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ISBN 10 : 486182589X
Content Description
「性的不能」とは“歴史的なタブー”だった。西洋世界では、この烙印を押されることが「同性愛者」や「狂人」と同じく“社会不適格者”とみなされたからである。男たちは、必死に“男らしさ”を競い続け、中世では股間に物を詰めて誇張する服装すら流行した。ところが歴史上の著名人には、じつは不能者も多い。彼らは、この苦難を一生隠蔽し闘いつづけたのだ。本書は、古代メソポタミアの呪文から、古代ギリシアの薬草、中世の「性的不能者裁判」、近世の“インチキ”治療薬や外科手術、そしてバイアグラの現代までの、男らしさを追い求めた、知られざる男性の受難と苦闘の歴史である。
目次 : 第1章 挿入させない挿入者―“本物の男”を求めた古代ギリシア・ローマ/ 第2章 性器は時に不服従の態度を示す―勃起・挿入・射精の実証を求めた中世キリスト教会/ 第3章 「お馬がレリダで立ち往生」―性的不能が嘲笑の対象となったヨーロッパ初期近代/ 第4章 普及する科学、理想化される愛―啓蒙の時代、繊細さを求められるようになった男たち/ 第5章 新婚初夜を恐れた男たち―19世紀、女性への恐怖と脅かされる男らしさ/ 第6章 「一粒で驚きの精力増大…」―ヴィクトリア朝時代、医学とインチキ医学の闘い/ 第7章 「セックスこそ幸せな結婚の条件」―フロイトとマリー・ストープス、精神分析による新たな定義/ 第8章 睾丸移植、ホルモン療法―戦間期の外科的治療と回春療法、そして優生学/ 第9章 性の解放と「インポテンツ急増中」―キンゼーとマスターズ&ジョンソン、性革命、ピル、ウーマンリブ/ 第10章 バイアグラと“男らしさ”の現在―幸福な解決策か、新たな不幸の誕生か
【著者紹介】
アンガス マクラレン : 歴史学者。カナダ屈指の名門ビクトリア大学教授を経て、同大学名誉教授。1942年、カナダ・バンクーバー生まれ。ハーバード大学で博士号を取得。専門は、セクシュアリティに関する歴史学で、世界的にその名が知られている。2007年、カナダの政府機関である芸術評議会から、人文社会科学分野で最も優れた功績をあげた研究者として「モルソン賞」が授与されている。また『性的不能の文化史―“男らしさ”を求めた男たちの悲喜劇』で、性科学分野で最も優れた研究書に与えられる「ボニー&ヴァーン・バロー賞」(2007年、セクシュアリティ科学研究財団)を受賞
山本規雄 : 1967年、東京都生まれ。出版社等勤務を経て、現在、翻訳業・編集業に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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くさてる
読了日:2020/09/05
ゆき
読了日:2016/11/19
kenitirokikuti
読了日:2017/05/27
PukaPuka
読了日:2020/08/24
masoho
読了日:2024/03/10
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