エーリヒ・アウエルバッハ

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ミメ-シス 下

エーリヒ・アウエルバッハ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480081148
ISBN 10 : 4480081143
Format
Books
Publisher
Release Date
February/1994
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • H2A

    ヨーロッパ文学における現実描写、リアリズムの変遷と歴史。下巻はラブレーに始まって、ラシーヌの接続法だらけの複雑な表現に幻惑され、著者の母国であったドイツでのリアリズムの立ち遅れを一瞥し、スタンダール、バルザック、ゾラでのその達成を見届け、そして長い旅の終着点はウルフ「灯台へ」。終盤に自分の時代が近づくにつれて著者本人の肉声のようなもの節が散見される。遠く異国の地イスタンブールで書かれた素晴らしき文学の旅路。

  • roughfractus02

    崇高と低俗を区別したギリシャ的文体と聖なるものの低俗なものへの受肉として混交させたキリスト教的文体の争いは、ギリシャ的喜劇において真の現実を描こうとした『神曲』に集約され、真なるイデアの流出としてのプラトン的ミメーシスにない、現実を真と見なす新基準を作る。一方、まだ崇高と低俗の区別を詩と散文に分けて保持していた古典主義を破壊するのは、実験装置として文学を捉えたフランスの科学的リアリズムである。著者は、実験瞬間を捉える役を果たす文字が、現在の中に意識の流れを見るウルフ、プルースト、ジョイスを用意するとした。

  • tieckP(ティークP)

    いかに文章は現実を(それは感覚においてだけでなく、社会において、歴史において、内面においても)写し取り、適切な文体にたどりつくか。この観点から要所ごとに作品を選んで切れ味鋭く分析してみせる。近代以降を扱った下巻の方がさすがに読みやすい。アウエルバッハが理想とするゾラあたりが優れた小説か、また好みの小説かと言われると共感はできないが、論に説得力はある。1940年代に書かれた本を、半世紀以上あとに読むことで感じる違いも面白い。とはいえ疲れたのも事実である。同じことを繰り返し言うのが割と好きな著者のようだ。

  • Z

    名著。特にフランスリアリズム、ロシア文学への視点、そして意識の流れにたいする考察は面白い。ゲーテ嫌いの私には、著者のフランスリアリズムと対比したゲーテの欠陥には喝采。スタンダール、バルザック、ゾラ(ゾラは触れられてないが)この三者に生物学に対する関心が共通しているのが驚き。動物は環境に規定される。個人とその環境の歴史との絡み合いを書くという、小説は時代を書けというような、理念の起源。意識の流れ、一度外部を意識に還元する。外界は意識を触発するきっかけに過ぎず、意図あるいは思考の主題に制限されず

  • misui

    およそ三千年におよぶヨーロッパの文学作品の「描写」を検討しその様態の変化を見るというもので、上巻のダンテ論が良かっただけに下巻はちょっと勉強で読む感じになってしまった。取り上げられている作品や時代が気になった時に参照すればいいのでは。「民衆の心にうつつをぬかすなどということはシェイクスピアにとって全く縁の遠いことであった。そればかりではなく、啓蒙主義や、市民道徳や、情操の育成などの予兆もシェイクスピアの中にはみえない。」

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