Books

指差す標識の事例 上 創元推理文庫

イーアン・ペアーズ

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784488267063
ISBN 10 : 4488267068
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

1663年、クロムウェル亡き後、王政復古によりチャールズ二世の統べるイングランド。オックスフォードで大学教師の毒殺事件が発生した。単純な動機の事件と目されたが…。衝撃的な結末の第一の手記に続き、同じ事件を別の人物が語る第二の手記では、物語は全く異なる様相を呈していく―。『薔薇の名前』とアガサ・クリスティの名作が融合したかのごとき、至高の傑作が登場!

【著者紹介】
イーアン・ペアーズ : 1955年、英国コヴェントリー生まれ。オックスフォード大学ウォダム・カレッジに学ぶ。美術史家やジャーナリストとして活躍。ロイター通信の特派員時代はイタリアやフランスで勤務した

池央耿 : 1940年生まれ。国際基督教大学卒

東江一紀 : 1951年生まれ。北海道大学卒。2014年逝去

宮脇孝雄 : 1954年生まれ。早稲田大学卒

日暮雅通 : 1954年生まれ。青山学院大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

★
★
★
★
☆

4.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
1
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
☆
17世紀後半のイングランドを舞台にしたミス...

投稿日:2021/04/25 (日)

17世紀後半のイングランドを舞台にしたミステリー。医学を学ぶヴェネツィア人のコーラがイングランドのオックスフォードにやってくる。そこで知り合った雑役婦サラの母を治療したり、学者などを訪ねたりしながら過ごしていると、大学教師の毒殺事件が起きてしまう。その事件で犯人として検挙されたのがサラだった… 最初の手記はコーラによるものだが、さらに上下巻併せて他の3人による手記で、毒殺事件を含めた関係者の動き、それぞれの利害に対する思惑などが様々に描かれている。当然ながら、コーラが知らないことを他の3人が書くこともあれば、コーラがあえて書かなかったと思われることを違う人物が書いていることもある。芥川龍之介の『藪の中』(映画『羅生門』の原作の一つ)を思い浮かべる人も多いだろう。 ただ、クロムウェル没後の王政復古によりチャールズ二世時代のイングランドが日本人にとってあまり馴染みがないこと、ボイルやローワー(ロウアー)などの実在の人物もそれほど知られているわけではないこと、さらに旧教と新教、イギリス国教会などのキリスト教の問題などを考えると、必ずしも楽に読めるものではない。しかも、殺人事件は一つで、極端に言えば、その「解釈」の問題になっているので、スリルもない。 シェイクスピアの『リア王』らしき舞台のシーンがあったりすることも含め、多少ペダンチックな楽しさもあるが、誰にでも楽しめるミステリーとは言い難い。

ねも さん | 兵庫県 | 不明

0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 遥かなる想い

    2021年このミス海外第3位。 1663年のイングランドで発生した大学教師殺人事件に纏わる四人の手記で 物語は進むが、英国独特の歴史ミステリーの雰囲気満載で 面白い。 殺人事件の容疑者サラの存在感が抜群で、 手記の語り手の嘘が 予兆される。 それにしても この時代の親子の矜持と 底にある優越感は凄まじい。真実はどこにあるのか?下巻の展開が楽しみ。

  • k5

    薔薇の名前×クリスティという、誇大表示ではないかと思うコピーがついてますが、それだけのことはある一冊。王政復古のオックスフォードを舞台に、『藪の中』形式のミステリというだけでもう大好物です。とくに第一章、ヴェネツィアからきた医学生が人体実験をしまくる文化史的な道具立てもよかったですし、語り手のダ・コーラにもある程度の好感が持てます。第二章のプレストコットはクズ過ぎて読むのがキツいですが、政治史×魔法という組み合わせも良いです。全体像が見えない状態でもサラが魅力的に描かれていて、下巻が楽しみです。

  • Panzer Leader

    クロムウェル亡き後、王政復古にしたイングランドのオックスフォード大学を舞台に発生した教師の毒殺事件。この顛末を4人の人物による手記で綴るミステリー。同じ事件を扱いながら語り手が違うと全く違う様相が浮かび上がってくる上、信頼のおけない語り手ゆえ何が真実か分らず語られていない事実もあって複雑怪奇な展開となる。しかし語り手二人が不快感をもたらす様な人物設定のため調子よく読み進めにくいのが難点ながら後半に期待。

  • キムチ

    「薔薇の名前」とクリスティのテイストを併せ持つ魅力という触れ込みに惹かれて読んだものの。このボリュームと登場人物の波に呑み込まれそうになる。無駄に多いという気がしないでもない。池先生担当のパーツ・・コーラの手記は17世紀の医学周辺事情が面白く、まるで「百科全書」を読んでいるような具合。殺されたグローブ、用いられた毒薬、そしてサラの人間性など証人が語るところが万華鏡の様相を呈するのは常套手段。次なる東江先生のパーツが乗れなかった。法学生プレスコットの饒舌にともすると脱線している感。3人目の証人を期待します〜

  • オーウェン

    非常に評価が高い歴史ミステリだが、引き合いに出されていたのが名作の「薔薇の名前」。 中身は羅生門テイストであり、実在の人物たちと架空の人物がやり取りする歴史ミステリ。 手記という形であり、語り手が章ごとに入れ替わる。 上下巻で全4章なので、4人の人物が視点を変えて毒殺された教師の謎が明かされていく。 まだ上巻なので2人しか明かされていないので総合的な評価は下巻を読んでからかな。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items