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星のせいにして

エマ・ドナヒュー

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784309208411
ISBN 10 : 430920841X
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

1918年、アイルランド・ダブリン。スペイン風邪のパンデミックと世界大戦で疲弊しきったこの街の病院に設けられた“産科/発熱”病室には、スペイン風邪に罹患した妊婦が隔離されていた。孤軍奮闘する看護師のジュリア・パワーのもとへやってきたのは、秘密を抱えたボランティアのブライディ・スウィーニーと、テロリストと疑われる医師のキャスリーン・リン。死がすぐそばで手招きする、急ごしらえの小さな一室で、彼女たちは生命の尊厳を守るために闘いつづけた―名手エマ・ドナヒュー(『部屋』)が描ききった、パンデミック・ケアギバー小説の金字塔。

【著者紹介】
エマ・ドナヒュー著 : 1969年、アイルランド・ダブリン生まれ、カナダ・オンタリオ州ロンドン在住。ケンブリッジ大学にてPhDを取得後、1994年作家デビュー。歴史小説、現代小説、脚本、ノンフィクション、児童書など、多岐にわたるジャンルで活躍する。『部屋(Room)』(2010)はマン・ブッカー賞最終候補に選出され、世界的ベストセラーとなったほか、みずから脚本を担当した映画『ルーム』はアカデミー賞4部門にノミネートされた。ほか作品多数

吉田育未 : 翻訳家。トロント大学OISE修士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • はる

    1918年のアイルランド。スペイン風邪の大流行と戦争。混乱と圧倒的な物不足の中、スペイン風邪に罹患した妊婦を救うために、産科/発熱病室で奮闘する女性看護師の物語。物凄い緊迫感、臨場感。ずっと薄闇のような世界が恐ろしい。妊婦たちを治療する場面はトラウマになりそうなほどに壮絶。だが、主人公の誠実さと人間愛、そしてボランティアとしてやってきた女の子の純粋さと明るさが僅かな癒し。現在に通じる内容で作者の強いメッセージを感じる。人間の弱さ、儚さがあまりに哀しい。

  • 天の川

    1918年、スペイン風邪の渦中のアイルランドの産科/発熱病室。医師も看護師も薬も食料も不足している中、り患した妊婦が次々に産気づく。同時進行で複数の患者の命を救おうとする有能で誠実な看護師ジュリアの戦い。看護師の低い地位、女性は子どもを産む道具とみなされ、貧困女性ほど出産で落命する現実。革命運動の旗頭となり警察から追われる女性医師リン、壮絶な成育歴を持つボランティアのブライディ、病室の妊産婦・・・3日間の彼女たちの戦いに息をのむ。コロナ禍前に書き上げられたこの本は、戦争のもたらす厄災、低い女性の地位、⇒

  • 星落秋風五丈原

    新型コロナウイルスのパンデミックの影響下に置かれて2年が経つ。世論はロックダウン(都市封鎖)やワクチン接種など政府が推奨する対策を巡って湧いた。しかし世界の国家が正体不明の病気に悩まされたのはこれが初めてではない。新型コロナウイルスは第一次世界大戦末期のスペイン風邪とよく比較される。1918年、アイルランド・ダブリンも、スペイン風邪のパンデミックと世界大戦で疲弊しきっていた。薬より何より人と病床が足りず、栄養も足りていない妊婦と胎児の致死率は高い。かてて加えてスペイン風邪だ。

  • ケイトKATE

    『星のせいにして』というタイトルは、インフルエンザの言葉の由来が、病気は全部、星たちから受ける影響のせいからというイタリアの格言から採られている。少々、優雅なタイトルだが、物語の内容は過酷なものだ。1918年の秋、第一次世界大戦末期のインフルエンザが猛威を振るうアイルランドのダブリンの病院を舞台に、インフルエンザに感染した妊婦を必死に支える看護師ジュリアの奮闘が描かれている。現在に比べ医療設備は揃っていないのに加え、戦争による人手不足と、インフルエンザの大流行に翻弄される現場は読んでいて心が痛くなる。

  • かんやん

    第一次世界大戦末期、スペイン風邪により医療崩壊寸前のダブリンの病院を舞台に、看護師・医師・ボランティアの三人の女性の奮闘を描く。感染した妊婦を看病する彼女たちに次から次へと押し寄せる危機・難題。ギュと圧縮された時間・状況の中での、つわり、出産、手術の描写は息もつかせない。しだいにヒロインたちの背景が見えてきて、昨日までは他人だった彼女たちの関係が変化してゆく展開も良い。しかし、著者のメッセージの政治的正しさは文学としては単調にすぎるし、通俗的な筋立ても悪く言えばお涙頂戴。まあ、泣かせます。

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