エマニュエル・ドロア

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デミーンの自殺者たち 独ソ戦末期にドイツ北部の町で起きた悲劇

エマニュエル・ドロア

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784409510988
ISBN 10 : 4409510983
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

独ソ戦末期、ソ連兵の暴力をおそれ集団自殺を遂げたドイツの町があった。虐殺、強姦、放火、なぜ戦時暴力は起こりそのような悲劇が起こったのか。そしてその記憶は戦後ソ連の支配下にあった東ドイツでどのように封印されあるいは蘇ったのか。語られなかった戦争の悲劇を丹念に追う。

目次 : 前書き 「暴力の謎」に立ち向かう/ 序章 悲劇が流れ込んだデミーン/ 第1章 暴力の経験から語りの形成まで/ 第2章 戦争をどう終わらせるのか?/ 第3章 ソ連からの仕返しを逃れる?/ 第4章 秩序も出口もない空間/ 第5章 制御不能に陥り荒れ狂う暴力/ 第6章 苦悩の記憶の再生とその政治利用/ 終章 第二次世界大戦史の中のデミーン

【著者紹介】
エマニュエル・ドロア : 1978年生まれ。パリ第1大学博士課程修了、大学教授資格Habilitation取得。レンヌ第2大学准教授、マルク・ブロックセンター(ベルリン)副所長を経て、ストラスブール政治学院教授。専門は東ドイツ史、20世紀の共産主義

剣持久木 : 1961年生まれ。上智大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。パリ第10大学DEA課程修了。現在、静岡県立大学国際関係学部教授。専門はフランス現代史、歴史認識

藤森晶子 : 1979年生まれ。東京外国語大学外国語学部欧米第二課程(フランス語専攻)卒業。ストラスブール第3大学大学院への留学を経て、東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程単位取得退学

川喜田敦子 : 1974年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。専門は20世紀ヨーロッパの人の移動、第二次世界大戦後のドイツの戦後処理、戦争と暴力の記憶(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • つちのこ

    歴史に埋もれていた事実を掘り起こした労作。数百人規模の集団自殺がなぜ起きたのか、その答えは簡単ではない。出口のない密室空間になったデミーンの町に留め置かれ絶望した住民と恐怖から弛緩した赤軍兵士。そこにあったのはプロパガンダに煽られ暴力を正当化した兵士と、侵略されることで破壊と強姦の恐怖を刷り込まれた婦女子や老人たちの関係に、勢いよく絶望自殺へと傾いていく負のスパイラル。暴力に向かうメカニズムに迫ることは、同時に最終手段の自殺という選択肢を植え付けたナチスの愚かな闇の一端を知ることでもあるようだ。

  • uniemo

    大戦末期ソ連兵に囲まれたドイツの町でおきた集団自殺。ドイツ軍が冷酷であったからとかソ連兵が乱暴だったというような個々の理由ではなく戦時下に様々な条件が重なればどこの国においてもこのような悲劇は繰り返されるということをしっかりと追跡し分析して教えてくれていると感じました。

  • エル・トポ

    WW2末期の1945年、わずか5日の間にドイツの町で1000人とも言われる自殺者を出した。他の地域から避難してきた人々と住人との間の軋轢、ドイツ軍が橋を破壊した事によりソ連兵に恐怖心が生まれたことと、それが生んでしまった残虐行為。人間がどの様な状況に置かれたら死以外を選択しなくなってしまうか、を追った。国内でも語られたのは1995年になってからであり、長きに渡って語られる事はタブーであった。現在ではこの事件は極右に利用されているとの事。

  • にしの

    第二次世界大戦末期にドイツの街デミーンで発生した戦時暴力と集団自決を明らかにした著作。日記を中心にしたミクロな物語で事実に至るまでの話と、戦後東ドイツに組み込まれたデミーンの悲劇がどのように扱われたのかを端的に論じている。集団自決はサイパンや沖縄などの日本の話で知っていたが、ドイツの話は知らなかった。暴力に至るまでの人間を描いた作品を色々読んできたが、単調に捉えすぎていた自分が恥ずかしくなった。暴力に至るまでの道のりを単純化してはいけない。

  • takao

    ドイツ北部の町で第2次世界大戦末期にソ連軍の侵攻を受け、住民が集団自決した。

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