アドルフォ・ビオイ・カサーレス

Individuals/organizations Page

Books

パウリーナの思い出に 短篇小説の快楽

アドルフォ・ビオイ・カサーレス

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784336048417
ISBN 10 : 433604841X
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2011
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

幻影の土地に生まれた真の幻想作家ビオイ=カサーレス、本邦初の短篇集。愛の幻想、もう一つの生、夢の誘い、そして影と分身をめぐる物語。

【著者紹介】
アドルフォ・ビオイ=カサーレス : 1914年アルゼンチン・ブエノスアイレス生まれ。14歳で初めての短篇を執筆。32年、ホルヘ・ルイス・ボルヘスと出会い、以後作品の共同執筆者、アンソロジーの共編者として活動を共にする。40年、『モレルの発明』で注目を浴び、その後も長篇や、幻想小説からSF的・ミステリ的な要素の濃い短篇を多く発表。81年にはフランスのレジオン・ドヌール勲章を受勲し、さらに90年、スペイン語文学で最も名誉あるセルバンテス賞を受賞した。99年、ブエノスアイレスにて没する

高岡麻衣 : 1973年北海道生まれ。神戸市外国語大学大学院博士課程単位取得退学。ラテンアメリカ文学専攻

野村竜仁 : 1967年群馬県生まれ。神戸市外国語大学イスパニア学科卒、同大学大学院博士課程修了。現在、神戸市外国語大学イスパニア学科教授。専攻はスペイン黄金世紀文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 三柴ゆよし

    南米文学好きにはまさしく待望の短篇集。カサーレスの短篇はアンソロジーでいくつか読めるが、本書の刊行によって、ようやくその全貌が見えてきた。独断と偏見に基づいて述べるならば、長篇『モレルの発明』と本書の表題作「パウリーナの思い出に」をカサーレスの最高峰とした場合、その二作に比肩するレベルの作品は、残念ながら見いだせなかった。とはいえ、燃え上がる熱情の裏側に第三者の意思の介在を認める「愛のからくり」、緩慢に訪れる世界の終わりを描く「大熾天使」など、私好みの作品に出会えたのもまた事実。待った人は読めばいいよ。

  • 長谷川透

    『モレルの発明』を初めて読んだ時は、大袈裟な言い方かもしれないが読後に身震いにも似た身体にまで迫る衝撃を受けた。その際、この傑作の作者についてはあまり深入りしなかったせいもあるが、『モレル』は作者が26歳のときの作品であることが分かり、再度衝撃を受けている。本書に収められた作品は『モレル』的な作品から変移を辿る過程で書かれた作品群らしい。表題作にもなった「パウリーナ」は名作であるが他の作品は身震いまでには及ばない作品だった。しかし変化の過程を辿る楽しみはあったし、他作品への期待はなおも深まるばかりだった。

  • おおた

    読み進めるにつれて、どうもモヤモヤしてくる。威厳ある中年女性に尻に敷かれ、横目で奔放な若い女性の肉体を眺め、男同士ではなんとなく反りが合わないまま超自然的な事件に巻き込まれる。似たような展開が多いこの感じは……、あ、ラブクラフト先生ぢゃないか! ともあれ、ABCの短篇集が読めるなんて素敵な21世紀、海外文学ファンのみでなく、SFファンやラブクラフトファンも楽しめるはずの一冊です。

  • ネムル

    ボルヘスのようなガチガチの知性体でなく、コルタサルのように自然と幻想へと開かれていくでもなく、センチメンタルでウブな語りとやや頭でっかちな理屈屋っぽいところが、不思議なバランスをとっている。そうしたスタイルが一方で短編の切れ味を鈍くしているような印象もあって、必ずしも好みといえない作品もわりと多いんだけど。好きなのはメランコリックに世界の終わりが訪れようとする「大熾天使」と、政治ドラマと『天体による永遠』が衝突して妙にイカモノっぽくなっている「大空の陰謀」。

  • すけきよ

    分身、知らぬ間に劇に組み込まれてしまう、ファム・ファタルという要素が各作品に見ることができるのは興味深い。ただ、それらを一作の中に持っている『モレルの発明』にはやはりかなわない。その中でも、表題作の完成度は高い。オチ自体は珍しいものではないんだけど、幻想が現実を侵食してしまうさまが、叙述トリック(?)によって、読者の脳内も上書きしていく。また「大空の陰謀」は平行世界ものなんだけど、ビオイ=カサーレスの幻惑するような筆致によって、SFとは違う味付けになっている。他には「雪の偽証」「大熾天使」も良かったかな。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items