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変態する世界

ウルリッヒ・ベック

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784000247214
ISBN 10 : 4000247212
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 木麻黄

    難解な論説の中でも、特別に心に響いたのが、「不可視性をめぐる政治」という考察でした。文明の進化によるリスクの専門性、複雑性が、厳としてあるリスクを不可視にする現象のことです。世界的リスク(例えばコロナ)を知らしめてくれるのは専門家であり、そこに権力が生まれ、市民は疑心暗鬼でも抗う術がありません。世界リスクへの対応を過てば、国家権力と言えどもその正当性を失い、変態を迫られるのです(例えばフクシマ)。であれば、既得権益にとって最も効率的なリスク管理は、不可視の状態を継続させることに尽きるのでしょう。

  • 田中峰和

    成功したかに見えた資本主義は副次的効果の蓄積によって、世界を旧来の通念では理解できないものに変えてしまった。もはや変動ではなく変態が起こっていると主張した著者ベック。15年1月の彼の死去後も世界の変態は加速する。ベルリンの壁崩壊以来、資本主義の勝利で歴史は終わったと勘違いした先進国も9.11のテロで新たな時代に突入した。スノーデンによる全体主義的暴露に怯えた日本は共謀罪というわけのわからない法律をごり押しで可決した。グローバリズムに対抗しトランプはTPPやパリ協定から脱退。英国はEU離脱を決め混迷は続く。

  • Anthony

    国民国家を超える、気候変動やデジタルに伴うリスクが世界で共有されるうちに、世界自体が変態してしまう。目的を持って変わるというよりも、意図せずして違うものに大きく生まれ変わりつつある。GAFAが世界を席巻し、SDG投資が盛んとなり、オープンイノベーションなAIが急速に広がっている。国が個別に対処しようとしても、反グローバル運動がたとえあがいたとしても、もはや大きな流れに歯止めは効かない。ベックが見れなかった未来がどう変わっていくのかをよく見ておきたい。

  • 有智 麻耶

    われわれは、社会変動ではなく、世界の変態というレンズで世界を見なければならない。国民国家内のグッズの不平等とその是正という点にとどまる「方法論的ナショナリズム」から、世界規模のバッズの不平等とその是正に向かう「方法論的コスモポリタニズム」に思考枠組みを変更しなければならない。国民国家による政治主導で行われる「コスモポリタニズム」ではなく、「コスモポリタン化」を前提とする、というのは、ネグリ=ハートの〈帝国〉論を思い起こさせる。何にせよ、今の世界がどうなっているのかを知るためにはいい一冊。

  • こゆ

    変容でなく変態。何もかもが変わってしまう時代に我々は生きている。その世界ではコスモポリタン的な見方が重要であるというのがこの本の主張。難しい内容で読むのに時間がかかったが、著者の主張は興味深かった。俺もネットで世界とつがっているからコスモポリタン的な世代なのだろうか。いまいち実感はないけど。

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