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カーペンターズ・ゴシック

ウィリアム・ギャディス

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784336063717
ISBN 10 : 4336063710
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

超高密度文体で紡がれる黙示録的ゴシック・サスペンス! 

全米図書賞&日本翻訳大賞受賞作『JR』の作家ギャディスによる、一軒の古いゴシック式洋館を舞台に繰り広げられる、世界的陰謀と底無しの悪意が渦巻く狂騒劇――



今は亡き大鉱山主の娘エリザベス・ブースは、ハドソン河畔にある古いカーペンター・ゴシック様式の屋敷に、夫ポールと暮らしていた。
山師気質で粗暴なポールは、メディアコンサルタントとしての成功を目論見、いくつもの胡散臭い事業の立ち上げを画策し動き回っている。
ひっきりなしに屋敷にかかってくるいくつもの電話、そして訪ねてくる怪しい男たち。
彼らが交わす錯綜した会話の断片からは、CIA、FBI、放送局、種子販売会社、鉱山開発会社などの影が垣間見え、やがて巨大利権をめぐる遠大な世界的陰謀へと話は広がり、エリザベス自身もそこで起こる事件へと巻き込まれていく……
全米図書賞受賞『JR』の作家ギャディスによる、一軒の屋敷を舞台に繰り広げられる、超絶技巧×超高密度文体のゴシック・サスペンス&黙示録的狂騒会話劇。
(1985年作)


ウィリアム・ギャディス (ウィリアムギャディス)
1922年ニューヨークに生まれる。ハーバード大学を中退後、「ニューヨーカー」誌の校正者などを経て、『認識』(1955年)でデビュー。ジェイムズ・ジョイスを継ぐ作家と激賞されたが、作品の長さと難解さのために、当初はカルト作家として一部に知られるのみだった。その後、社内文書作成の仕事の傍らに書き上げた『JR』(1975年)で全米図書賞を受賞。これにより、「読まれざる大作家」だったギャディスの実力が広く認められた。その後『カーペンターズ・ゴシック』(1985年)を発表。そして『フロリック・オブ・ヒズ・オウン』(1994年)で二度目の全米図書賞を受賞した。1998年死去。寡作ながらも、トマス・ピンチョンやドン・デリーロ、ジョゼフ・マッケルロイなどにも決定的な影響を与えた、現代アメリカ文学の最重要作家の一人である。その他、遺作中編『アガペー・アゲイプ』(2002年)やエッセイ集などがある。

木原善彦 (キハラヨシヒコ)
1967年生まれ。京都大学大学院修了。大阪大学大学院言語文化研究科教授。著書に『UFOとポストモダン』(平凡社)、『ピンチョンの『逆光』を読む』(世界思想社)、『実験する小説たち』(彩流社)、訳書にウィリアム・ギャディス『JR』(国書刊行会)、トマス・ピンチョン『逆光』、リチャード・パワーズ『幸福の遺伝子』『オルフェオ』(いずれも新潮社)、ハリー・マシューズ『シガレット』、ハリ・クンズル『民のいない神』、ベン・ラーナー『10:04』(いずれも白水社)、デイヴィッド・マークソン『これは小説ではない』(水声社)など。

【著者紹介】
ウィリアム・ギャディス : 1922年ニューヨークに生まれる。ハーバード大学を中退後、「ニューヨーカー」誌の校正者などを経て、『認識』(1955年)でデビュー。ジェイムズ・ジョイスを継ぐ作家と激賞されたが、作品の長さと難解さのために、当初はカルト作家として一部に知られるのみだった。その後、社内文書作成の仕事の傍らに書き上げた『JR』(1975年)で全米図書賞を受賞。これにより、「読まれざる大作家」だったギャディスの実力が広く認められた。その後『カーペンターズ・ゴシック』(1985年)を発表。そして『フロリック・オブ・ヒズ・オウン』(1994年)で二度目の全米図書賞を受賞した。1998年死去

木原善彦 : 1967年生まれ。京都大学大学院修了。大阪大学大学院言語文化研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ケイ

    途中からピンチョンみたいな所があるなと思ったら、解説を読んでなるほどと納得。とはいえ、ピンチョンより読みやすく、登場人物、特にエリザベスには感情移入してしまった。だからこそ、彼女のいる世界の不条理さが腹立たしく悲しくもあった。プリズムを通して屈折した世界にいる彼らをみているようで、どこかしら変で、奇妙で、歯車がおかしくて。それをなんとかまともにしようとするのはリズ一人に思えた。「ツイン・ピークス」の男たちが、勝手に進化論や創世記について話しまくっていて、舌を出して笑っている…、そんなイヤな思いで本を閉じた

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    高圧的な山師のポールと結婚した元令嬢のエリザベス。夫からは金の算段を頼まれ、できないと馬鹿と罵られ、ヒッピーとなった弟からは金を集られ、あくどい金稼ぎをしたらしい父の遺した信託は父の右腕の許諾無しでは引き出せず、逼迫している。しかも家族以外の人間関係は切れ、荒廃した家から出られず、誰からも話を聞いてもらえない。会話文もほぼ、地の文と変わりない所も混乱する。質問があっても答えない。別の話が始まっている。始まっても会話すらも嚙み合っていないという三混乱。そんな中で解説を読むも「陰謀論への皮肉」など、読み解けん

  • hagen

    読み終えた後は、頭の中を掻き回わされる様な眩惑感に苛なまれる。怒濤の様な氾濫する言葉を解読すると遺産の争奪、死亡事故、政治的陰謀と政府機関の暗躍の数々であるらしい。只でさ掴みにくいプロットは、登場する人物や電話での発話はカギ括弧で括られる事が無く、会話に挟まった語り部も固有名詞を指し示すのに男、女という人称表現に徹している為、迷宮の泥沼に引きずり込まれる。そして次第に混迷から脳裏がギリギリと研ぎ澄まされる様な魔術的なテキストの悦楽が襲う。ギャディスには前作の長大な『JR』の未読が残るが、さて、気が重い。

  • 29square

    拝金主義者だけで演じるウルフの「波」、あるいは会話劇用にキャラを濃くしたピンチョン作品。ほぼ会話劇だけで進む展開なのはいいが異常に饒舌、しかも相手が話し終わる前に話し始める、そのうえ最後まで話さないので話を追うのは一苦労。 見かけだけ宮殿風味な木造ハリボテ建築である〈カーペンターズゴシック〉とはまたイイ舞台設定。後味の悪さも格別。 JRに手を出す勇気はまだない…

  • ボウフラ

    屋敷を舞台に複雑に絡み合った会話劇が繰り広げられる。非常に読みづらいが、コミカルかつシニカルな描写が笑いを誘う。82点

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