アーナルデュル・インドリダソン

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湿地 創元推理文庫

アーナルデュル・インドリダソン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784488266035
ISBN 10 : 4488266037
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

レイキャヴィクの湿地にあるアパートで、老人の死体が発見された。侵入の形跡はなし。何者かが突発的に殺害し逃走したらしい。ずさんで不器用、典型的なアイスランドの殺人。だが、残されたメッセージが事件の様相を変えた。明らかになる被害者の過去。肺腑をえぐる真相。ガラスの鍵賞2年連続受賞の快挙を成し遂げ、CWAゴールドダガーを受賞した、北欧ミステリの巨人の話題作。

【著者紹介】
アーナルデュル・インドリダソン : 1961年アイスランドの首都レイキャヴィク生まれ。父親は高名な作家インドリディ・G・トーステンソン。アイスランド大学で歴史学と映画を専攻し、卒業後新聞社に就職。その後、フリーの映画評論家になる。1997年にレイキャヴィク警察の犯罪捜査官エーレンデュルを主人公とするシリーズ第一作Synir duftsinsで作家デビュー。3作目にあたる『湿地』と次の『緑衣の女』で2年連続してガラスの鍵賞を受賞。『緑衣の女』では、英国のCWAゴールドダガー賞も受賞している

柳沢由実子 : 1943年岩手県生まれ。上智大学文学部英文学科卒業、ストックホルム大学スウェーデン語科修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ヴェネツィア

    警察小説、というのだろう。私のイメージするミステリーとは随分違う。それに警察小説だとしても、主任捜査官のエーレンデュルの捜査方法は、素人目にも正攻法からはほど遠い。おそらくレイキャビク警察だからというわけではないのだろう。また、およそ馴染みのない人名や地名はともかく、アイスランド特有の風土感や空気感は残念ながらいささか乏しいようだ。ただし、国の全人口が30数万人という少なさは、きわめて特異であり、そのことは本書において重要なキー・ポイントとして機能している。終結部に向かって加速してゆく躍動感は見事だ。

  • utinopoti27

    本作は、北欧の小国アイスランドで起きたある殺人事件を軸にしたヒューマンミステリだ。被害者は老人男性。現場には血痕の付着した灰皿と、奇妙なメモが残されていた・・。著者の筆は、被害者の【血】にまつわる因縁の系譜と、事件を担当するエーレンデュル捜査官の人物像に焦点をあてることで、この国が抱える社会構造のひずみを浮き彫りにしてゆく。加えて、形容詞や比喩表現を極力省いた簡潔な文章が、鬱々と重苦しい世界観に軽快なテンポを与えているのも見逃せない点だ。権威ある賞を受賞した北欧ミステリの傑作シリーズ。看板に偽りなし。

  • stobe1904

    アイスランド産の「ガラスの鍵」賞の受賞作。家族の在り方と性犯罪を根底に置きながらストーリーが展開される。ヘニング・マンケルのヴァランダーを彷彿させる捜査官エーレンデュルを中心に、下流老人の殺人事件を追いかける。決して明るく楽しい話ではないが、読者を引き込む筆力はさすがなもの。唯一の明るい面は、エーレンデュルと麻薬中毒の娘との関係が良くなる兆しがあることであろうか?ヘニング・マンケル亡き後の北欧ミステリーを代表する作家として、コンスタントに翻訳、出版してほしい。

  • 紅はこべ

    ハードカヴァーでは既読だが、最寄りの図書館に文庫版が入っていたので、思わず借りてしまった。やっぱり北欧ミステリでは断トツに暗い。高福祉国家でも性被害は実在する。アイスランド人は世代を遡ると、必ず親戚姻戚関係になるって、現在もそうなのかな。それにしてもどうして日本の出版社ってシリーズ物を第一作から出さないんだろう。

  • bookkeeper

    ★★★★☆ 初読。レイキャビィクで老人の殺人事件が発生。「おれは、あいつ」不可解な書き置き以外は何も特徴の無い事件…。捜査官のエーレンデュルが辿り着く真相は。  単一民族で島国。低い犯罪発生率。見ようによっては日本と似ていて、でも知る機会のほとんどないアイスランド発のミステリ。エーレンデュルの家庭は破綻していて、麻薬中毒の娘との関係も痛ましい程なのですが、捜査の過程を共有する中で距離が近付いていくのが仄かな救い。救いようの無い悲劇ながら、読み易くて展開も速いです。「泣くことができるようによと言ったんです」

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