ウィリアム・ジェラルド・ゴールディング

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後継者たち ハヤカワ文庫

ウィリアム・ジェラルド・ゴールディング

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784151200922
ISBN 10 : 4151200924
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

遠い遠い昔のこと。冬が去り、春が来て、首長のマルに率いられた一族は、海辺から山のなかへと移動してきた。平和で平穏な季節は過ぎ去った。そして川の向こう岸には、彼らにとってかわろうとするかのように、新たなる者たちが現われていた…ネアンデルタール人とホモサピエンスの遭遇、軋轢、衝突、そして闘争を描いた奇想天外なる寓話。『蝿の王』の著者にしてノーベル文学賞作家が人類の原罪を描く異色傑作、初文庫化。

【著者紹介】
ウィリアム・ゴールディング : 1911年、イギリスのコーンウォール州生まれ。オックスフォード大学卒業後、1934年に詩集Poemsを発表。演劇関係の職を経て教師となる。1954年に長篇デビュー作『蝿の王』(早川書房刊)を発表。1961年に教職を退き、以後は専業作家となった。1979年に『可視の闇』でジェイムズ・テイト・ブラック記念賞を、1980年に『通過儀礼』でブッカー賞を受賞。1983年にノーベル文学賞を受賞した。1993年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ケイ

    「蝿の王」があまりに大作であったために...、ひどく心を揺さぶられ、内容よりも受けたショックの大きさの方がまず思い出されるほどであったから、この作品は期待薄く読んだ。あんなものは何冊も書けるものではないと高を括っていた。まさかだった。これを文学として仕上げただなんて。後半は彼らの挑みを見るのがつらく、まるでインディアンと白人の戦いを見守る気持ちに。ラストの視点の入れ替わりには息苦しくなった。後継者という考え方は、ダーウィンを肯定することになり、「蝿の王」の豚も含め、ゴールディングの宗教観を知りたく思う。

  • 優希

    ネアンデルタール人の視点でホモ・サピエンスを描いた寓話でした。奇想天外な展開で、人間の現在を描いた異色作だと思います。

  • みや

    ネアンデルタール人とホモ・サピエンスの闘争から人類の原罪を描く寓話。独特な感情表現や行動、論理性に欠けた思考回路で生きるネアンデルタール人視点が大半を占めるため、非常に読みにくい。前提や説明が一切示されないままに現代の言葉で表現されるのは難解だが、味わったことのない感覚で大変面白かった。両者が互いの摩訶不思議な行動に困惑しながら相容れない様子は、異文化コミュニケーションの難しさを知らしめる。このような闘争が数限りなく繰り返され、今日へと辿り着いたのだろう。滅亡と転変の後は見える世界が一変し、鳥肌が立った。

  • ヘラジカ

    ウィリアム・ゴールディング長編2作目。人類の台頭とネアンデルタール人の死、そして罪の誕生を描いた神話的(聖書的?)物語。『蠅の王』は中学生時代でも熱中して読めたが今回は結構な難物。過去に刊行されたものをそのまんま文庫化していることもあって翻訳も少し読みにくい。元から生易しい小説ではないのだろうけれど、単純な筋書きなのについていくのがかなり大変だった。しかし一読の価値あり。これを皮切りにゴールディングの未訳作品がどんどん邦訳されたりしないかなあと期待してしまう。(2017・75)

  • りー

    今の時代に読んでも極めて挑戦的な発想で書かれた小説。物語が旧人類、ネアンデルタール人の視点と思考で描写され、進行して行くという、正直読み始めた時には何が書いてあるのかイマイチわからなくて難儀した。しかし読み進めるうちに彼らのどの言葉が現代の言葉で言う何を指しているのかを類推する楽しみを感じられるようになる。ただいかんせん翻訳の難しさなのか、読みにくさは最後まで付きまとった。

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