Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

• roughfractus02

  読了日：2019/04/04

  ルネサンスは古代再生と解される。キリスト教中世が秘匿し、教会図書館にアーカイブした古代の書物に描かれた神々が、キリスト教のイコンの枠を細部から揺さぶり打ち破る様を、著者はボッティチェッリの2つの作品に見出す。ボリツァーノに引用される『ホメロス讃歌』、ルクレティウス『物の本質について』の春の描写、『変身物語』の逃亡の場面、セネカ『恩恵論』の三美神の記述等、2つの絵画平面を引用の織物の糸さながら一本ずつ辿るような本書の分析は、原注、補注にまで及ぶ。異なるものの残存という著者の考えは絵画をデータベースに変える。

• あかむ

  読了日：2015/09/28

  つまりはボッティチェリについてだったな。ボッティチェリの新しさ。

• arte

  読了日：2012/04/08

  ボッティチェッリ《ウェヌスの誕生》と《春》に関する記念碑的研究。いまも謎の残る同作品の研究には、誰もがヴァールブルクを参照しなければならない。この研究者の研究論文を読むのは初めてだが、論文としての構成はわかりやすい。ただ、注釈等を読み込んでいくと、あまりに後続の研究が多く、込み入った印象。それだけに、巻末の解題はわかりやすくまとまっており、理解を助けてくれる。そこで説明されているとおり、本論文はウフィツィの２作品に関する作品研究というより、ルネサンスにおける古代復興の一端を説明したものと捉える方が良い。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します