アリステア・マクリーン

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女王陛下のユリシ-ズ号

アリステア・マクリーン

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784150400071
ISBN 10 : 4150400075
Format
Books
Publisher
Release Date
July/1996
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
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邦題の「女王陛下のユリシーズ号」も中々な...

投稿日:2021/04/15 (木)

邦題の「女王陛下のユリシーズ号」も中々なのだが、原題は「H.M.S. Ulysses」。H.M.S.はHer/His Majesty’s Ship の意で、英国軍艦に付ける接頭辞。つまり、単純に船名をタイトルにしているだけなのである。第二次大戦当時の英国君主はジョージ6世。従って、本来ならば「国王陛下のユリシーズ号」ではないかと思うのだが、ちなみに、この邦訳が出る頃に、007シリーズで「女王陛下の007」が出ているので、それに引っ張られたのではないかなぁと思うのであります。 それはともかく、この小説はなんと呼べばいいのか。海洋冒険小説、というような呼ばれ方をすることはあるが、しかし、ここでやっているのは明らかに戦争である。戦争小説?そう呼ぶには、あまりにもロマンチックすぎる。明らかに戦争ではあるのだが。何よりも、沢山人が死ぬ。ロマンチックな死を与えられる人物も多いが、そもそも戦争なのだから、というにしても、よく死ぬ。むしろ、この本は、ハードボイルドなのではないだろうか。原題の簡潔さは、それをよく示していると思う。あくまで個人の意見ではありますが。

Verdi さん | 神奈川県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • absinthe

    マクリーンの処女作。超ウルトラ特盛丼玉級冒険エンターテイメント。北極海の自然の猛威にさらされながら、追いすがるドイツ軍の攻撃をかわし荒海を進む護送船団。あきらめない男たちの不屈の精神に感動。爆撃機、雷撃機、巡洋艦にUボート。そして船より高い高波。絶望的状況の中で男たちは戦う。敵も必死なのだった。護送船団からは、1隻また1隻と落伍者が。これだけ冒険要素をてんこ盛りにされると読むほう覚悟がいるが、圧倒的な迫力と臨場感。絶対飽きない。

  • まふ

    読み終えてあらゆる感情の大きな固まりが自分を圧し潰しており、しばらくは何も他のことが考えられなかった。このFR77船団はドイツの無敵巨艦ティルピッツをおびき出すための囮の船団であり、いわば「消耗品」に過ぎず、壊滅してもそれはシナリオ通りの結果であったはずだ。極寒の北極海での海の男たちのぶっきらぼうな友情と団結、勇気、決断、責任感、自己献身、愛情などが混じり合い、それを瞬時に木端微塵にしてしまうドイツ軍の魚雷、爆弾、銃弾の攻撃は無残で無慈悲でひたすら悲しい。ドイツ軍の背後にも同様な人間劇が控えていたはずだ。

  • Tetchy

    ここにあるのは極限状態に置かれた人々の群像劇。筆舌に尽くしがたいほどの自然の猛威と狡猾なまでに船団を削り取るドイツ軍のUボートとの戦いもさながら、それによって苦渋の決断を迫られる人々の人間ドラマの集積だ。ユリシーズ号、その他FR77船団の面々が見事に活写され、実に魅力的。涙無しでは読めぬとまではいかないまでも目頭は熱くなるであろう本書は確かに傑作であった。海洋冒険物だから、戦争物だからと苦手意識で本書を手に取らないのではなく、昔の男どもの生き様と死に様を存分に描いたこの物語にぜひ触れてみてほしい。

  • bookkeeper

    ★★★★★ 再読。第二次世界大戦下、ソ連軍支援の戦車や燃料を積載した全32隻の船団を率いる巡洋艦ユリシーズに、北極海の荒天、Uボート群、爆撃機が襲い掛かる…。  開巻時から既に疲弊し切った乗組員達。不条理な迄の作戦で、何故彼らは尚も奮戦し続けるのか。凍傷で、末期の結核で、機銃掃射や爆撃で次々に斃れていく壮絶な最期。反撃する力もほぼ失ってからも容赦なく加えられる攻撃は悲惨の一言です。読むのが辛いけど目を離せない圧倒的な迫力。海洋戦記小説の決定版です。  「彼らこそ、およそ神が一艦長に授けた最高の乗組員だ」

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    ぼんくらな中将の無茶振りな命令に止む無く、従い、疲労困憊、病を押しての航海という最悪のコンディションで内部分裂が起きたユリシーズ号。内部分裂による舞令違反や殺人、暴行、自然の猛威や敵の攻撃に向かいながらも次々と命を絶たれる彼らに涙。特に連絡していく中、状況を改めようとするがあまり、静かに狂っていくマクウェイターや足を凍傷しながら敵に撃ち続けたカポックの描写に狂うしかなかった戦争の壮絶な現実に声も出ません。彼らが壮絶な最期を迎える中のラストの上滑りの慰めによる無常観が遣る瀬無くて、無性に悲しくなります。

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