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「自然」という幻想 多自然ガーデニングによる新しい自然保護 草思社文庫

エマ・マリス

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784794225153
ISBN 10 : 4794225156
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

自然を「元来の姿」に戻そうとしてきた自然保護活動。外来種を徹底的に駆除、手つかずの自然から人間を遠ざけ、人工物を撤去…。しかし、それで本当に、地球の自然が守れるのか?著者は「手つかずの自然こそ至高、自然を元の姿に戻すべき」というこの価値観が、じつはアメリカでつくり出された「カルト」であり、科学的にも、費用対効果からも、実現不可能な幻想であると、世界各地の実例から示していく。自然を「かくあるべし」と限定してきた過去の自然保護のあり方を批判し、自然をもっと多面的なものととらえ直して、多様な現実的目標設定の下で自然を創り出す「多自然ガーデニング」を提案する。

目次 : 第1章 自然を「もとの姿に戻す」ことは可能か/ 第2章 「手つかずの自然」を崇拝する文化の来歴/ 第3章 「原始の森」という幻想/ 第4章 再野生化で自然を増やせ/ 第5章 温暖化による生物の移動を手伝う/ 第6章 外来種を好きになる/ 第7章 外来種の交じった生態系の利点/ 第8章 生態系の回復か、設計か?/ 第9章 どこでだって自然保護はできる/ 第10章 自然保護はこれから何をめざせばいいか

【著者紹介】
エマ・マリス : サイエンスライター。自然、人々、食べ物、言語、書籍、映画などについて執筆。数年間記者として勤務していたネイチャー誌のほか、ナショナルジオグラフィック、ニューヨークタイムス、ワイヤード、グリスト、スレート、オンアースなどの雑誌・新聞に寄稿している。ワシントン州シアトル出身、オレゴン州クラマスフォールズ在住

岸由二 : 慶應義塾大学名誉教授。生態学専攻。NPO法人代表として、鶴見川流域や神奈川県三浦市小網代の谷で“流域思考”の都市再生・環境保全を推進。鶴見川流域水委員会委員

小宮繁 : 翻訳家。慶應義塾大学文学研究科博士課程単位取得退学(英米文学専攻)。専門は20世紀イギリス文学。2012年3月より、慶應義塾大学日吉キャンパスにおいて、雑木林再生・水循環回復に取り組む非営利団体、日吉丸の会の代表をつとめている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • アナクマ

    どんな自然環境が理想ですか? 1章_もとの姿の、2章_手つかずの、3章_原始の自然。4章_人為による野生の再現、5章_温暖化による移動、6章_外来種は悪か、7章_外来種による新しい生態系。それぞれに事例が並べられて「手つかずの自然にこそ価値ありとされた伝統的なヴィジョンは、幻想だ」と主張する。人類登場以来、隈無く改変されてきたこの星の、いつ・どの状態を理想とするかは、単純な問題ではない。◉ではどう考えるか。8章からは「生態系を設計する」「その必要があるのはどんなときか」「どこでも自然保護はできる」と続く。

  • アナクマ

    アメリカ由来の考察であることに注意。ヨーロッパの「人間による持続可能な利用および絶滅の回避」や「サトヤマ」とは始点が違う。◉終章_自然保護のためにどんな管理目標が妥当か、複数の案を検討する。例えば「カリスマ生物を守ろう」。密度が2倍になったゾウの保護区は灌木地のままで、アロエや多種多様な植物は育たなかった。他の種を随伴しないこともある、など。◉結論「残念ながら唯一の最終目標はない」様々なゴールのため、コストを無視せずはじめよう。「多自然ガーデニング」という翻訳は再考したい、まだしっくりこないのです。→

  • アナクマ

    自然状態の自然環境とは何か。そもそも私たちは、どういう状態の自然を望むのか。1章_もとの姿の、2章_手つかずの、3章_原始の、と、考え得る「自然な自然」をそれぞれに考証し、解体してゆく。それは幻であり、あるとしてもそれは定常状態/動的平衡状態のものであると。◉とんで10章の結論。「あらゆる状況に有効な唯一の最終目標は存在しない。人々が協力して…議論するしかない」つまり合理的な合意形成を。◉ところで著者は里山概念をご存知かどうか。自然征服文化に対置された原初志向と、里山文化とを念頭において残りを読みたい。

  • YO)))

    人間を除外した「手つかずの自然」なるものが完全な幻想であることが書かれている。 有史以前から人類は大型動物の絶滅に関わってきたし、先住民たちは大規模な土木工事を行ってきた。 にも関わらずアメリカ人が、彼らが大陸を”発見”した時点の自然を「取り戻すべき基準」としたのはある種のカルトに過ぎないと。

  • エマ・マリス著、岸由二、小宮繁訳の「自然という幻想-多自然ガーデニングによる新しい自然保護-」を読み終えました。生態系保護について、人口に膾炙している考えとは違った角度からその方策を提言している本です。本書の主な主張は、自然を過去の姿に戻そうとするその過去の時点を定めることは不可能だということである。(これだけでは何を言っているか分からないかもしれないから、ぜひ読んでみてほしい。かなり骨太な本だが。)私の感想としては、二元論で語れる問題ではないなという何とも薄っぺらいものであった。(文字数で表現しきれない

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