アビジット・v・バナジー

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貧乏人の経済学

アビジット・v・バナジー

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784622076513
ISBN 10 : 4622076519
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2012
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

貧困研究は、ここまで進んだ! 食糧、医療、教育、家族、マイクロ融資、貯蓄……W・イースタリーやJ・サックスらの図式的な見方(市場 vs 政府)を越えて、ランダム化対照試行(RTC)といわれる、現場での精緻な社会実証実験が、丹念に解決策を明らかにしていきます。


「貧困の本質への驚くほど深い洞察に満ちた本」――A・セン


「世界の貧困に関心のある人の必読書。こんなに多くを教えてくれる本を読んだのは久しぶりだ。経済学からの最高の贈り物だろう」――S・D・レヴィット(『ヤバい経済学』)


2011年Financial Times / Goldmann Sachsベストビジネス書賞受賞作。


目次
はじめに
第1章 もう一度考え直そう、もう一度
貧困にとらわれる?


第1部 個人の暮らし
第2章 10億人が飢えている?
本当に10億人が飢えているのか?/貧乏な人々は本当にしっかり十分に食べているのか?/なぜ貧乏な人々は少ししか食べないのか?(だれも知らない? 食べ物より大事)/結局、栄養摂取による貧困の罠は実在するのか?
第3章 お手軽に(世界の)健康を増進?
健康の罠/なぜこれらの技術はもっと利用されないのか?(十分に活用されない奇跡 健康改善願望 お金をドブに捨てる みんな政府が悪いのか?)/健康追求行動を理解する(無料は無価値のあかし? 信仰? 弱い信念と希望の必要性 新年の誓い あと押しか説得か?)/ソファからの眺め
第4章 クラスで一番
需要供給戦争(需要ワラーの言い分 条件付き補助金の風変わりな歴史 トップダウン型の教育政策は機能するか? 私立学校 プラサム対私立学校)/期待の呪い(幻のS字曲線 エリート主義的な学校制度)/なぜ学校は失敗するのか/教育の再設計
第5章 パク・スダルノの大家族
大家族の何が問題か?/貧乏人は子作りの意思決定をコントロールするのか?(セックス、制服、金持ちおじさん だれの選択?)/金融資産としての子供/家族


第2部 制度
第6章 はだしのファンドマネージャ
貧乏のもたらす危険/ヘッジをかける(助け合い)/貧乏人向けの保険会社はないの?(なぜ貧乏人は保険を買いたがらないの?)
第7章 カブールから来た男とインドの宦官たち――貧乏人融資のやさしい(わけではない)経済学
貧乏人に貸す(貧乏人融資のやさしい(わけではない)経済学)/マクロ計画のためのマイクロ洞察/マイクロ融資はうまくいくのか?/マイクロ融資の限界/少し大きめの起業はどうやって資金調達を?
第8章 レンガひとつずつ貯蓄
なぜ貧乏な人はもっと貯蓄しないのか/貯蓄の心理(貯蓄と自制心)/貧困と自制心の論理(罠から抜け出す)
第9章 起業家たちは気乗り薄
資本なき資本家たち/貧乏な人のビジネス(とても小さく儲からないビジネス 限界と平均 起業はむずかしすぎる 職を買う)/よい仕事
第10章 政策と政治
政治経済/周縁部での変化/分権化と民主主義の実態(権力を人々に 民族分断をごまかす)/政治経済に抗して


網羅的な結論にかえて


謝辞
訳者解説
原注
索引


アビジット・V・バナジー Abhijit V. Banerjee
カルカッタ大学、ジャワハラル・ネルー大学、ハーバード大学で学び、現在はマサチューセッツ工科大学(MIT)で経済学のフォード財団国際教授を務める。開発経済分析研究所(Bureau for Research and Economic Analysis of Development)元所長、NBERの研究員、CEPR研究フェロー、キール研究所国際研究フェロー、全米芸術科学アカデミーおよび計量経済学会のフェロー。グッゲンハイム・フェロー、アルフレッド・P・スローン・フェローも歴任。2009年初代インフォシス賞など受賞歴多数で、世界銀行やインド政府など多くの機関の名誉顧問を歴任している。


エスター・デュフロ Esther Duflo
マサチューセッツ工科大学(MIT)経済学部で貧困削減開発経済学担当のアブドゥル・ラティーフ・ジャミール教授。パリの高等師範学校とMITで学び、博士号取得とともにMIT助教となって現在に至る。全米芸術科学アカデミーおよび計量経済学会のフェロー。2010年には40歳以下で最高のアメリカの経済学者に授与されるジョン・ベイツ・クラークメダル、2009年にはマッカーサー「天才」フェローシップ、2010年初代カルヴォ・アルメンゴル国際賞(Calvo-Armengol International Prize)など受賞歴多数。『エコノミスト』誌により若手経済学者ベスト8のひとりに選ばれ、2008年から4年連続で『フォーリン・ポリシー』誌の影響力の高い思想家100人に選ばれ続け、2010年には『フォーチュン』誌が選ぶ、最も影響力の高いビジネスリーダー「40歳以下の40人」にも選出。


山形浩生 やまがた・ひろお
1964年東京生まれ。東京大学都市工学科修士課程およびマサチューセッツ工科大学(MIT)不動産センター修士課程修了。大手調査会社に勤務、途上国援助業務のかたわら、翻訳および各種の雑文書きに手を染める。著書『たかがバロウズ本』(大村書店、2003)『新教養主義宣言』(河出文庫、2007)他。訳書 クルーグマン『クルーグマン教授の経済入門』(ちくま学芸文庫、2009)、ケインズ『雇用、利子、お金の一般理論』(講談社現代文庫、2012)他。




