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ニコマコス倫理学 上 光文社文庫

アリストテレス

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784334753221
ISBN 10 : 4334753221
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

自分のまっとうな努力で得た徳のみが人の真の価値と真の幸福の両方をきめる。そして徳の持続的な活動がなければ人は幸福ではない、と考えたアリストテレス。上巻では幸福とは何かを定義し、勇気と節制、正義、また気前の良さ、志の高さなど、人柄の徳について考察する。

目次 : 第1巻 幸福とは何か―はじまりの考察(行為の目的の系列から善さについて考える/ 最高の目的としての幸福は政治学と倫理学によって研究される ほか)/ 第2巻 人柄の徳の総論(人柄の徳は、人が育つ過程における行為習慣の問題である/ 倫理学は自分が善き人になるためのものである ほか)/ 第3巻 徳の観点からみた行為の構造、および勇気と節制の徳(徳を考えるために自発的な行為を考える/ ただ単に自発的なだけではない、選択に基づいた行為 ほか)/ 第4巻 いくつかの人柄の徳の説明(お金や物品のからむ人間関係における中間性としての気前良さ/ 大事業への出費を惜しまない中間性としての物惜しみのなさ ほか)/ 第5巻 正義について(対人関係において発揮される徳を総称して「正義の徳」ということがあること/ 対人関係における徳としての全体的正義と、ほかの徳と区別される部分的正義 ほか)

【著者紹介】
アリストテレス : 384‐322B.C.。古代ギリシャを代表する哲学者。ギリシャ北部のスタゲイラに生まれ、17歳ころアテナイのプラトンの学園アカデメイアに入学、20年間研究生活を送る。プラトンの死後、小アジアなどでの遍歴時代を経て、50歳近くでアレクサンドロス王の庇護のもとでアテナイに学園リュケイオンを創設し、学頭として研究と教育に没頭した。かれの著作は講義ノートが大部分であり、内容別に整理され、学問方法論、理論学の『形而上学』『魂について』、実践学の『ニコマコス倫理学』『政治学』、制作学の『詩学』などがある

渡辺邦夫 : 1954年生まれ。茨城大学人文学部教授。博士(学術)。東京大学大学院比較文学比較文化専門課程博士課程単位取得退学。古代ギリシャ哲学専攻

立花幸司 : 1979年生まれ。熊本大学文学部准教授、ジョージタウン大学メディカルセンター国際連携研究員。東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻博士課程修了、博士(学術)。哲学・倫理学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • のっち♬

    「知るための知」である論理学に対して倫理学は実践性重視。国家と個人の善は必ずしも一致しないと師のイデア論とは異質の現実主義な視点で、形相の本質としての普遍と個別を常に意識している。人柄の性向は習慣で形成され、悪徳が染み付いたら矯正は難しいと、若者に日々の行為に重みを訴えるような徳論が占める上巻。行為と自発性と選択に関する議論は長年にわたる自由と道徳的責任の研究の賜物で、人柄との反響関係は著者ならではのダイナミズム。「中間」を追求する「人柄の徳」「正義の徳」が野心的。卑屈になったら哲学も幸福も成り立たない。

  • molysk

    人生における幸福とは何か。すぐれた徳(アレテー)を身に付けて、それに基づいてすぐれた活動をなすことである、とアリストテレスは説く。人は分別(ロゴス)によって欲望や感情をコントロールするとして、すぐれた分別そのものを「知的な徳」、すぐれたコントロールを「人柄の徳」と分類する。上巻で論じる「人柄の徳」について、すぐれた徳は善い行動の継続によって身に付く、と提唱する。幸福をもたらすのは、生まれつきでも財産などの外的要因でもなく、まっとうな努力で得た徳である、とするアリストテレス倫理学は、現代でも輝きを失わない。

  • かわうそ

    『悪とは自らをも滅ぼすものであり、それゆえ、もし悪がまとめて全部そろうなら、そのようなものはかならず、人にはとうてい耐えられないものになるからである。』296 そういえば最近また読み直している『1Q84』でDVをしている男の暗殺を命じる老婦人が登場するのだけれど、「私たちは何ら悪いことはしてないのだし正しいことをしているのです。」と主人公の青豆に向かって言う場面が時々ある。正当化しなければ悪を長い間、人間が心に持っておくということは不可能なのかもしれない。ということは完全な悪は存在しないのだろうな。

  • ころこ

    文体が簡潔で、各章が短く、見た目よりも情報量が少ないです。次章に前章のまとめがある章があり、意外と現代的です。議論が論点先取な個所もあり、現代の文章に比べれば議論が十分に展開されているわけではありません。とはいえ、難しい概念や前提となる知識、哲学史の文脈がほぼ無く、よく分からないが意外とスラスラ読んでいけるぞ、という感じだと思います。上巻では、幸福を追求するには善いことを行う性向であるアレテーを身に着ける必要がある。このアレテーを多角的に考察している中で、様々な倫理的価値に関する議論が行われています。

  • たかしくん。

    プラトンの「国家」を読んで、多少の自信がついたので、本書にトライしてますが、なかなか苦戦してます。前著のような対話形式と違い、ひたすらロジカルに「幸福」について論じ始めます。まずは、徳ことアレテーについてを、人柄、正義の様々な観点から、ちょっとしつこいくらい(!?)に、語ります。私なりのMECE感で言うと、もれはないけどダブりはそれなりにあるような。 何れにせよ、上巻を終えた段階では「何事も中間性が肝心」「志の高い人は、中間性においても最善の人」等が、テーマの一部分であるでしょうかね!(笑)

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