これからも闘い続けます 韓国の現職検事が語る、内部告発の決意と苦闘

本書は、孤立を恐れず正義を追求し、組織内部から声を上げ続けた、現職検察官である著者の決意と苦闘の記録である。
著者は、民主化以前の人権弾圧事件の再審公判において、検察の方針に反し「無罪」を求刑し、懲戒処分を受け、人事上不利益を被ったが、それにも屈せず組織と対峙し続けた。また検察内部の不正やセクハラを告発したり、関係する検察幹部を刑事告発したりするなど、正義を追求した。その姿勢は国民の支持を集め、検事総長候補にまで推された。隣国の現実は、日本の司法や私たち自身の社会に対しても鋭い問いを投げかける。

【著者紹介】
イム・ウンジョン : 林恩貞。１９７４年７月１４日慶尚北道浦項市（出生当時の地名は迎日郡）生まれ。ソウル東部地方検察庁検事長（日本の検事正に相当）。１９９８年第４０回司法試験に合格し（司法研修院３０期）、１９９９年高麗大学校法科大学（日本の法学部に相当）を卒業した。２００１年に仁川地方検察庁検事に任官した後、大邱地方検察庁慶州支庁、釜山地方検察庁、光州地方検察庁、法務部（法務審議官室）、ソウル中央地方検察庁、昌原地方検察庁、議政府地方検察庁、ソウル北部地方検察庁、清州地方検察庁忠州支庁、蔚山地方検察庁、大検察庁、法務部（監察担当官室）、大邱地方検察庁、大田地方検察庁を経て、２０２５年７月より現職（２０２５年１０月現在）。この間、同年６月に、李在明政権で国政企画委員会専門委員（政治行政分科）に任命され、大統領の諮問に応じて検察改革を担当した

安部祥太 : １９８７年東京都生まれ。関西学院大学法学部教授、博士（法学）。専門は、刑事法、韓国刑事法（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）