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やんごとなき読者

アラン・ベネット

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784560092255
ISBN 10 : 4560092257
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2009
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

本は想像力の起爆装置。読書は女王エリザベス二世に喜びと、ひとつの疑問をもたらした。女王ではない「わたし」の人生とは何か…。イギリスで30万部のベストセラー小説。

【著者紹介】
アラン・ベネット : 1934年、イギリスのリーズに生まれ、オックスフォード大学で学ぶ。劇作家、脚本家、俳優、小説家。数多くの演劇、テレビ、ラジオ、映画の脚本を執筆し、2006年にはThe History Boysでトニー賞受賞、同年のBritish Book AwardsでAuthor of the Yearに選ばれた。他受賞多数。風刺的でありながら温かみもあるコメディを得意とする

市川恵里 : 1966年生まれ。早稲田大学第一文学部卒(英文学専修)。編集者を経て翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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タイトルの通り、やんごとなき本である。読...

投稿日:2009/11/28 (土)

タイトルの通り、やんごとなき本である。読み終えて書棚に収納された姿を見て、その存在が嬉しくなり、書棚の品が少し良くなる本はそう有る物では無い。こんな物語を書く著者が居て、素敵な日本語にしてくれる翻訳家が居て、こんな本を出版しようという心意気のある出版社があることが、何とも嬉しい本である。

けん さん | 東京都 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア

    様々な意味において、ほんとうにイギリスらしい小説。タイトルから想像がつくように、そもそも主人公は現女王、エリザベス2世なのだから。我々の感覚では、いいのかなとも思うが、イギリス王室、あるいはイギリス人は、これくらいを許容してしまうくらいの包容力があるのだろう。現職の首相や、カンタベリー大僧正、果ては隣国フランスの大統領までをコケにしてしまえるのも、ひとえに洗練されたユーモアゆえだ。読書を通じて成長する女王。エンディングの2行は、それを如実に明かすとともに、なんとも気が利いた最上級のユーモアに満ちている。

  • 遥かなる想い

    「イギリス版読書のすすめ」 とでも言うべきなのだろうか。 「本を読む喜び」を エリザベス女王の日常で 読者に伝えてくれる。 女王が読書に目覚めていく 様は面白い。 「知的でない」のが イギリスの上流階級の 特徴であるかどうかは 別として、女王の周囲が 読書にうろたえ、不安に なる様はなぜか可笑しく、 この本の楽しさはここに ある気がする。

  • Hideto-S@仮想書店 月舟書房

    皮肉の効いたユーモアとウィットに富んだ〈やんごとなき〉女性の物語。エリザベス女王が読書の面白さを知り、王室を右往左往させるという、いかにも英国的なお話。日本で皇室を皮肉った本を上梓したらさぞ大騒ぎになるんじゃないだろうか。読書に熱中するあまり、公式行事に支障が起きたり、側近と本の話をしようとしても誰も読んでいなかったり、上品なスラップスティックコメディが展開しつつも、読書を通じて人の心が分かるようになっていく女王の姿はステキだ。80歳を目前にしても、人は成長できるというポジティブなメッセージを受け取った。

  • kariya

    善良な小心者を犯罪者へ、慎ましやかな淑女を悪女へ変貌せしめる、罪深き快楽の名は読書。英国女王がふとしたきっかけで読書なる悪癖にはまり込んだ。周囲の顰蹙のみならず、公務にさえ影響を及ぼし始めた騒動の果てに、女王は一つの答えに辿り着く。何とも皮肉の効いた風刺小説であると共に、活字に取り憑かれた者の欠点と、そして大いなる喜びを描いて微苦笑や共感を誘う。高尚な趣味でも、他者との差別化を図る行為でもなく、字を追い頁を繰るのが、ただ息をするように当たり前で自然なことである人間の。

  • AKIKO-WILL

    【ガーディアン1000冊】1冊目は、こちらを読みました。とても読みやすかったです。フィクションだけどイギリスのエリザベス女王が読書に目覚めたら…の設定が面白くて、映画を見ているかのようにページを捲るのが止まらなくなる。70代後半まで読書をする時間などなかった 彼女がのめり込むように嵌る読書。周りの人々は、その女王の変貌ぶりに戸惑い。孫のように年の離れた厨房にいたノーマンを傍らに置き、読書の秘書、友のように接する彼女。読書によって性格までも変わっていく姿にあの気難しくて近寄りがたい女王様が身近に感じました。

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