エリザベス・ストラウト

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私の名前はルーシー・バートン ハヤカワepi文庫

エリザベス・ストラウト

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784151201028
ISBN 10 : 4151201025
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ルーシー・バートンの入院は、予想外に長引いていた。幼い娘たちや夫に会えないのが辛かった。そんなとき、思いがけず母が田舎から出てきて彼女を見舞う。疎遠だった母と交わした五日間の他愛ない会話から、喜び、寂しさ、痛み―いくつもの繊細な感情がこみ上げる。それはルーシーにとって忘れがたい思い出となる。ピュリッツァー賞受賞作『オリーヴ・キタリッジの生活』の著者が描く、ある家族の物語。

【著者紹介】
エリザベス・ストラウト : 1956年にメイン州ポートランドで生まれる。ベイツ大学を卒業後、シラキュース大学法学部で学位を取得。26歳のとき作家としてデビュー。2008年に発表した『オリーヴ・キタリッジの生活』でピュリッツァー賞(小説部門)およびバンカレッラ賞を受賞。同書は、フランシス・マクドーマンド主演のドラマ版もエミー賞を受賞するなど好評を博した。2013年に第四長篇『バージェス家の出来事』を発表。第五長篇となる『私の名前はルーシー・バートン』(2016年)はブッカー賞候補となった。『何があってもおかしくない』(2017年)はストーリー賞を受賞。ニューヨーク市在住

小川高義 : 1956年生まれ、東京大学大学院修士課程修了、英米文学翻訳家、東京工業大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • どんぐり

    クライスラー・ビルの照明が見える病室。いまとなっては昔、9週間の入院となったルーシー・バートンが疎遠だった母親が見舞いに訪れた5日間を述懐する。母親に似たくないという希望で、若い頃に受けた施術。別れた夫と娘たちのこと、アリゾナの創作クラスで「ストーリーで悩んじゃだめ。どうせ一つしかないんだから」と、セアラ・ペインが言ったことを思い出す。そして、いまは作家となって書いている「私」。ストラウトの小説だ。

  • NAO

    この作品は、ルーシーが10年ほど前に9週間に渡って入院していたときのことを思い出しては語るという形をとっている。夫が呼び寄せてくれた母親とルーシーが病室で話したことと、その会話を契機として思い出された子ども時代のこと、さらに、ところどころにニューヨークに来てからルーシーが出会った人々についての短い挿入がある。そういった語りの中で、ルーシーがどのような家で育ったかが明らかになる。そういう育ち方をして社会に出ることの厳しさ、辛さ、悲しさ、寂しさ。現在ルーシーは、離婚に踏み切り作家となっている。⇒

  • こばまり

    章立てが短いせいか、頁を繰る手が止まらないという程ではないが、もしこの倍の長さがあったとしても、うだうだと読んでいたい不思議な魅力。誰だって一つのストーリーしかないという言葉が何やら胸に迫る。

  • penguin-blue

    病院の白い壁の中、病気の原因もつかめず、夫と二人の娘を残して退院の目途がつかないルーシー・バートンは孤独と不安の中にいる。付き添いに来てくれたのは何年も会っていなかった彼女の母親。背表紙の内容紹介から、当初は母と娘の確執と和解の感動物かと思ったが、実際は退院後も含めたルーシーの人生が淡々と語られる。人生は大きなドラマだけでなく、些細な出来事や会話の積み重ねで作られ、後になって意味を持つ物事もある。良い思い出ばかりではないけれど、人生総てを肯定的に受け止めることでの最後の一文であり、タイトルなのだと思う。

  • Apple

    ルーシー・バートンと母親の会話や過去の回想を通して、魂の細かい揺れ動きを感じられる物語でした。魂が疲労するというのは、家族の間での愛憎とか、恋愛とかそういうところから溜まってきて、誰しもそれをリカバリーする時間が必要なのかもしれないと思いました。母親をはじめ、(最初の)夫や入院中の主治医など色々な人物のやさしさに触れつつも、痛みを抱えながら一人で真っ直ぐ突き進むような主人公の姿が印象的でした。

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