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ミスター・ピーナッツ

アダム・ロス

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784336056757
ISBN 10 : 4336056757
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2013
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

結婚して13年、ゲーム・デザイナーで小説家の卵のデイヴィッド・ペピンは妻のアリスを深く愛しながらも、妻の死をくり返し夢想せずにはいられない。そしてアリスは不可解な死を迎え、ディヴィッドは第一の容疑者となる。アリスの謎の死を捜査する刑事二人も複雑な結婚生活の経験をもつ人間であった。ウォード・ハストロール刑事は自分の意思で寝たきりとなる妻と静かな闘いを続け、かつて医師であったサム・シェパード刑事は数十年前、妻の惨殺について有罪判決を受け、のちに無罪と認められた過去がある。デイヴィッド、ハストロール、シェパードの人生ドラマがヒッチコック的サスペンスを高めながらエッシャーの絵のように絡み合うなか、メビウスという名の不思議な殺し屋があらわれる。「おれが小説を終わらせてやる」そして現実とフィクションは浸食しあい、読者を迷宮に誘う―愛と憎しみ、セックス、不倫、妊娠、摂食障害、鬱病など結婚生活における諸問題をユーモラスに時にグロテスクな色彩を帯びた文章で緻密に描き、同時にエッシャー的構造の小説化を試みる、実験的かつ大胆な驚異のデビュー作!

【著者紹介】
アダム・ロス : 1967年ニューヨーク生まれ。俳優である父の影響で子役として映画・テレビに出演。ホリンズ大学、ワシントン大学でクリエイティブ・ライティングを学ぶ。その後、ライター・エディターとして地元ナッシュヴィルの週刊紙や「ニューヨーク・タイムズ・ブック・レビュー」などで活躍し、2010年『ミスター・ピーナッツ』で作家デビュー

谷垣暁美 : 翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • りつこ

    読んでいると、女って嫌だなぁ(なんとまあ長いこと怒りを持続できることか!)と思い、男って最低(シェパードのけったくそわるいことったら!)と思うのに、最後まで読むと何故かしんとした気持ちになる不思議な読後感。自分と同じくらい惨めな気持ちにさせるためにベッドから一歩も出ない妻。太った妻を見つめる夫の愛と憎のこもった視線。愛人を友人宅に連れていく夫の厚顔無恥ぶり。妻を殺すことを夢想する夫。現実と虚構、愛と憎しみがぐるっと回って振り出しに戻る。ムカつくけど楽しい小説だった。

  • koo

    古くはアイルズの「殺意」から伝統ある妻殺しがテーマ。序盤はアナフィラキシーで妻が死亡し殺人容疑を受ける夫と彼らの結婚生活がカットバックされるオーソドックスな構成ですがオーソドックスなのは序盤だけ(笑)中盤捜査側の刑事のストーリーになってからの展開は破格過ぎて呆然、しかも事件そっちのけで200ページ以上、でもリーダビリティは不思議と高い(笑)最終的には纏まったというかエッシャー的不条理系というか。とにかく不思議な読後感でオススメというよりもどなたかに読んでもらい解説してもらいたい作品でしたね(笑)

  • きりぱい

    妻の死は、殺すことを妄想していた夫によるものなのか。事件を追う刑事たちも、かつて妻殺しを疑われた元医師と寝たきりの妻と闘う男で、ぺピン夫妻の機内の出来事等合わせ、何ともビターな三様の結婚生活が目まぐるしく描かれる。あなたは私のことをわかっていないと妻は不機嫌になり、夫は疲れ、あげく妻が死んでくれたらと思う気持ちには同情も。元医師は映画『逃亡者』にもなった実話ベースで、すべてを俯瞰するかのようなメビウスの浮上にミステリの味わいも存分ながら、話はエッシャーの絵の白がいつの間にか黒に見えるようによじれる。

  • すけきよ

    妻を殺した(殺したい)三組の夫婦の物語。作中に出てくるエッシャーの『出会い』のように、虚実は反転し、目で追っていたものは気づけば違うものへとすりかわる。全てはデイヴィッド・ぺピンの書く小説の中の出来事なのか、それならば彼を追う刑事たちは何を追っているのか、それとも彼らの人生も作中作なのか?正直、実験的技法はわからなかったんだけど、夫婦の物語自体は面白く、かなりのページターナーぶり。全体を通して言ってるのは、「あなたが知っているを思っているわたしのことをあなたは全然わかっていない」

  • たかすみ

    主に三つの物語が語られる。これらは収束しないのかなと思って読み進めて行くと、最後にちゃんと収束する。しかもそれがまさに「メビウスの帯」のようにねじれているからこの構成は見事である。今年のベストに入る圧倒的傑作。

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