アフマド・サアダーウィー

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バグダードのフランケンシュタイン

アフマド・サアダーウィー

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087735048
ISBN 10 : 4087735044
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

連日自爆テロの続く2005年のバグダード。古物商ハーディーは町で拾ってきた遺体のパーツを縫い繋ぎ、一人分の遺体を作り上げた。しかし翌朝遺体は忽然と消え、代わりに奇怪な殺人事件が次々と起こるようになる。そして恐怖に慄くハーディーのもとへ、ある夜「彼」が現れた。自らの創造主を殺しに――
不安と諦念、裏切りと奸計、喜びと哀しみ、すべてが混沌と化した街で、いったい何を正義と呼べるだろう?
国家と社会を痛烈に皮肉る、衝撃のエンタテインメント群像劇。

各国で数々の賞を受賞!

アラブ小説国際賞受賞(アラビア語版原書)
イマジネール大賞外国語部門受賞(フランス語版)
キッチーズ賞 金の触手部門受賞(英語版)

ブッカー国際賞最終候補(英語版)
アーサー・C・クラーク賞最終候補(英語版)

【著者略歴】
アフマド・サアダーウィー
イラクの小説家、詩人、脚本家、ドキュメンタリー映画監督。2009年、39歳以下の優れたアラビア語の作家39人を選出する「ベイルート39」に選ばれる。2014年に『バグダードのフランケンシュタイン』で、イラクの作家としてはじめてアラブ小説国際賞を受賞。本書は30か国で版権が取得され、英語版がブッカー国際賞およびアーサー・C・クラーク賞の最終候補となった。現在バグダード在住。

【訳者略歴】
柳谷あゆみ (やなぎや・あゆみ)
1972年東京都生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学。公益財団法人東洋文庫研究員、上智大学アジア文化研究所共同研究員。アラビア語翻訳者、歌人。
歌集『ダマスカスへ行く 前・後・途中』にて第5回日本短歌協会賞を受賞。
訳書にザカリーヤー・ターミル『酸っぱいブドウ/はりねずみ』(白水社エクス・リブリス)、サマル・ヤズベク『無の国の門 引き裂かれた祖国シリアへの旅』(白水社)など。

【英語版タイトル】
FRANKENSTEIN IN BAGHDAD

【著者紹介】
アフマド・サアダーウィー : イラクの小説家、詩人、脚本家、ドキュメンタリー映画監督。2009年、39歳以下の優れたアラビア語の作家39人を選出する「ベイルート39」に選ばれる。2014年に『バグダードのフランケンシュタイン』で、イラクの作家としてはじめてアラブ小説国際賞を受賞。本書は30か国で版権が取得され、英語版がブッカー国際賞およびアーサー・C・クラーク賞の最終候補となった。現在バグダード在住

柳谷あゆみ : 1972年東京都生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学。公益財団法人東洋文庫研究員、上智大学アジア文化研究所共同研究員。アラビア語翻訳者、歌人。歌集『ダマスカスへ行く 前・後・途中』にて第5回日本短歌協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • buchipanda3

    それはバグダードの幻想群像譚。自爆テロの凄まじい爆風が街に穴を開け、名の無い者が夜を蠢き、占星術師の目が向けられる。どこまでが「現実」でどこまでが「法螺噺」なのか。現代バグダードの日常が違和感なく幻想的なものと融合した怪しい未知なる世界に大いにそそられた寓話的エンタメ文芸だった。何が正義か分からない、何が起きても不思議のない不条理で滑稽すぎる現状を人々は受容できず、バグダードが名無しを生み出す。それでも登場人物たちの人間臭いしたたかさを見せる姿は、昔から混沌をくぐり抜けてきた中東社会の強さを感じさせた。

  • どんぐり

    小説の設定が2005年で、イラクでは自爆テロ事件が頻発していた。この年、イラクで10人以上が亡くなったテロ事件が156件、数字の高さは2007年の178件まで続く。バグダードのフランケンシュタインは、爆破テロによる肉体の残骸から造られ、犠牲者の魂が加えられた「名無しさん」のほら話である。バグダードの治安部隊司令部は「犯罪者X」と名付け、人々は「名無しさん」と呼んでいた。初めは古物屋が肉片を集めて造形された。それが魂をもちバグダードを独り歩きし、自ら死肉をあさって身に纏い、持ち主の復讐を果たすようになる。→

  • ずっきん

    爆破テロが頻発する2005年のイラクで、犠牲者の遺体を繋ぎ合わせた体に魂が吹き込まれる。報復殺人を繰り返す「名無しさん」の誕生である。だが本作は、SFでもホラーでもなく、当時のバグダードに生きる人々の群像劇だ。時にユーモラスに描かれる、テロ、アメリカ、そんな恐怖の具現「名無し」に翻弄される住人たち。生き生きとした口語と飄々とした語り口が、昔々の叙事詩か、はたまた寓話のようで、チグリス川に放られるがごとく、物語に流されてしまう。人間とはなんと矛盾に満ちた生き物であることか。登場人物すべてが愛しい。強推薦。

  • keroppi

    自爆テロによるバラバラの遺体を繋ぎ合わせて作り上げた一人分の遺体。バグダード在住の作家によるバグダード小説。最初、イラクならではの登場人物たちの名前とその設定に混乱し、何度も主な登場人物一覧を見返しながらの読書となった。SFかスリラー的なものを予想していたが、それ以上に、バグダードそのものを描く小説だった。「彼」は、自爆テロや湾岸戦争で死んでいった人々の恨みや今のバグダードで生きる人々の不安を繋ぎ合わせたものだったのだろうか。

  • sayan

    数年前、ドバイからヨルダン空路途中、ISIS対策でイラクに派遣された米海軍を眼下に、ペルシャ湾上空の機内は独特の緊張感があった。本書は暴力が日常になったイラクの人々を描いた群像劇。古典「フランケンシュタイン」とは趣を異に、本書のそれが持つ宿命と行動は、理不尽さを背負う市井の人の葛藤の発現ともいえる。この文脈で著者はエンタメ性を帯びた展開を試みる。独特の娯楽性が新鮮で、刺激的ではある。しかし、読後、ふとプロローグの冒頭に掲げられた古典からの引用文を目にした瞬間、本書をフィクションと片付けるには無理があった。

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