アンドレイ・クルコフ

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侵略日記

アンドレイ・クルコフ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784834253757
ISBN 10 : 4834253759
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
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Content Description

小説『ペンギンの憂鬱』『灰色のミツバチ("Gray Bees")』の著者で、2014年のマイダン革命を『ウクライナ日記』に書き記したアンドレイ・クルコフが、2022年2月に始まったロシアとウクライナの戦争について書いたノンフィクション。戦況の激化していく同年7月までの日々が、作家の観察眼で生々しく綴られている。戦時下ウクライナの記録。ロシア文学者・沼野恭子による解説を収録。

「2022年2月24日は、ほとんど何も書けなかった。キーウに響き渡ったロシアのミサイルの爆発音で目覚めた私は、自宅アパートメントの窓辺に一時間ほど立ち尽くして人気のない街路を眺めやり、戦争が始まったと気づいたが、この新たな現実をまだ受け止められなかった。続く数日間もやはり何も書けなかった。車でまずはリヴィウに、それからカルパチア山脈をめざした移動は、果てしない渋滞で想像を絶する長旅になった。国内の他のあらゆる地域からの車の波が、西へ続く道という狭い漏斗めがけて押し寄せていた。誰もが戦争の暴力から家族を守るために逃げようとしていた」──まえがきより

「著者は最初から各国語に翻訳されることを想定していたにちがいなく、ウクライナの状況をよく知らない読者にも理解しやすいよう配慮されていて読みやすい。全体として、作家自身が実際に見聞した具体的な出来事と、その背景説明や思索にあてられた部分がほどよいバランスで融合した、非常に優れたルポルタージュになっている」──解説 沼野恭子「〈記憶の保管庫〉としての日記」より

著者:アンドレイ・クルコフ(Andrey Kurkov)
キーウ在住のロシア語作家。1961年ソ連のレニングラード州ブードゴシチに生まれ、3歳のときに家族でキーウに移る。キーウ国立外国語教育大学卒業。オデーサでの兵役、新聞や出版社の編集者を務めるかたわら小説やシナリオを執筆。96年に発表した『ペンギンの憂鬱』が国際的なベストセラーとなり、その名を一躍有名にした(沼野恭子訳、新潮クレストブックス)。著作は30以上の言語に翻訳されている。日本では『大統領の最後の恋』(前田和泉訳、新潮クレストブックス)『ウクライナ日記』(吉岡ゆき訳、ホーム社)も紹介されている。2014年フランスのレジオンドヌール勲章を受章。18年から22年までウクライナ・ペン会長。

訳者:福間恵(ふくま・めぐみ)
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程(現代文芸論)単位取得満期退学。記事翻訳・出版翻訳を手がける。訳書に『英文創作教室』(共訳、研究社)、『作家たちの手紙』(共訳、マール社)、『アニマル・スタディーズ』(共訳、平凡社)などがある。


【著者紹介】
アンドレイ・クルコフ : ウクライナはキーウ在住のロシア語作家。1961年ソ連のレニングラード州ブードゴシチに生まれ、3歳のときに家族でキーウに移る。キーウ国立外国語教育大学卒業。オデーサでの兵役、新聞や出版社の編集者を務めるかたわら、小説やシナリオを執筆。1996年に発表した『ペンギンの憂鬱』が国際的なベストセラーとなり、クルコフの名を一躍有名にした(邦訳は沼野恭子訳、新潮クレストブックス、2004年)。著作は30以上の言語に翻訳されている。日本では『大統領の最後の恋』(前田和泉訳、新潮クレストブックス、2006年)『ウクライナ日紀」(吉岡ゆき訳、ホーム社、2015年)も紹介されている。2014年フランスのレジオンドヌール勲章を受章。2018年から2022年までウクライナ・ペン会長を務める。2022年、本書でドイツのゲシュヴィスター・ショル賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • hiace9000

    膠着し泥沼と化すロシアによるウクライナ侵略戦争。停戦の糸口すら見えない戦争は3年目突入か。アンドレイ・クルコフは言う。"悲劇の経験を吐き出すことは忘れるための手段ではなく、建設的に記憶し、悲劇の結果を自身の歴史と文化の遺産にするための手段"だと。2021年12月からの半年間、戦時下のウクライナで綴られた日記は、単なる身辺雑記ではなく、文学者の視点で政治、文化、社会、歴史について深く思索を巡らしたウクライナ人の尊厳=魂のアーカイブであり、プーチンの野望に抗する一本の狼煙だ。歴史的トラウマの現実がここにある。

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    2022年2月24日前まで、日本のニュースでは切迫する一方で楽観視するウクライナ市民を映していた。だが、ウクライナによるロシアへの危機感は2004年以前からも続いていた。その事実はこの日記で明らかである。同時に戦争であっても日常を営む事や希望を忘れない事も綴られている。それは大国の横暴に振り回された歴史から生まれたウクライナ市民の精神性でもある。国民的パン工場の爆破への追悼に項垂れ、戦争に左右される母語選びやロシア文学への評価がしょっぱい。一刻も早く、ウクライナ侵攻への平和的終着が訪れる事を祈りを込めて。

  • Nobuko Hashimoto

    本を次々読む演習で学生が取り上げてくれた。本書はロシアによる全面侵攻直前から半年の記録。クルコフはロシア出身だが、ウクライナ人として生きる覚悟を前面に出していて緊張感がある。発表した学生も言っていたが、日本の報道だけではわからない現地の雰囲気や具体的な動き、人々の思いが伝わってくる。本書は英語で書かれたものからの翻訳なせいか細かな訳注はないが、あればあまり詳しくない読者に親切かも。クルコフは2013-4年のマイダン革命のときの日記も出していて(『ウクライナ日記』)、そちらもたいへん面白い。

  • みねたか@

    2022年2月24日ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の開始日を挟む数か月間の日記。大ロシアの復活、強制移住による極東への入植などプーチンの野望で人々の生活基盤が根こそぎ奪われ、その状況が開戦後2年も続いている現実に愕然とする。ベトナム戦争後に物心ついた世代として、冷戦下の紛争さらにその後の湾岸危機等でも、欧米諸国は表面的にでも自由や民主主義の理念をかざしていたと思うが、この紛争とパレスチナ侵攻では各国の経済的政治的利害があまりに生々しく、大戦後の国際秩序というのが自分の幻想に過ぎなかったと思い知る。

  • かふ

    最初ゼレンスキー批判で戸惑ってしまったが、ゼレンスキーもウクライナのナショナリズムを煽っているという。もともとメディア出身者で、そうしたメディアの使い方に長けていた。クルコフはウクライナに住むロシア人であり、ロシア人に誇りを持っていたと思う。それを崩したのがプーチンでありキーフ侵略後は怒りに満ちている。それでも冷静になり笑いを忘れずに日記を書き続けているのだ。いつか終わることを期待して。しかし、未だに終わりが見えなかった。プーチンはロシア人を世界の敵に廻し、若者のロシア離れを引き起こしてしまった。

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