Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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• 神城冥†

  読了日：2016/01/08

  砂漠に不時着したパイロットが遠い小さな星からやってきた男の子と出会い、友情が芽生え、ふれあい、別れるまでの清く、哀しく、切なさ溢れる愛しい童話。小さな時に一度星の王子さまは読んだのですが、その時はあまり深く理解できませんでした。大人になってもう一度読み直してみて、なるほどそうだったのか！と納得し、話の深いところを理解できる、正に大人にこそ読ませたい本です。最後、しんみりと泣けました。

• あや

  読了日：2013/03/10

  この本の存在は知っていたのですが、恥ずかしながら今まで一度も手に取ったことがありませんでした。しかし読んでみて、この本を読むタイミングが今でよかったとつくづく思わされました。大人になると忙しさや周りの人間関係に流されて、当たり前のことがわからなくなる。本の中ではっとさせられる言葉も多く、そんなことを気付かされるものでした。なんの変哲もないものでも、それに対してある特別な感情を抱き、大事にすることでそれはかけがえのないものへと変わっていく。そして自分も誰かにとってそんな存在になるかもしれない。

• ❁Lei❁

  読了日：2019/09/15

  再読。悲しい時に無性に読みたくなります。それだけの温かさと、静謐な冷たさを持ち合わせている本書。今回はバラ関連のお話に初めて共感できました。花の厄介な虚栄心、思い当たる節が。王子さまにとってバラが大切なのはバラにかけた時間のため、飼い慣らしたものにはどこまでも責任がある、という狐の教えには特段共感しました。私も誰かのバラになれたら、また、誰かの王子さまになれたら、と思う日曜日の昼下がりでした。この物語の内容をひとつずつ理解できていくことは楽しくもあり、大人に近づいたことを実感されられもして寂しくなります。

• ❁Lei❁

  読了日：2023/07/11

  錆びついた心に油をさす感覚で再読。砂漠が美しいのは井戸を秘めているから、王子さまが愛おしいのはバラに対する誠実さがあるから。これ、全力で何かに打ち込んでいる人は魅力的に見えるという説に似ている気がします。たとえ表には見えなくても、その人の中に強く輝く芯があれば素敵な人間である。反対に、自分の求めているものがわからず、時間効率だけを考えて日々を過ごしているカラッポな人は、王子さまが言うところの「変な大人」なのでしょう。私の中には、目に見えない大切なものがちゃんとあるだろうか。ふとした瞬間、考えることです。

• 混沌工房

  読了日：2014/08/09

  《図書館》いろんな訳で読むキャンペーン・宝島文庫。訳は倉橋由美子氏。子供のとき、王子が自分の星を出た理由がよくわからなくて、漠然と、見聞を広めるため？とか思ってた。この本のあとがき読んで、やっと腑に落ちた。恋愛関係のもつれだったんだね(笑)。それをふまえて読むと、倉橋氏が訳した花の描写や話し方は、既読の他訳より、『女』を感じるように思う。これを読んで大量の涙が出てくるのはちょっと変わった読み方です、てあるけど、でもどうしてだか泣いちゃうんだよ。

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