【著者紹介】
アビジット・V.バナジー : カルカッタ大学、ジャワハラル・ネルー大学、ハーバード大学で学び、現在はマサチューセット工科大学(MIT)で経済学のフォード財団国際教授を務める。開発経済分析研究所(Bureau for Research and Economic Analysis of Development)元所長、NBERの研究員、CEPR研究フェロー、キール研究所国際研究フェロー、全米芸術科学アカデミーおよび計量経済学会のフェロー、グッゲンハイム・フェロー、アルフレッド・P・スローン・フェローも歴任

エスター・デュフロ : MIT経済学部で貧困削減開発経済学担当のアブドゥル・ラティーフ・ジャミール教授。パリの高等師範学校とMITで学び、博士号取得とともにMIT助教となって現在に至る。全米芸術科学アカデミーおよび計量経済学会のフェロー。2010年には40歳以下で最高のアメリカの経済学者に授与されるジョン・ベイツ・クラークメダル、2009年にはマッカーサー「天才」フェローシップ、2010年初代カルヴォ・アルメンゴル国際賞(Calvo‐Armengol International Prize)など受賞歴多数

山形浩生 : 1964年東京生まれ。東京大学都市工学科修士課程およびMIT不動産センター修士課程修了。大手調査会社に勤務、途上国援助業務のかたわら、翻訳および各種の雑文書きに手を染める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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貧しさは国民の勤勉さや性格から発生するの...

投稿日:2020/06/18 (木)

貧しさは国民の勤勉さや性格から発生するのではなく、制度の未発達から生じます。 先進国の人間なら当たり前に享受できる飲み水の確保、教育、保証など、発展途上国ではそれができません。下痢や栄養失調で成人を迎える年齢まで生きられず、体が弱くて肉体労働も不可能、識字率が低くて不利な契約を結んでしまいます。 病気になれば病院に行きます。そこでは、ドクターや看護師から経口補水液の投与を継続することを勧められます。弱者たちは言われたことを実行しません。一方で、町一番の祈祷師の祈りで病気が治るとを信じています。教育を受けておらず、データや知識を軽んじてしまうからです。 悲しいことに祈祷師の一回の費用は病院での投薬より高値です。 読んでいてとても悲しくなりました。 貧困の背景には「罠」というべき、たくさんの知識の誤りが潜んでいると理解しました。

ミキモト さん | 広島県 | 不明

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  • アキ

    貧困は飢餓と関連しておりそれには穀物が必要であるという施策は失敗してきた。なぜなら多くの人々は、穀物よりもカロリーのない砂糖を欲するからである。汚染された水による下痢で多くの乳児が死亡するため塩素系消毒剤は安価で手に入るが、多くの貧困層の人々はそれをせず、下痢になって効果がある安価な経口補水液より点滴や抗生剤を求める。貧困を解決するためには単純な図式では計り知れない矛盾があることを多くの実例で示している。著者の一人は2019年ノーベル経済学賞を受賞したフランス人女性経済学者エステル・デュフロ。現在48歳。

  • どんぐり

    インドとフランス出身の経済学者2人が、貧乏人(国)の食、健康、教育、家族の規模、保険、融資、貯蓄などについて調査分析した本。基本的な問いは、「貧乏な人は生活を改善できるのか、それを妨げているものは何か?それは取りかかる費用が高いのか?それとも続けるのに苦労するのか?なぜそれが高くつくのか?人々は便益がどんなものかわかるか?わからないなら何が学習の妨げになるのか?」というもの。金をばら撒くだけの「経済開発援助」は効果がない。貧乏人の経済学からは情報不足、弱い信念、問題の先送りなどの課題がみえてくる。

  • s-kozy

    開発経済学の本。発展途上国においてpoorな人々がなぜpoorなままなのかをランダム化比較実験を用いて探る。食糧、医療、教育、家族、マイクロ融資、貯蓄、様々な分野において特効薬はないが、制度や援助、その周辺環境で効果的な方法を模索することでいつか(50年後か100年後?)はpoorな状態を克服しようという結論にかすかな希望が持てる。「大も小もいろんなアイデアを探求することで、いずれだれも1日99セント以下で暮らさなくてすむ世界に到達できるのです」(355頁)。

  • Willie the Wildcat

    個人と制度の課題、解決策とその限界。どうにも実態と乖離のある単語や表現が腹に落ちない。確かに様々な事例が、ヒト・モノ・カネの論旨を裏付けようとしているが”心”に欠けている気がする。モノの「食」におけるカロリーの意識?カネの使い道では、どうにも先入観と価値観の押し付けが強い印象。生活の基本である衣食住。あくまで個々人の優先度の違いではなかろうか・・・。論旨を理解し切れていないのだろうなぁ。但し、最後まで読みきれたということは、その論旨に一定の現実描写があるからだと推察。う〜ん、何とも嫌な世の中だ・・・。

  • 空猫

    お金持ちはお金の遣い方を知っている…とはよく聞く言葉だ。ならば貧乏人はお金の遣い方を知らない人、なのか。予防できる貧困原因は多いが、目先の事ばかりにとらわれ、それをせずに貧困のループに嵌っていたり。加えて後進国の保障の少なさ、教育を受けない事など、貧乏人に対する勝手な思い込みも詳細なデータで反証があり、多角的にとても丁寧に分析してあった。貧乏人と中流以上との差は「未来のために」働けるか否かなのだ。経済学論は難しかった(ので斜め読み)けれど面白かったです。

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