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新訳 サロメ 角川文庫

オスカー・ワイルド

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784041141960
ISBN 10 : 4041141966
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「歪(いびつ)に見え実は巧みなフランス語でヴェールを纏(まと)ったサロメの姿を、初めて日本語で見た。クイアに美しく、リリカルな声に身震いがした」ロバート キャンベル(国文学者)

日本初演から110年。
「本当のサロメ」とは?

最新研究に基づく画期的新訳×新解釈で、物語の真の意味が明らかに!

日本初演から110年。私達は「本当のサロメ」に初めて出会う。
――月夜の晩。エロド王に請(こ)われ、妖艶な踊りを披露したサロメ。王に求めた褒美は美しき預言者ヨカナーンの首だった。少女の激情を描き、男性同性愛の記号(モチーフ)を潜めることで、当時の西欧社会の抑圧を挑戦的に描いた本作は、実はワイルドの抵抗(レジスタンス)!? 仏語原文を忠実に読み解き、見過ごされてきた男達の意外な葛藤を示し、真のドラマ性を見事に新訳! ビアズリー画18点掲載。

【日本初演から110年。新訳で物語の真の意味が明らかに!】

ポイント1 今まで見過ごされてきた男たちの意外な葛藤を訳出
人との距離感を表す、仏語の二種類の語法――ヴーヴォワイエとチュトワイエ。それを原文通りに丁寧に訳しわけることで、ヨカナーンらの意外な葛藤を表現!

ポイント2 サロメに隠された男性同性愛の記号(モチーフ)
劇中に登場する「緑のお花」は、実は男性同性愛の記号。そのためラストの悲劇的展開には、キリスト教による弾圧への抵抗(レジスタンス)の思いが込められている。後に男性同性愛で裁かれ、客死するワイルド自身の悲劇をも予言した。

ビアズリーの名画を英語版も含め、18点掲載!


目次
サロメ 一幕劇
訳者あとがき

【著者紹介】
オスカー・ワイルド : アイルランド出身の小説家・劇作家・詩人・批評家(1854‐1900)。フランス象徴主義の影響を受け、耽美的・頽廃的な19世紀末文学の旗手となった。警句や軽妙な会話を得意とし、社交界の寵児となったが、当時犯罪とされた同性愛で有罪となり、投獄され破産。出獄3年後にパリに死す。その唯美主義の影響は大きく、谷崎潤一郎も影響を受けた

河合祥一郎 : 1960年生まれ。東京大学およびケンブリッジ大学より博士号を取得。現在、東京大学教授。著書に第23回サントリー学芸賞受賞の『ハムレットは太っていた!』など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 旅するランナー

    河合祥一郎東大教授がフランス語原文から翻訳することにより、オスカー·ワイルドの意図が見えてくる。預言者ヨカナーンの動揺、エロド王の言葉遣いの変化、音楽性を持ったセリフ。サロメの妖艶さも増し増しになっています(七つのヴェールの踊りはト書きだけですけど)。オーズリー·ビアズリーの挿画も揃っていて、いいとこ取りの翻訳本になっています。

  • シフォン

    サロメというとファムファタールとして紹介されるギュスターブ・モローの絵を一番に思い出すが、小説(戯曲)は初めて読んだ。オーブリー・ビアズリーの挿絵(18点)が入っていることから手にしたが、美しいと書かれているサロメもヨカナーンもインパクトはあるけれど醜く描かれている。ワイルドのサロメは聖書とは異なり、サロメ自身がヨカナーンを求めており、さらにサロメも殺されてしまうとは。訳者のあとがきにサロメの英訳が原書と異なることやワイルドが同性愛者故に投獄されたことが書かれており解釈のむずかしさを痛感する。

  • くさてる

    もちろん既読の名作なのだけど、この新訳はで読み直すとさらに良かった。ビアズリーの挿絵も素晴らしいけれど、さらに絢爛豪華な文章が、瑞々しくも美しい。訳者あとがきがまた興味深くて、既訳を読んだ方にもお勧めだと思いました。良かったです。

  • YO)))

    沙翁劇の翻訳で名高い河合祥一郎氏による新訳サロメ。ワイルドが敢えて母語ではない仏語で書くことで試みた仕掛けを丁寧に読み解く素晴らしい仕事。とりわけサロメの圧倒的なファム・ファタールぶりに隠れて見過ごされていたヨカナーンのドラマ、聖者と生身の男の間で揺れ動く様の表現には唸らされた。

  • miaou_u

    岩波の福田恆存訳のサロメに傾倒しすぎていることもあり、新訳はどうしても受け容れ難いものがあって避けていたのですが、角川の不思議の国のアリスの新訳を担当なさった河合祥一郎さんの訳がリズム感があり、現代的なスピード感がとても好きで、この度発売されたの角川のサロメの新訳も河合さんの訳と、手にとりました。結果、やはり、どうしても退廃的な絡め取られそうな美を求めてしまう私はサロメに関しては、福田訳からは離れられないかもしれません😅それだけ、ファム・ファタール、、サロメは実は、現代的な女性像なのかもしれません…♪

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