イアン・マキューアン

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未成年 新潮クレスト・ブックス

イアン・マキューアン

User Review :5.0
(2)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784105901226
ISBN 10 : 4105901222
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

輸血を拒む少年と、命を委ねられた女性裁判官。深い余韻を残す長篇小説。法廷で様々な家族の問題に接する一方、自らの夫婦関係にも悩む裁判官の元に、信仰から輸血を拒む少年の審判が持ち込まれる。聡明で思慮深く、しかし成年には数か月足りない少年。宗教と法と命の狭間で言葉を重ねる二人の間には、特別な絆が生まれるが――。二つの人生の交わりを豊かに描きながら重い問いを投げかける傑作長篇。

【著者紹介】
イアン・マキューアン : 1948年、英国ハンプシャー生まれ。シンガポール、トリポリなどで少年時代を過ごす。イースト・アングリア大学創作科で修士号を取得後、1976年に第一短篇集でサマセット・モーム賞を受賞。『アムステルダム』(1998)でブッカー賞受賞。『贖罪』(2001)は全米批評家協会賞など多数の賞を受賞、ジョー・ライト監督により映画化された。2011年、エルサレム賞受賞。現代イギリスを代表する作家のひとり。オクスフォード在住

村松潔 : 1946年、東京生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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イアン・マキューアンのファンではないが、...

投稿日:2021/07/03 (土)

イアン・マキューアンのファンではないが、オススメの作品です。 輸血拒否する少年はエホバの証人の子どもとして育ち、輸血が関係する治療を受け入れるか受け入れないかの葛藤、あともう少しで成人になるけど、自己決定する能力があるのに法的には無理というもどかしさがわかりやすく表現されていて良かったです。 この作品は海外では映画化されていて(タイトル:Children Act)日本では2020年秋に公開予定でしたが、コロナ禍で流れてしまったようです。 もしオールリージョンの機器をお持ちでしたら、DVDと共この本を読むと分かり易いですよ。 エマの演技も素晴らしい!

Pripriprince さん | 大阪府 | 不明

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贖罪のような読み応えのある長編も捨てがた...

投稿日:2021/03/12 (金)

贖罪のような読み応えのある長編も捨てがたいが、アムステルダムや初夜のようなさらっとした中編にこそ、この作家の魅力を見出せるのではないかと思う。この未成年も然り。読後、いろいろなことを考えさせる一冊だった。また、作中に出てくる音楽の使い方が上手いなーと思う。

いえつん さん | 東京都 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 遥かなる想い

    輸血を拒む少年と 女性裁判官の物語である。 女性裁判官フィオーナの心理描写をベースに 物語は進む…エホバの証人を信仰する少年の ひたむきさが 哀切で哀しい。 宗教と法律という難しいテーマを 丹念に描いた…そんな作品だった。

  • ケイ

    原題は『Children Act』(少年法)。 18歳まであと2ヶ月の少年。受けなければ死につながる治療の決定権は誰にあるか。親か。本人か。その信条か。本人の意思は、本人の命は、本人の尊厳は、どれが優先されるべきか。そして、裁判官は、その判決を下したあとに、どこまでそこに関わるべきか。そして、子供を持たないこと、または持つことで意識は変わるのか。裁判官も人間であるが故に。様々な問題を投げかけてくるマキューアン。そもそも救うとはどういうことだろうか。愛おしい少年の身が心配で心配で…、夢中で字を追った。

  • どんぐり

    信仰上の理由で輸血を拒否する両親と少年。初老の女性裁判官フィオーナが少年アダムの病床に赴き、答えを見出そうとする。詩を愛し、習い立てのバイオリンを奏でる若者の姿に、心を動かされたフィオーナが下した裁定は、「こどもは宗教のために死んだりすべきではない」というものだった。生命の危機を脱した後に両親が泣いている姿を見た若者は、自分に向ける愛情のほうが神や死後の生への信仰よりも強いのかもしれないと困惑し、フィオーナに自作の詩を書き送り、彼女の支えを求めようとする。裁判官の職業倫理でとった振る舞い、それは若者

  • しいたけ

    信じる宗教の戒律により輸血を拒否する白血病の少年と、一刻を争う少年の命を審理することになった女性裁判官。少年は17歳と9か月。そしてもうすぐ60に手が届く裁判官。病室で習い始めたばかりのバイオリンを奏でる少年に未来への希望を見た裁判官が出した審判。聡明で自由を愛する少年の魂は、小さな池の水底で喘いでいたのだろう。初めて聞いた外の声。琴線に触れる言葉。あまりに透明な少年の危うさ、初めて自分の足で歩く覚束なさ、夢と現実の境界の曖昧さ、全てが悲劇へと滑り出す。この少年を前にすれば、加害者となることも致し方ない。

  • のぶ

    非常に優れた文学作品だった。自らの夫婦関係に悩みを持つ女性判事フィオーナ。彼女のもとに持ち込まれた、宗教上の信仰で輸血を拒む少年への輸血許可の審判を求める案件が病院から持ち込まれる。いろんな問題を投げかけた作品だった。人の子である判事に、生死の判断を法の解釈で下せるのか?。宗教の教義ってなんだ?。本来、人の幸せのためにあるそれらのものの歯車は噛み合っているのか?。二つの問題に苦悩するフィオーナの下した判断に、人の感じるものはさまざまだろう。結論などない。それもまた文学。

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