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中世都市 社会経済史的試論 講談社学術文庫

アンリ・ピレンヌ

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065131619
ISBN 10 : 4065131618
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

歴史的世界としてのヨーロッパの生成を自らの学問の中心テーマに据えた、二十世紀を代表する中世史家ピレンヌ。地中海を囲む古代世界はゲルマン侵入とイスラーム勢力の海上侵出によりいかに衰頽し、どのように変容したのか。遺された細かな史料までを渉猟し、一貫した問題意識から著されたヨーロッパ中世都市成立史の不朽の名著。

目次 : 第1章 八世紀末に至るまでの地中海商業/ 第2章 九世紀の商業の衰頽/ 第3章 シテとブール/ 第4章 商業の復活/ 第5章 商人/ 第6章 都市の形成と市民/ 第7章 都市の諸制度/ 第8章 ヨーロッパ文明に対する都市の影響

【著者紹介】
アンリ・ピレンヌ : 1862年ベルギー生まれ。歴史家。ヨーロッパ中世史研究に新しい視点を導入し、世界的権威となる。1935年没

佐々木克巳 : 1931年生まれ。1961年一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了。成蹊大学経済学部教授を務め2013年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • skunk_c

    9〜12世紀のヨーロッパ中世都市成立過程に関する古典的名著で、100年近く前の論考なのに色あせていない。具体例もあるがあまりミクロな部分には踏み込まず、「近似値」的な像を描こうとする意図がはっきりしている。背後に自身の膨大な研究があるのがうかがわれるが、それをさらっとまとめる力量はさすが。特に12世紀頃あらわれる中世都市を「防御施設のある囲いの保護の下に、商工業によって生活を営み、都市を特権的な集団的人格とするところの特別の法、行政、裁判を享受する、コミューンである」と絶妙に定義づけている(p.211)。

  • ワッピー

    40年近く前から気になっていたものの、ようやく手に取りました。イスラム勢力の隆盛、ゲルマンの侵入がヨーロッパ諸都市の成立にどのような影響を与えたのかを読み解く古典的名著。国家・民族の動きといった大きな視野とともに都市の中の「シテ」(広場)の成り立ちや都市機能の変遷も含むミクロな視点を楽しみました。ただし、ピレンヌの文章とは非常に相性が悪かったようで、読み進むのに苦労しました。訳者あとがきを見ると、一度は読みやすさを主眼とした版を作られたそうですが、結局は原文尊重版に戻されたとのこと。とても残念です。

  • ゲオルギオ・ハーン

    アンリ・ピレンヌ先生の入門書。巻末の補足資料や訳注も充実していて意外に読みやすいつくりになっている。ローマ帝国崩壊による貿易の衰退と復興、ローマ時代からの都市と中世にて成立した都市の違いについて概要が知れる。一方で第二次大戦前に書かれているから最近の中世都市研究との違いが時々出てきます。といっても時代遅れということではありません。仰々しさが少なく、あっさりと読めるので中世ヨーロッパの都市とはどういうものかという興味をもっている人に入門書の一冊としてオススメできます。

  • ポルターガイスト

    『ヨーロッパ世界の誕生』と併せて読んだ。高校教員がピレンヌ・テーゼをインストールしたいくらいの気持ちで読むならこっちのほうが短いし読みやすいし後半から中世都市の成立についても学べるからお得でいいかも。

  • 灰猫

    ゲルマン人・イスラム勢力侵入による西欧社会の衰退→封建制度の確立→地中海・北欧商業圏の発展から始まる商業ルネサンス→商人増加に伴う各地の都市形成。結果、諸侯・司教の既得権益や旧体制は様相を変え、新たに誕生した特権階級"市民"による社会改革が行われた。教科書では数行で概説される部分も、こうしてじっくり読むと(当時は諸問題を解決する手段や利己的動機に過ぎなかったとはいえ)民衆の自由を求める精神性や息遣いが感じられるようで、とても読み応えがあった。西洋史の本を読む意欲が再燃しそうだ。

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