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秋 新潮クレスト・ブックス

アリ・スミス

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784105901646
ISBN 10 : 4105901648
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

国民投票でEU離脱が決まったことも知らず、101歳のダニエルは、イギリスのとある村の療養施設で眠りつづけている。足しげく彼を見舞い、語りかけ、本を読んできかせるエリサベスは32歳の非常勤講師。少女時代を過ごした家の隣人がダニエルだった。当時すでに老人だった彼は、エリサベスに詩や小説、舞台や音楽、絵画の魅力を折りにふれ伝え、いつもこう訊ねた。「何を読んでいるのかな?」―エリサベスと母との確執、60年代に早世した女性ポップアーティストとダニエルのかなわなかった恋、ナチの手にわたったらしい彼の妹…。かつてない分断にさらされるイギリスと、時代の変転を越えてつづいてゆく人々の人生を描いたブッカー賞最終候補作。

【著者紹介】
アリ・スミス : 1962年、スコットランド・インヴァネス生まれ。ケンブリッジ大学大学院で学んだ後、エディンバラの大学で教鞭を執るが、ケンブリッジに戻って執筆に専念。デビュー短篇集Free Love and Other Stories(1995)でサルティア文学新人賞を、長篇The Accidental(2005)でホイットブレッド賞を、『両方になる』でゴールドスミス賞、コスタ賞、ベイリーズ賞を受賞。現代イギリス文学を代表する作家の一人で、タイムズ文芸付録による2018年のアンケートThe best British and Irish novelists todayで1位に選ばれている

木原善彦 : 1967年生まれ。大阪大学教授。ウィリアム・ギャディス『JR』の翻訳で日本翻訳大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • buchipanda3

    スコットランド作家による現代小説。これは好みの作品だった。突飛ながら想像力とユーモアに満ちた表現が連なり、文学的な味わいのある文章で綴られた物語。韻を踏む言葉の連発は「なななな〜」が浮かんできちゃった。読んでいて見えてくるのは、皮肉な笑いがこぼれてしまう世界。目の前で起きている事が見えない対話の終わった社会、差別が平気で語られる社会、事実が意味を為さない現実の虚構化。何て世界だ。エリサベスと老人ダニエルの会話はその言の葉が落ちた世界に真実の言葉を取り戻すかのよう。詩のように訴えかけてくる物語を堪能した。

  • どんぐり

    アリ・スミスの「秋」から始まる四季4部作の1冊目。施設で人生の終焉を迎えている101歳の老人に本を読み聞かせるエリザベス。かつて老人とは家が隣同士で、出会いはエリザベスが8歳の頃。いまは32歳の美術史教師となり、彼女が研究テーマにしている画家のポーリーン・ボティが、この老人の人生に深くかかわっていたことを知る。本を読み聞かせるなかで、母親と会話するなかでエリザベスの意識に子どもの頃の出来事が「コラージュ」のように貼り込められていく。→

  • 南雲吾朗

    100歳を超える眠り続ける男性に物語を読み聞かせる女性。エリザベスはダニエルに本を読み聞かせていたのではなく、眠り続ける彼と昔の想い出を語っていたのだ。多感な10代の幼子に世界の捉え方を教授する。世の中は多様性に満ちている。感じ方、現し方、一つの物事もその表現、捉え方で無限の意味を持つ。二人の生きてきた道のりが絵画を眺めるように紡がれる。ポーリーン・ボティというアーティスト、ブレグジット、女性の社会進出問題、様々な話がうまく構成されて物語は進む。最後の章は感無量。続く3部作は是非読みたい。

  • がらくたどん

    四季が出揃ったようで目にする機会が増えたご感想に惹かれて。始まりの「秋」から。久々に楽しいけれど「ガンバル」読書。非常勤講師のエリサベスは少女時代の隣人で100歳を超え老人ホームで眠り続けるダニエルの傍らで本を読む。そのルーティンの隙間を繋ぐのはたくさんのささやかな出来事と思考の断片。物語は流れて行かずあるのは日々の出来事。上手に纏められた起承転結・因果の巡る物語は実は人生のモデルハウスみたいなもので、人生の認知は社会のありようと出会う人々に影響を受けた細々した行動と思考の記憶のコラージュだと気づく。

  • みつ

    アリ・スミスのいわば「四季」四部作のうちこの作品の日本語訳の発行が一番早かったので、第一作とあたりをつけ、秋の到来を待って読み始める。施設のベッドで眠り続ける101歳のダニエルと、パスポート申請の役所とのやりとりでぎくしゃくする美術を教える32歳のエリサベス。ふたりの20年ほど前の隣人としての出会いと会話、ダニエルの回想をはらんだ夢が、順不同に織り交ぜられ、驚きの結末へ。自分に引き寄せすぎではあるが、ほとんど眠り続けた母を看取ったこの夏の3か月に想いを馳せる。最期の日々、母はどんな夢を見ていたのだろうか。

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