エドワード・オズボーン・ウィルソン

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バイオフィリア 人間と生物の絆

エドワード・オズボーン・ウィルソン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480091642
ISBN 10 : 4480091645
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2008
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

バイオフィリア―それは、生命を志向する人間の内的・身体的傾向。私たちは、生物と生物でないものを見分け、自発的に他の生物に関心をいだく。この傾向は、人間の生得的な本能に根ざしており、自然淘汰と適応の過程に組み込まれたものである、と著者は語る。目新しさや多様性を好み、自然を愛してやまないのもバイオフィリアによるところのものである。少なくとも人間の精神の深部には適応主義的なアプローチの対象となりうる何かが潜んでいるのだ。南米での研究の日々、自然保護に対する倫理的見解、蛇への嫌悪感の出所など、生物の多様性を説いてきた著者が贈る美しい科学エッセイ。

目次 : 1 ベルンハルツドルプ/ 2 超生物/ 3 タイムマシン/ 4 極楽鳥/ 5 詩的な種/ 6 蛇/ 7 適切な場所/ 8 自然保護の倫理/ 9 スリナム

【著者紹介】
エドワード・O・ウィルソン : 1929年合衆国アラバマ州生まれ。アラバマ大学で生物学を学び、1955年ハーヴァード大学で博士号を取得。現在、ペレグリノ・ユニヴァーシティ・リサーチ教授。社会生物学、生物多様性の提唱者である一方、徹底したナチュラリストでもある。ピューリツァー賞を2度受賞

狩野秀之 : 1963年千葉県生まれ。東京大学教養学部卒業。新聞社勤務のかたわら翻訳業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • イボンヌ

    「ピカソは芸術を、真実を見るための助けとなる嘘だと定義した」P104 バイオフィリアを提唱する、著名な生物学者による科学エッセイとのこと。

  • roughfractus02

    必要と美は、外的な適応と内的な好みの平行的関係を作り出す。250万年前に猿と別れたヒト科の生物は、アフリカのサバンナに適応するように進化した。広々とした空間、見渡せる崖や丘、休息できる木立や穴、水のある川や湖への適応は、それを美と捉える内的傾向と相関している、と著者は言う。都市に住むようになっても、世界各国の庭園がサバンナに似た要素を持ち、そこに安らぎや美しさを感じるのは、必要と美の外と内の相関性が環境の多様性に適応するヒトの鍵になっているからではないか?バイオフィリア仮説は、科学と芸術を橋渡しを試みる。

  • 塩崎ツトム

    生物系の学部出身だけど、恥ずかしながらこの本を読むまでエドワード・ウィルソンという偉大な昆虫学者のことを知らなかった。(ちなみにご存命である)。その思想の根底にはレイチェル・カーソン(こっちは故人)のような生命への畏敬がしっかりとあるが、何となく二人が対談をしたら喧嘩別れに終わりそうな気がする。ナチュナリストにも色々とあるのである。知らんけど。

  • ☆☆☆☆☆☆☆

    人文系の人間としては還元主義的な社会生物学には懐疑的なのだけれども、この本は素晴らしかった。人間を含みこむ生命について思考を続けてきた学者の自伝にして、時空間を自在に飛び越える詩的ビジョンに満ちた科学エッセイ。タイトルはトゥアン『トポフィリア』へのオマージュらしい。生命を愛し、それらと遺伝子レベルで絡み合う人間の在り方について。すごく意識に訴えかけるものがあった。

  • Nさん

    バイオ(生命)フィリア(愛)とは何か。本書は昆虫・社会生物学者である著者のフィールド体験を通じた環境に関するメッセージ集だ。自然の残るスリナムの森林での微細な生態世界。調べれば調べるほど、科学的な解明は進む。だがその一方で発見以上の謎が出現することも確かだ。自然への理解に際して、芸術と科学は共に想像力を必要とする。多様性を欠いた空間(例えば宇宙)でただ生命を維持することと、多様性に溢れた自然との相互関係の中で生きることは同義ではない。支配・使用以外の価値、自然への深い関心と体験から新たな倫理が生まれる。

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