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冬 新潮クレスト・ブックス

アリ・スミス

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784105901752
ISBN 10 : 4105901753
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

かつて事業で成功したが今は孤独な女性の元に、息子が移民の恋人と一緒に現れた――英文学の旗手が贈る当世版クリスマス・キャロル。

【著者紹介】
アリ・スミス : 1962年、スコットランド・インヴァネス生まれ。ケンブリッジ大学大学院で学んだ後、スコットランドの大学で教鞭を執るが、ケンブリッジに戻り執筆に専念。デビュー短篇集Free Love and Other Stories(1995)でサルティア文学新人賞を、長篇The Accidental(2005)でホイットブレッド賞を、『両方になる』でゴールドスミス賞、コスタ賞、ベイリーズ賞を受賞。現代イギリス文学を代表する作家の一人で、タイムズ文芸付録による2018年のアンケートThe best British and Irish novelists todayで1位に選ばれている

木原善彦 : 1967年生まれ。大阪大学教授。ウィリアム・ギャディス『JR』の翻訳で日本翻訳大賞を受賞。他にも訳書、著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • buchipanda3

    「秋」に続く四部作の2作目にお目見え出来て嬉しい。物語では劇的な出来事が起こるわけではない。でも冬を象徴するあの日に、いつもと違った出会いから何かしらクロスオーバーが生じたかのような味わい深い清々しさが読後に満ち溢れていた。異国の存在とも言えるラックスが良い。利己主義など他人の欲求や自己満足に振り回される世の中に疲弊してリアルを避けてしまう心持ちを読み手も含めてリフレッシュさせてくれた。そして花の痕跡が残る本に彼女を感じて、その本当の美しさに魅入られる。言葉遊びに満ちた文章の面白さもしっかりと味わえた。

  • アキ

    昨年の「秋」に続き、四季四部作の「冬」を読んだ。クリスマスイブの朝、アートはアイディア・ストアの前に佇む娘に声を掛け、シャーロットの代わりに実家の母ソフィアのコーンウォールの邸宅に行く。ボクシングデーの夜までのお話。チャールズ・ディケンズ「クリスマス・キャロル」やヘップワース・ウェイクフィールド美術館のバーバラ・ヘップワースの肖像、インド・ヨーロッパ語族ケルト語派のコーンウォール語まで、EU離脱を決めた分断の社会に、時代を自由に移動する物語。詩的で引用の多い文章は、英文学の知識が乏しい身には難解に感じた。

  • どんぐり

    アリ・スミスの四季4部作の2冊目は、「秋」とは異なる独立した物語。誰からも好かれず、人を寄せ付けない「スクルージ爺さん」もどきのソフィアばあさんが登場するクリスマス・キャロルの「冬」だ。かつては実業家だったソフィアがいまは落ちぶれて部屋数だけはいっぱいある屋敷に一人で住んでいる。そこに息子のアートが偽りの恋人役シャーロットを連れて帰省する。そして何十年来仲違いしている伯母アイリスを呼んでのゆく年くる年が始まる。→

  • ヘラジカ

    『秋』から一貫して英国の社会問題を核にしているため、作者の怒りや苦悩が随所に感じられるが、それ以上に素朴で温かな家族小説として楽しませてくれる。確かにこの作品を表すにはスノードームの例えが相応しい。暗く冷たい社会のイメージと共に、芸術と自然への深い愛情や、人々が持つ温かな感情が華やかに舞い散っていた。頻繁に形を変える文章表現と、唐突に行きつ戻りつする時間軸も相俟って、無秩序だが煌びやかな印象を受ける作品。アリ・スミスの小説世界は本当に魔法のようだ。どうしてこうも魅了されるのだろう。『春』が待ち遠しい。

  • NAO

    少女の頃から革新的だった姉と、問題児だった姉にずっと振り回されてばかりいたためか保守的なソフィア。アートの恋人シャーロットと、シャーロット役をすることになった移民のラックス。前作同様、この物語にも分断があふれている。それでも、ほんの少しの間互いに寄り添い合うことで、孤独の痛みから凍りついた心が温められる。ときは、クリスマス。回想を繰り返すソフィアの姿は、『クリスマス・キャロル』のスクルージに似ていなくもない。

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