エルンスト・カッシーラー

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現代物理学における決定論と非決定論 新版 因果問題についての歴史的・体系的研究

エルンスト・カッシーラー

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784622087366
ISBN 10 : 4622087367
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
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Content Description

量子力学の本当の困難は、それが根底的な“非決定論”を導入したということ、それが私たちに“因果概念”の放棄を要求しているということ、そのことにあるのではない―この問題提起から始まり、ナチス・ドイツを逃れ亡命先のスウェーデンで1936年に執筆された本書は、『実体概念と関数概念』に始まり『シンボル形式の哲学』に結実し『国家の神話』に終わる、カッシーラーの生涯の哲学的問題意識のすべての要素の結接点に位置するものである。1994年に同訳者により学術書房から刊行された旧訳書を、原書初版に基づき本文・解説とも大幅に書き改め、英訳版の序文も加えた、改訳新版。量子力学的世界の哲学的基礎付けを試み、科学と哲学を架橋した画期的著作である。

目次 : 第1部 歴史的・予備的考察/ 第2部 古典物理学の因果原理/ 第3部 因果性と確率/ 第4部 量子論の因果問題/ 第5部 因果性と連続性/ 最終的考察と倫理学的結論

【著者紹介】
エルンスト・カッシーラー : 1874‐1945。ドイツの哲学者。旧ドイツ領プレスラウ(現ポーランド領ヴロツワフ)に生まれる。ヘルマン・コーエンの下でカント哲学を学び、マールブルク学派の一人に数えあげられるが、近代認識論史の大著である『近代の哲学と科学における認識問題』(1‐3巻、1906‐20、4巻、1950(邦訳『認識問題』全4巻・5冊))や『実体概念と関数概念』(1910)で独自の立場を確立。ベルリン大学私講師をへて1919年新設ハンブルク大学教授に着任。さらに『シンボル形式の哲学』(1923‐29)で言語・神話・宗教・芸術などを包括する文化哲学の体系をつくりあげた。1933年、ナチスの支配と同時に亡命を余儀なくされ、オクスフォードからスウェーデンをへて、1941年以後アメリカで活躍する。1945年4月、ニューヨークで歿

山本義隆 : 1941年、大阪に生まれる。1964年東京大学理学部物理学科卒業。同大学大学院博士課程中退。現在、学校法人駿台予備学校勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • roughfractus02

    量子力学の出現と確率解釈を巡るアインシュタインvsボーア論争について、本書はすでに『実体概念と関数概念』で提起した因果関係から相関関係へシフトする認識と論理の先を探求する。著者は、非決定論がカントの空間と時間の直観形式(超越論的感性論)を破るとし、そのベースにあるユークリッド空間からの解放を確率解釈の先の多世界解釈をも予感しながら、哲学的世界観の刷新を目論む。亡命先のスウェーデンで急遽出版した本書(初版1937)だが、改訳版での訳者の詳細な注と新たな解説によって、著者のモチーフがさらに理解しやすくなった。

  • けっと

    因果律に関する過去の哲学者の見解を総括した上で、現代物理学(特に量子論)の枠組みを考慮した独自の見解を展開している。特に興味深い見解は2つあり、@因果律を現象の予測可能性ではなく、現象を数理的に把握できることを指す、A測定データを整理して方程式で表現し、得られた様々な方程式をより上位の原理で統合するという流れが可能だと要求するのが因果律である、という考えが印象に残った。本書を読んでも物理的考察能力が向上するわけではないけれども、上記の@Aのように物理学という営みを頭の中で整理することができるのが良い。

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