ウィリアム・サマセット・モーム

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ジゴロとジゴレット モーム傑作選 新潮文庫

ウィリアム・サマセット・モーム

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784102130285
ISBN 10 : 4102130284
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

避暑地でダイエット中の中年女性たちの前にスレンダーな女性が現れて巻き起こる仲間割れ。結核療養所での患者同士の結婚式。占領軍のドイツ兵の子を身ごもったフランス人女性の気丈。政治家が精神科医に告白する屈辱的な幻視。カジノで危険な芸をみせて生計を立てる夫婦の悲哀。ヨーロッパを舞台に、味わいと企みと機知とユーモアに彩られた大人の嗜み、その極致八篇を新訳で愉しむ。

【著者紹介】
サマセット モーム : 1874‐1965。イギリスの小説家・劇作家。フランスのパリに生れるが、幼くして両親を亡くし、南イングランドの叔父のもとで育つ。ドイツのハイデルベルク大学、ロンドンの聖トマス病院付属医学校で学ぶ。医療助手の経験を描いた小説『ランベスのライザ』(1897)が注目され、作家生活に入る

金原瑞人 : 1954(昭和29)年岡山県生れ。翻訳家、英文学者。法政大学社会学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • のり

    8作の短編。モームの傑作選と名打っているだけに全てが良作だった。あらゆる心理を色々な角度から光を当てたり、奥底の闇を炙り出したり、人間の業をまざまざと突きつけられた。激動のヨーロッパでモーム自身も苦難続きだったと思う。その中での才気溢れる視点に感服です。特に「征服されざる者」の意地と狂気、「サナトリウム」の時と命の重さが良かった。(^o^)

  • マエダ

    モームと金原瑞人さんの組合せは本当に面白い。短編集であり自分の好みは「アンティーブの太った女」と「征服されざる者」の二つである。

  • 星落秋風五丈原

    モームの作品は小説家を目指す人にとってまさにお手本だ。性格だけでなく人物描写が実に詳しい。表題作 「ジゴロとジゴレットGigolo and Gigolette」はカジノで危険な芸を見せている夫婦が主人公だ。まず起承転結の「起」は、主人公の脇役達の描写から始まり、彼等の会話によって、まず外側から見た主人公―芸人夫婦が描かれる。次に「転」では、実際の芸の披露、「転」に当たる所で、夫婦をある人達と出会わせ、彼等の内面が初めて描かれる。そして彼等の選択に注目を集めた所で「結」という整った形をしている。

  • はたっぴ

    とても読みやすく読後感の良い短編集。それぞれの物語がありきたりではなく『月と六ペンス』のように個性的で、読み終わった後もパラパラと読み返してしまう。面白かったのは女性が主役の『アンティーブの三人の太った女』と『ジェイン』だ。男性目線の鋭い観察力と豊かな表現力で、痛いところを突いてくるなという感じ。読んでいて口元が緩みっぱなしだった。唯一、救いがなかったのは戦争の犠牲となった『征服されざる者』だ。モームの戦争への厳しい眼差しを感じながら読み耽った。読書好きにはたまらない楽しみ≠ェ詰まった一冊といえる。

  • びす男

    モームの観察眼が光る短編集。気まぐれを含んだ登場人物らの意思に、リアリティが感じられる。人間とは不思議なもので、それを型にはめることなくそのまま作中で表現している。随所でチクリと刺してくるようなユーモアが散りばめられているのも、面白い。滑稽で、真剣で、優しい。現実より、真実味のある物語が揃っている。

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