ラウタヴァーラ、カレヴィ・アホの多様なスタイルの合唱曲集!
SACDハイブリッド盤。ヘルシンキ室内合唱団と芸術監督ニルス・シュヴェケンディーク、カイヤ・サーリアホの70歳の誕生日を祝うコンサート・シリーズ「カイヤ・サーリアホ 70」に参加。このときのコンサートで歌った作品によるアルバム『Reconnaissance』は、2024年「グラミー賞」の最優秀合唱パフォーマンスに選ばれました。『喜びと非対称』をタイトルにした新しいアルバムでは、ラウタヴァーラとカレヴィ・アホという、師弟関係にあるふたりの多様なスタイルの作品によるプログラムが組まれています。
エイノユハニ・ラウタヴァーラ[1928-2016]の『第一の悲歌(Die erste Elegie)』は、ヨーロッパ合唱協会の「ヨーロッパ・カンタート・フェスティヴァル」の委嘱で作曲され、合唱団の低声部の深い響きが試されるなど、高度な技巧が求められる作品です。ライナー・マリア・リルケの連作詩「ドゥイノの悲歌」の最初の詩がテクストに使われています。『わたしたちの愛(Unsere Liebe)』は、ラッシ・ヌンミ[1928-2012]の詩によるイングリット・シェルバッハ=コプラ[1935-]のドイツ語詩をテクストにした女声4部の曲集『Wenn sich die Welt auftut(世界が降伏するとき)』(1996)から第1曲を除く4曲を混声合唱曲に編曲した作品です。
『アヴェ・マリア(しあわせなかたマリア、恵みあふれるマリア Ave Maria, gratia plena)』は、ラウタヴァーラの1950年代を代表する合唱曲のひとつ、1957年の十二音技法による美しい男声合唱曲の混声合唱版です。『人生の書(Elaman kirja)』は、1972年に作曲したヘルシンキ大学男声合唱団のための作品による曲集です。オリジナルの曲集からリルケ、ポール・エリュアール、アルチュール・ランボー、エミリ・ディキンソン、ジェームズ・ブロートン、ウォルト・ホイットマンの詩による6曲を選び、1978年の男声合唱曲『4つのセレナード』のシャルル・ボードレールとシュテファン・ゲオルゲの詩に作曲した2曲を追加。混声合唱用に編曲されました。
カレヴィ・アホ[1949-]の『マウラーナー・ルーミーの3つの詩(Kolme laulua Mawlana Rumin ruhoihin)』は、ペルシャの神秘主義詩人マウラーナー・ルーミー(ジャラール・アル=ディン・ルーミー)[1207-1273]の抒情詩(ガザル)をヤーコ・ハメーン=アンッティラ[1963-2023]がフィンランド語に訳した詩に作曲。1996年の『喜びと非対称(Ilo ja epasymmetria)』は、フィンランド放送協会の委嘱で作曲された作品です。カレヴィ・アホの好む「同時代フィンランド文学」のレパートリーから、第二次世界大戦後のフィンランド・モダニズムの中心的詩人のひとり、ミルッカ・レコラ[1931-2014]の同名詩集から7つの詩を採り、音楽と緊密に関連づけて作曲されました。(輸入元情報)
【収録情報】
1. ラウタヴァーラ:第一の悲歌(1993)
2. アホ:マウラーナー・ルーミーの3つの詩(2010)〜混声合唱と打楽器のための
家路に(Kotiin!)(ガザル 2345)
あなただけを(Yksin sina)(ガザル 1521)
死ぬ!(Kuolkaa!)(ガザル 636)
3. ラウタヴァーラ:わたしたちの愛(2010)
わたしの愛は(Meine Liebe)
そして、夜に(Dann, in jener Nacht)
手紙(Der Brief)
ささやき(Flustern)
4. アホ:喜びと非対称(1996)
あぶない橋を渡ってきた(Kuljin nuoralla)
わたしが歩んでいるといつも(Aina olin)
かすかな笑いが口元に(Suupielessa naurun hiljainen aihe)
雨降りの秋 (Sateen syksyt)
椅子があったから(Tuoli seisoi)
明るいところから出て(Kirkkaudessa)
風の中に立ち(Seison tuulessa)
5. ラウタヴァーラ:アヴェ・マリア(しあわせなかたマリア、恵みあふれるマリア)(1957/2012)〜混声合唱のための
6. ラウタヴァーラ:人生の書(1972/2012)〜混声合唱のための
幼年時代(Kindheit)
恋する女(L’Amoureuse)
わが放浪(Ma boheme)
希望は羽をまとった姿で(Hope Is the Thing with Feathers)
準備はいいか?(Are You Ready?)
貧しき者の死(La mort des pauvres)
高まりゆく年の中で(Es lacht in dem steigendem Jar)
ぼく自身の歌(Song of Myself)
ヘルシンキ室内合唱団
リンネア・スンフェール・キャサリ(ソプラノ:1,2)
トーヴェ・ユープシェーバカ(ソプラノ:1)
エイラ・カールソン(アルト:1)
ペッテリ・キッポ(打楽器:2)
メリ・メッツォマキ(ソプラノ:4)
マッツ・リルハンヌス(テノール:6)
マルッティ・アンッティラ(テノール:6)
シルック・リンタマキ(ソプラノ:6)
ニルス・シュヴェケンディーク(指揮)
録音時期:2021年6月4,5日(1-3,5)、2002年2月13,14日(4)、2019年8月9日(6)
録音場所:ヤルヴェンパー、ヤルヴェンパー教会(1-3,5,6) メイラハティ、メイラハティ教会(4)
録音方式:ステレオ(DSD)
SACD Hybrid
CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.0 SURROUND
制作:セッポ・シーララ(1-3,5)、ハンス・キプファー(4)、マリオン・シュヴェーベル(6)
録音エンジニア:エンノ・マエメツ(1-3,5)、ハンス・キプファー(4)、マリオン・シュヴェーベル(6)
BIS ecopak