ウィリアム・マイルズ・フレッチャー

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知識人とファシズム 近衛新体制と昭和研究会

ウィリアム・マイルズ・フレッチャー

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784760136865
ISBN 10 : 476013686X
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2011
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

自らの理念を現実化すべく国策関与を深める蝋山政道、三木清、笠信太郎ら当代随一の知識人たち。1930年代は暗い谷間だったのか。戦後思想を規定した丸山眞男の誤謬を撃ち、昭和戦前期のイメージを塗り替える。

【著者紹介】
マイルズ・フレッチャー : 1946年生まれ。1968年にアムハースト・カレッジ卒業後、イェール大学で修士号・博士号を取得。ノースカロライナ大学助手、准教授などを経て、1990年より同大学歴史学部教授。専門は、近代日本政治史・経済史

竹内洋 : 1942年新潟県生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。教育学博士(京都大学)。京都大学大学院教授等を経て、関西大学人間健康学部教授。京都大学名誉教授。専攻は歴史社会学、教育社会学。著書に『日本のメリトクラシー―構造と心性』(東京大学出版会、1995年、第39回日経・経済図書文化賞受賞)など

井上義和 : 1973年長野県生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士課程退学。京都大学大学院教育学研究科助手、関西国際大学メディアセンター講師を経て、関西国際大学人間科学部准教授。専攻は教育社会学・学生文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • “戦中、日本のインテリはファシズムに対して消極的抵抗を行った”とする丸山眞男の見解に対するアンチテーゼとしての本書。蠟山政道(政治学・行政学)、三木清(哲学)、笠信太郎(経済学)の3人が、産業化に伴う国内の分断、議会制民主主義の行き詰まりという同時代の問題に対して、国家権力による統制・統合に期待をかけ、次第に国策に関わり、挫折する過程が描かれる。著者によれば、彼らが国策へのコミットを求めた大きな要因は、知識人である自分たちは国策に関わるべきであるという野心であった。

  • ぽん教授(非実在系)

    日本行政学の泰斗で辻清明の師匠蝋山政道東京帝国大学教授、朝日の大物編集委員笠信太朗、西田哲学左派の首領にして岩波文化知識人の大物三木清を対象に、彼ら知識人こそが近衛新体制という本格的なファシズム組織を作ろうと自発的に企て失敗していく、という姿を描き出す。 戦後民主主義を引っ張っていった東大・朝日・岩波からすればこれら先輩の醜態は凄く耳が痛い話である。 マルクス主義に親和的な知識人が自分の立場や考えを少しスライドすれば立派なファシストへと変貌する構図は世界共通の物ということを明らかにした必読書である。

  • 剛田剛

    ・「ファシズム」が敗北した歴史の延長線上に生きる我々とは違い、戦間期の日本にあって「ファシズム」は学びとるべき欧米の最先端思想の一種でもあった。・丸山眞男がそう装った(あるいは信じ込んだ)のとは相反し、知識人は決してファシズムへの抵抗者ではなかった。戦後の丸山眞男の卑怯さは「反知性主義」(反知識人主義)の正当性を明確に示している。

  • Pyonkichi

    蝋山政通、三木清、笠信太郎の三人を中心に、昭和研究会に集った知識人がいかにしてファシズム思想に接近し、近衛新体制に参画していったのかを思想史的に論じた本。彼らは旧来の個人主義的な自由主義を否定し、欧州のファシズムを肯定的にとらえ、職能団体などの協同体を核にしたコーポラティズム、国家による経済統制などの必要性を唱えた。こうした思想は部分的に軍部の主張とも重なり、近衛新体制に取り入れられたが、最終的には議会の権限や統帥権独立を規定した「明治憲法体制」によって排斥された。

  • koji

    4月に発行されたが、原著は1982年。しかも、扱う題材が、戦前の日本の知識人とファシズム思想とくれば、「今さら」と思いますが、そこは竹内洋先生が訳・監修しており、全く古さを感じさせません。丸山真男はインテリを「本来の」と「亜」に二分し、ファシズムについて「本来の」は抵抗し「亜」は加担したと言いましたが、本書は「本来の」がファシズムに加担していくさまを綿密に綴ります。蠟山、三木、笠は、日本型ゲマインシャフトを追求する過程で「ファシズム」に論理を借ります。この事実は、今の世でも気をつけなければなりません。

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