Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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• ラウリスタ〜

  読了日：2016/02/05

  絵画ってこうやって「読む」んだ、というか美術史とかやってる人はこうやって読んでいるんだ、ってうなずきながら読みすすめた。でもこんなの現代で特に専門的な教育を受けていなかったら分かるわけないな。そもそも定説ですら、あやしいものが多いようだし。目隠しのキューピッドは現代人からすると「恋は盲目」というだけの意味しか持たないが、中世の文脈では「盲目＝否定的、罪人」であり常に悪と結びつけられたとか。古代神話画が中世において、その方式は地中海世界で、その物語は北ヨーロッパで、それぞれ継承されたのは面白い。

• 白義

  読了日：2014/12/04

  絵画を始め様々な芸術には、単に表面に見えるだけではない、深層の「寓意」や象徴の世界、そしてそれを表すいろんな「お約束」がある。そしてその寓意やお約束には、当時の時代背景や精神史が刻み込まれている。本書で言うイコノロジーとは、まさに芸術作品の内的世界観を当時の時代の文脈から解釈し明らかにしていく手法のこと。今となっては普通になったこの手法を形にしたのが本書で、イコノロジー入門だけなら序論だけでOKだが、以降の本文も具体的なモチーフの歴史的変遷を追及していくのがミステリー小説のような面白さ

• 有沢翔治@文芸同人誌配布中

  読了日：2021/03/31

  イコノロジーとは絵画をどのように理解するかの研究であり、絵画に書かれている時代時代の＜約束事＞にしたがって読み解く手法のことである。その＜約束事＞は絵画のみならず当時の文学作品などにも広く当てはまる。本書ではルネサンスの絵画を中心に分析を試みている。http://blog.livedoor.jp/shoji_arisawa/archives/51518034.html

• OKKO （o▽n）v 　終活中

  読了日：2017/12/13

  レポート課題図書　◆無事に合格点貰ったので読了認定　◆いわゆるパノフスキーのイコノロジーの理論は、序文のパート1であり、以降はその具体的展開。レポート書くためにいろいろ考え込んだ結果、私の作品分析はヴァールブルクが指摘した文化人類学の領域はじめ、ニュー・アート・ヒストリーあるいはヴィジュアル・カルチャーが射程とするものに範囲を広げたうえで、このオーソドックスな三段階の記述・分析・解釈を行なうのが最適なんだろうな〜と確信。古いタイプの研究者でやんすよ、ハイ

• roughfractus02

  読了日：2017/04/10

  電源をつけてモニター上に並ぶアイコンを開く。この短時間のアクションはコード、アルゴリズム、プログラムによって作動する。イコロノジーのテーマとはその作動をアイコンの側から探ることだ。アイコンは元来イコンと呼ばれる。著者はさほど多くない美術資料から古代、中世、ルネサンスまでの思想過程を探る。まず自然的主題があり、次に伝習的主題になると彼が言う時、コードが発見され、それがプログラミングによる作動を数々の宗教画のテーマにおいて解読(デコード)している。美術を見ることは思想のプロセッシングを逆から辿ることなのだ。

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