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アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か? これからの経済と女性の話

カトリーン・マーサル

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784309300160
ISBN 10 : 4309300162
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

食事をどうやって手に入れるか。これは経済学の根本的な問題だ。1776年、経済学の父アダム・スミスは、現代の経済学を決定づける一文を書いた。「我々が食事を手にいれられるのは、肉屋や酒屋やパン屋の善意のおかげではなく、彼らが自分の利益を考えるからである」人々の利己心のおかげで、我々は食事にありつける。合理的な経済人の自己利益の追求が市場を、世界を回す―いや、本当にそうだろうか?ちなみにその夕飯のステーキ、誰が焼いたんですか?こんなに真面目に働いているのに何かがおかしい、と思ったら。スウェーデン発、気鋭のジャーナリストによる話題の一冊。

目次 : プロローグ 経済と女性の話をしよう/ アダム・スミスの食事を作ったのは誰か/ ロビンソン・クルーソーはなぜ経済学のヒーローなのか/ 女性はどうして男性より収入が低いのか/ 経済成長の果実はどこに消えたのか/ 私たちは競争する自由が欲しかったのか/ ウォール街はいつからカジノになったのか/ 金融市場は何を悪魔に差しだしたのか/ 経済人とはいったい誰だったのか/ 金の卵を産むガチョウを殺すのは誰か/ ナイチンゲールはなぜお金の問題を語ったか/ 格差社会はどのように仕組まれてきたか/ 「自分への投資」は人間を何に変えるのか/ 個人主義は何を私たちの体から奪ったか/ 経済人はなぜ「女らしさ」に依存するのか/ 経済の神話にどうして女性が出てこないのか/ 私たちはどうすれば苦しみから解放されるのか/ 経済人にさよならを言おう

【著者紹介】
カトリーン・マルサル : スウェーデン出身、英国在住のジャーナリスト。スウェーデンの大手新聞Dagens Nyheter紙記者。政治、経済、フェミニズムなどの記事を寄稿するほか、ミシェル・オバマへの単独インタビューを担当。またスウェーデンのニュースチャンネルEFNでナシーム・ニコラス・タレブやスティーブ・アイズマンといった経済界の名だたる重鎮へのインタビューを手がける。2015年、BBCの選ぶ「今年の女性100人」に選出。経済と女性、イノベーションについてTEDxなどで講演をおこなっている。本書は世界20か国語に翻訳され、ガーディアン紙のブック・オブ・ザ・イヤー(2015年)に選出された

高橋璃子 : 翻訳家。京都大学卒業。ラインワール応用科学大学修士課程修了(MSc)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • trazom

    確かに、家事が生産労働から除外され、経済学の中で女性が正当に評価されていないことを訴える著者のジェンダー論は、当を得ているとは思う。しかし、私はそれ以上に、ホモ・エコノミクスを前提とし、恣意的に歪められた競争原理で市場を操る新自由主義に対する著者の懐疑に、強い共感を覚えた。確かに、アダム・スミスは、利己心や自由放任主義の経済学の祖ではあるが、一方で「道徳感情論」で愛や共感に思いを巡らせた倫理学者でもある。夕食を作り続けてくれたお母様の愛情の深さを計量できるほど、経済学というものが万能だとは思いたくない。

  • パトラッシュ

    ソ連崩壊直後のロシアは戦後日本と変わらぬ敗残国だった。モスクワの街角に立って持ち物を売っているのは女性ばかりで、夜のホテルには娼婦からの電話が何本もかかってきた。失われたプライドを嘆き悲しみ泥酔する男をよそに、逞しく現実を生きる女がロシアを支えていた。彼女たちの働きは、ロシア経済を考える上で勘定に入れられていない。マルクスもケインズも、そしてアダム・スミスも自分の経済学を構築する際に女性の家事やケア労働を無意識に無視した。しかし女性を視界に入れない経済学や経済政策は、必然的に失敗するのだと本書は警告する。

  • KAZOO

    かなり評判になっているので読んでみました。表題からは女性の話しであるということがわかります。過去の経済的な事象で、女性がもう少し活躍していたらどうなるのか、というような感じでいわゆる女性の活躍の場をもう少し社会において与えていってもいいのではないかということに尽きるのでしょう。確かにフェミニズムということからするとそのような議論が出てきてもおかしくはない時代になっています。ただ世界的にはそうであっても日本の現実を見ると…、という感じは残ります。

  • ルピナスさん

    「アダム・スミスって馬鹿だな。全部母親にやってもらっていたんだろ」と夫は笑うけれど、私も男性と女性の役割や身体能力が異なるとして、女性であるための足し算引き算を当然と受け入れながら、何年も悶々と悩み続けた1人。「弱みを恐れ、自然を恐れ、感情を恐れる。依存を恐れ、循環を恐れ、理解できないもの全てを恐れる」こういった事を女性的と遠ざけてしまう世の中は終わりにしたいと思うので、今日もフェミニズム的本を手に取り子供達と語り合う。男性だって呪縛から解放されたい想いは同じだろう。本書の内容が耳に痛い人ほど読んで欲しい

  • がらくたどん

    弱み・感情・自然(身体性)・依存等の制御や理解が難しいのに確かにあるものへの恐怖を回避する方便としてそれらを排除した主体モデルを作り排除した諸要因を女性性に負わせる事で維持してきた経済モデルが現実社会から乖離しているのにリアルをモデルに合わせてしまう指向性と生み出される歪を平易な文章で解説する。原著から10年。最近「弱さを前面に出し恋人に凝った料理を作り続ける女性と自分は良い伴侶を手に入れたと自負しつつ内心辟易している男性」の話を続けて読んだ。「経済人」という主体モデルは内側から瓦解し始めているのでは?

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