ウィリアム・フォークナー

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兵士の報酬

ウィリアム・フォークナー

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784892570810
ISBN 10 : 4892570818
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2013
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

第一次大戦後、記憶を喪失し、アメリカに帰還した空軍傷痍兵。故郷の婚約者、戦争未亡人、町の人々の憐憫と確執の果てに…フォークナー長篇第一作、改訳新版。

【著者紹介】
ウィリアム・フォークナー : 1897年、アメリカ・ミシシッピ州に生まれる。第一次世界大戦ではイギリス空軍に加わるが、終戦になり、戦場に出ることなく除隊。帰郷後はミシシッピ大学に入学するが退学し、その後は職業を転々としながら詩作や書評の執筆をおこなっていた。1926年、初の長篇小説『兵士の報酬』を出版。終の住処であるミシシッピ州オックスフォードがモデルの架空の土地を舞台とした「ヨクナパトーファ・サーガ」は後世に大きな影響を与えた。代表作は『八月の光』『サンクチュアリ』など

加島祥造 : 1923年、東京・神田生まれ。早稲田大学英文科卒、カリフォルニア州クレアモント大学院留学。フォークナー、トウェインをはじめ、数多くの翻訳・著作を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • りー

    何度も挫折しては読み止しの本が累々と積まれてゆくフォークナー作品。初めての読了はこの『兵士の報酬』となった。手を出しては引っ込めてきた他の作品と違って、本作は話の筋も進行も極めてシンプルな造りで、フォークナーに躓いた人はまずこれを!と太鼓判を捺したい。端役を含めた登場人物ひとりひとりがまるで現実であるかの様に物語に息づいているのが印象的だった。青春小説とも呼べそうな長閑な描写にも関わらず物語を通して寞とした空気が漂っていて、読書の間中その寂寥感がそっと寄添う様に傍らにいるのを感じる。良き小説であった。

  • nina

    戦地から生きて戻った男たちを迎える家族と女たち。かけがえのないものを失った者と再びそれを得た者、他者のために生きる者と己の欲望のみに忠実に生きる者。戦争のもたらした時の歪みがかけ違えたボタンのように、人々の人生のレールを奇妙に交錯させながらも彼らの思いのすれ違いを生み出してしまう。マーガレットとジョーの駅での別れのシーンがこの物語全体を象徴しているようで、余韻の長い物悲しさをもたらす。自身の体験を反映させたフォークナーの処女作だが、対照的な女性たちを登場させつつも、それぞれの女性に寄り添った語りが秀逸。

  • バナナフィッシュ。

    なんていうんだろうこういう哀しみのことを。自分は何も喪失せず、ただ空手で故郷に戻るやるせなさ。友達は戦場で立派に死に果て、勲章までもらって、家族がしっぽり嘆いている。そんなドラマチックな果てを、戦場に行ったからには誰しも望むもの。何もしてやれなかったとも違う、なんとも言いようのない哀しみ。そうとしか言いようがない。形容しがたい哀しみ。

  • Tonex

    『響きと怒り』を読んでフォークナーに興味がわいたので読んでみた。舞台は第一次世界大戦後のアメリカ南部。戦死したと思われた青年が故郷の町に戻ってくるが、彼は顔面を負傷して醜い容貌となり、しかも記憶喪失だった。彼を取り巻く個性的な人々を描いたフォークナーの長編第一作。正直あまり面白くない。ストーリー展開にリアリティが無く、登場人物の性格や行動の動機も不自然。ブラックコメディとして意識的に戯画化して描いているのだろうが、あまり洗練されていない。フォークナーは最初から天才というタイプの作家ではなかったようだ。

  • hryk

    フォークナー長編第一作。のちのヨクナパトーファ・サーガで見せる複雑な語りはここではまだ姿を見せず、話の筋も単調といえば単調。とはいえ随所に力強くも薄暗い描写が入る。「そして眼にはこの世界、恐ろしく静かで必然の輪をまわす人生の車輪を見まもっていたーーそれは闇の時間を通ってその頂点に登りつめ、さらに早くまわりはじめ、東の空に隠された水槽から暁の水を汲みだし、雀たちの安らかな眠りを破る」(351頁)。

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