ウィリアム ゴドウィン

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ケイレブ・ウィリアムズ 白水uブックス

ウィリアム ゴドウィン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784560072066
ISBN 10 : 456007206X
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

農民の息子ケイレブは両親を亡くし、有力者の地主フォークランドの秘書となる。慈悲深い主人の下で恵まれた生活を送るケイレブだったが、好奇心の強い彼はやがて主人の不可解な性格に興味をいだき、ついにその恐ろしい秘密を突きとめてしまう。社会の不正義、追う者と追われる者の闘争を息苦しいまでの緊迫感で描いたゴシック小説にしてミステリの原点ともされる名作。

【著者紹介】
ウィリアム ゴドウィン : 1756年、イングランド東部のウィズビーチで生まれる。父親に倣ってカルヴァン派牧師となるが、フランス啓蒙思想に触れて信仰を捨て、ロンドンに出て政治評論等を発表、文筆活動に入る。フランス革命直後に上梓した『政治的正義』(1793)は無政府主義的な急進思想を説いて熱狂的な反響を呼び、ロマン派詩人たちにも多大な影響を与えた。その思想や社会批判をゴシック小説の枠組を借りて展開した『ケイレブ・ウィリアムズ』(1794)は、犯罪に端を発する追う者と追われる者の関係を描いてミステリの源流とも位置付けられる。1836年死去

岡照雄 : 1930年、福岡市生まれ。京都大学文学部卒業。京都大学名誉教授、県立福岡女子大学名誉教授・元学長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • kasim

    ケイレブとフォークランド、何だろうこの二人、変だ!でも面白い。主人を敬愛しつつ秘密を探って優位に立つ誘惑に駆られる使用人と、彼を徹底的に迫害しつつ、絶対に殺そうとはせず、どんどんやつれていく主人。櫃の中にあったのがフォークランドの手記なら、二人はなお重なる。終章は圧巻でした。ゴシックというより元祖サスペンス。政治小説としてより心理小説として面白いことと、矛盾するゴドウィン本人がフォークランドと重なって見えることを指摘する解説に納得です。思えば娘メアリの『フランケンシュタイン』も分身譚で追跡劇。

  • MF

    メアリー・シェリーが『フランケンシュタイン』の扉に献辞を掲げた父ゴドウィンの代表作。元来逃避的な性格の強いゴシックロマンスの様式を身分制度の不合理を訴えるために使おうとしたことにより社会派ミステリーの元祖的存在となった。取り上げられたテーマが時代を超えるものではなかったため現代も読み継がれるところまでは達しなかったが、『フランケンシュタイン』と併せて読むと娘メアリーの作がいかに多くのものをこの作に負いつつもより徹底させているかや、より普遍的なテーマゆえに時代を超ええたかが痛感される。

  • ゆかっぴ

    主人公ケイレブとフォークランドの果てしない関係に息がつまるようでした。著者が最初に書いたという結末よりも本編の結末の方が私には好みでした。

  • Saint Gabriel

    フォークランドも勿論怖いが同業者の領主ティレルや盗賊団のメンバーだったジャイアン、じゃなかったジャインズも怖い。腕っ節も強そうだし性格も陰険陰湿で執念深い所がたまらなかった。主人公ケイレブの好奇心の旺盛さは仕方の無い事。罪は無い。フォークランドはメルヴィル嬢と結ばれたかったのだろうなあ。不憫だ。

  • 『モルグ街の殺人』に先立つ探偵小説の元祖、として見ると随所に後のジャンルに繋がる萌芽が見えてきて面白い。観察とそれに基づく推理、主人公の原動力が正義感ではなく好奇心なところとかはモロに探偵小説的。ウィリアムズのフォークランドを問い詰める際の嫌らしさ(前半の)などまさしく探偵のプロトタイプだなと。さらに、好奇心を発揮しすぎた主人公が破滅していくという物語展開はノワール的でもある。底の抜けた感覚や、終盤の閉塞感は特にノワーリッシュ。ゴシック小説の古典、ということだけれど単純にめちゃくちゃ面白い小説でもあった。

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