつも家族で支え合い生きてきた。読みながら、私自身のもういない親族の顔が次々と思い出されました。赤い土の上に様々な花々が咲き乱れ、白燕が飛ぶ地。実際には訪れたことはないのに、そのえもいわれぬ芳香の中に立ち潮風に吹かれたような気持ちです。

  • キムチ

    アパーテの本は4冊目。頁の数倍もの感動をぎっしり詰め込んである感覚を受ける・・そう、でぶっちょミートパイの様な。舞台はカラブリア周辺の南伊。アルクーリ一族のねちっこい血が連綿と描かれるドラマは骨太く重なる悲哀は湿り気が無・・イタリア人の気質か?随所に登場するドライフルーツやハーブを効かせた料理は垂涎もの、豊かな胸をさらす美女も然り。風が流れるロッサルコの丘は遺物にKの文字が刻まれていたり金貨があったり真に世界トップの遺跡の国 伊!フィクションなのに、読み手にマンマミーアと叫ばせるような陽光を感じさせる快作

  • ケロリーヌ@ベルばら同盟

    その丘には、家族の物語、古代の遺跡、そして秘密が眠っている。長靴の形をした半島の南端、時に甘く、時に苛烈に風吹く丘に暮らすアルク―リ家四代のクロニクル。二つの大戦、近代化の波に翻弄されながらも、家族を愛し、地を耕す屈強な男たち、美しく情熱的で働き者の女たち。太古の歴史と、一族の不屈の労働の上に実を結ぶ豊かな作物。土くれのあいだや、草の陰、空中に紛れた決して滅ぶことのない人々の営みの記憶が、風の言葉で綴られる。芳醇な物語を堪能した。

  • miyu

    カラブリアのスピッラーチェに根ざしたアルクーリ家四代に渡る物語。この土地は昔アルバニアからの移民が築いたと言われるカルフィッツィ(作者の故郷)がモデルだそう。語り手は現代に生きる曾孫のリーノだが、彼の一族が愛して離れようとしなかった美しい風の丘が寄り添うように囁いているようにも思える。時代に翻弄されそうになりながらも二つの戦争を耐え抜き、様々な試練に立ち向かう頑固とも言えるほどの強靭な意思を持つ男たちと深く底知れない愛情で包み込む女たち。そんなアルクーリ家を静かに見守るロッサルコの丘。素晴らしい読後感だ。

  • りつこ

    イタリア半島最南端のロッサルコの丘に暮らす家族。地主の脅しやファシズム、二つの戦争に屈することなく、この地を守り抜く人たち。風の丘を守るために彼らが失ってきたものを考えると胸が苦しくなるのだが、それでも命は次の世代に引き継がれ、続いていく。辛い物語だが、豊かな自然の描写と丘に隠された遺跡の謎と強くたくましい男と女に救われた。

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