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翻訳地獄へようこそ

アルク

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784757430747
ISBN 10 : 4757430744
Format
Books
Release Date
June/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

『死の蔵書』や『異邦人たちの慰め』など、エンターテインメントから文学まで多様な作品を訳してきた宮脇孝雄が、数多くの翻訳実例も引用しつつ、翻訳のやり方を実践的に紹介。読めば読むほど翻訳者の苦悩と翻訳の奥深さがじわじわ伝わってくる一冊です。悩める翻訳者と海外文学ファン必読。地獄で仏の実践翻訳ゼミナール。

目次 : 1章 翻訳基礎トレーニング―注意深く読み適切な訳語を見つけだそう(多くの誤訳は名詞の意味の取り違えから生まれる/ 翻訳者にとって辞書は引くものではなく読みこむものである/ 慣用句は時に破壊力のある地雷となる ほか)/ 2章 翻訳フィールドワーク―背景となる文化や歴史や地形を徹底調査せよ!(ジャンパーはイギリスではセーターのことなり!/ ケンジントンのオランダ屋敷が翻訳小説に登場する謎/ ドアの開け方はミステリ翻訳の重要なポイントとなる ほか)/ 3章 翻訳実践ゼミナール―「表現」の翻訳を目指し試行錯誤の日々を送ろう(007原作者フレミングの小説は翻訳修行に向いている/ 英語の小説に登場する「京都弁」をどう訳すか?/ なぜカウボーイは独立分詞構文で描かれたのか? ほか)

【著者紹介】
宮脇孝雄 : 1954年高知県生まれ。翻訳家。早稲田大学政治経済学部在学中に「ワセダミステリクラブ」に参加。また敬愛するミステリ評論家で翻訳家の小鷹信光氏の薫陶を受けつつ翻訳の仕事を始め、今に至る。翻訳に関するエッセイをはじめ、料理や英米文学・ミステリに関するエッセイ、評論も多い。(株)日本ユニ・エージェンシーで翻訳教室を開講、専修大学で非常勤講師を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • bianca

    著者の宮脇さんの翻訳はクライヴ・バーカーの「ミッドナイト・ミートトレイン」で読んだことがあった。一読者としては大変勉強になる内容。一方で翻訳を生業としている人々は戦々恐々ではないだろうか。明らかなリサーチ不足で謎の日本語になっているにも関わらず、そのまま出版されているケースも多いみたいだ。確かに翻訳本で度々「??」となることはあるけれど、完璧な翻訳をするためには、かなりの知識と労力が必要。報酬面で割に合っていなそうな…。自分もたまに原書に手を出すけど、まだまだYA止まりにしておいた方が良さそうだと実感…。

  • buchipanda3

    翻訳指南の本だと思うが、読み物としてもかなり楽しめた。英国文化の蘊蓄も盛り込まれ、ユーモラスな文章でとても読み易い。翻訳小説を読む人は、誤訳やいまいちな訳文の例を見せられてあるある状態になること請け合いだと思う。著者は翻訳は<言葉>を訳すだけの作業ではなく、<表現>を訳すことだと述べている。作家の意図をちゃんと汲み取り、描かれた時代背景も踏まえて訳す。読み手に分かり易く伝えるためにしっかりと言葉を選び抜く考え方に感銘を受けた。これは翻訳に限らず、日本語の文章を書いているときにも通じるものだと思う。

  • 流之助

    翻訳ミステリが読みにくい理由が事細かに理解できた気がした。翻訳とは英語を日本語に訳すことではなく英語の「表現」を日本語の「表現」に訳すことである、ということがよく分かる。ミステリや児童書に対する、軽い読み物という偏見が無くなり、良質な翻訳が読めるように願いたい。

  • Yuuki.

    短いエッセイをまとめたもので、サクサク読めるのだが、内容は濃い!きっと訳書を読むのが好きな人には仕事としての翻訳とはどんな作業なのかが分かる面白いエッセイだろうし、訳書が読みにくくて苦手な人にはその原因の謎解き本になりそう。そして翻訳学習者や翻訳者には凄くためになる!先々訳者として恥をかかないために気を配るべき部分を教えてくれ、今後参考にしたい書籍もたくさん出てくる。それにしても、実際に出版されている訳書をこれだけバッサバッサと斬るとは恐ろしい。まさに地獄。

  • shikada

    翻訳家が、翻訳の難しさ、一筋縄ではいかない部分を語った一冊。全体を通して「言葉のニュアンスに対して無警戒ではいけない」とのメッセージを感じる。頻出語でも意味は複数あるし、小説は行間を読んで、ユーモアや引用を察知しないといけない。ドアを"push”するのはたいてい部屋に入る時だとか、イギリスには「市」という概念がないとか、日本人作家は使わない、翻訳ものでだけ登場する日本語(翻訳弁)があるとか、初めて知ることが多かった。「英語の小説に登場する京都弁をどう訳すか?」との章が特に興味深かった。

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