アリアン シャフヴィシ

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男はクズと言ったら性差別になるのか

アリアン シャフヴィシ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784760155682
ISBN 10 : 4760155686
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

 大学入試での特別枠は差別なのだろうか。性的弱者への偏見や差別はどうだろう。最近はやりのセクハラ、カスハラなどの〜ハラは何がいけないのだろうか。女性にはどう声をかければいいのか。女性に「ほら笑って」はいけないのか。外国人に対する「故郷へ帰れ」はどうだろうか。政治家の発言に聞く「あなたは美人」うんぬんはかまわないのか。
 社会やその地域の文化にはびこる差別や偏見。人種差別だけではなく、男女差別、年代での差別、弱者への差別などなど、一部の人たちへの酷い扱いがはびこっている。
 こうした問題は社会正義という観点から考えると、どのように対処すればいいのだろうか。声高に説教をする老人が話題になったり、ヘイトスピーチ、貧困家庭、児童ポルノの問題、男性の給与や昇進が有利な問題、出演俳優の違法行為による上映中止など、毎日のように耳にするこうした話題。これらはなぜなくならないのだろうか。それは正しい判断なのだろうか。
 哲学が単なる崇高な学問ではなく、身近なツールとして利用できるようになってきた。それを用いてこうした問題はどのように考えればよいのかを、いくつかのキーワードを元に解説していく。
 社会的に地位があり、安定した身分のある人々がなぜこうした問題を考えるのを嫌うのか。差別を受ける側の視点からはどのように考えればいいのかを伝授する。

【著者紹介】
アリアン シャフヴィシ : クルド系イギリス人の作家で哲学者。ランカシャーとエセックスで育ち、ケンブリッジ大学とオックスフォード大学で天体物理学と哲学を学ぶ。現在はブライトン・アンド・サセックス・メディカル・スクールで応用哲学の講師を務めながら、主としてジェンダー、人種、移民、健康について研究

井上広美 : 翻訳家。名古屋大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • katoyann

    哲学者による性差別についての論稿。表題はSNSで男性をクズだという投稿が禁止されたことに言及しだものである。発話は行為を喚起するためヘイトスピーチは極めて危険であるとする。ただ、男はクズというオンラインの投稿は男性からの性被害に憤る女性の言明であり、構造的な弱者が権力者を罵る時の社会的文脈を考慮した方がいいとする。インターセクショナリティを学ぶ上では参考になるし、何より性差別を利用して資本主義が肥大化しているという批判は的を射ていると思われる。

  • Bevel

    言語行為論的なフェミニズム哲学の入門書という感じ。事例の記述が厚くて、イギリスとアメリカの雰囲気の違いなど想像できる。男にクズと言っても性差別にならない。というのも「男はクズ」の総称性は重要性を述べるもので、繰り返された不正義に対する不満の声を上げるものだからだ。犬笛やイチジクの葉(エクスキューズのある差別)はその仕組みが理解されると効果が下がるとか、そういったものに差別だとストレートに返すことは本当に効果あるのかなどと思った。概念分析で出てくる条件がもっと明確になる必要があるということなのかなあとか。

  • もち

    「白人に向かって人種差別的な言動をとれるか」「『男はクズ』と言ったら性差別になるのか」等の鋭い刃のような章タイトルが並ぶ。全編を通じて反差別を語る書だ。読んでいくうちに、大事なのは文脈を理解しているかどうかなのだな、と感じた。文脈を理解しない差別主義者が、論点をズラすのは英米でも同じなんだな。「私たちは誰を信じるべきか」で、女性というだけで信用してもらえない例が出てくるが、日本でも同じだと感じた。一方で、肉食に関しては、畜産がそんなに土地を必要とすることなど全く知らなかった。

  • YASU

    題名からフェミ本を連想したが、もっと現代社会総体への批判を軸とする。当然、反対意見も出るだろうが、私的には頷けるところが多い。ごく控えめに言っても、賛否を問わず読んでみて損はないと思う。X(ツイッター)での雑多な言い争いを傍観しているとしょっちゅう出会う、かなり感情的な言い分のその根拠について、自分なりに再考を迫られるだろう。なにより様々に飛び交う用語(ポリコレとか〇〇ズムとかいろいろ)がよくわかって便利。

  • brzbb

    性差別だけじゃなく、人種差別、キャンセルカルチャー、環境問題、資本主義の問題点など構造的不正義全般について論じられる。『ひれふせ、女たち』や『存在しない女たち』『バッド・フェミニスト』など引用される本がだいたいすでに訳書が出ているので、これらの本を全部は読んでられないという人にとってはつまみ食いできてお得かも。差別や環境問題に対して個人の影響は微々たるものかもしれない、それでも不正義に加担して生きて平気なのか? と、議論を紹介するだけじゃなく、クルド系イギリス人女性として自身の体重が乗った熱さもある。

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