Books

バルト-ク晩年の悲劇

アガサ・ファセット

User Review :4.5
(2)

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784622049340
ISBN 10 : 4622049341
Format
Books
Release Date
January/2000
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ナチ占領下の祖国に止まることを拒否して、ベラ・バルトークは祖国ハンガリーを去り、1940年アメリカに亡命した。著者がブダペストの音楽アカデミーの学生であった頃、バルトーク教授はそこですでに伝説的な偶像であった。著者は20年代の末からニューヨークに住み、ここで亡命したバルトーク夫妻を歓迎し保護し助力することとなる。バルトークは異郷アメリカで5年後に歿するが、本書はこの期間の天才をえがくヴィヴィドで感動的な物語である。

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

★
★
★
★
★

4.5

★
★
★
★
★
 
1
★
★
★
★
☆
 
1
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
☆
正直に言うと読むのが辛い本。元々、活字も...

投稿日:2021/04/16 (金)

正直に言うと読むのが辛い本。元々、活字も結構小さいし、とか、そう言う意味でも読みづらいといえば読みづらいのだが、内容的にも中々に厳しい本である。バルトークはアメリカに亡命して、決して楽とはいえない、恵まれたともいえない暮らしの末に1945年に祖国に戻ることなく亡くなっている。その亡命の時期の記録なのだけれども、それが身近に居て見聞することのできた人の手によるものなので、そのリアルな状況が、結末を知っているだけに読むのが時々辛くなる。それだけに読む意味もある本ではある。

Verdi さん | 神奈川県 | 不明

0
★
★
★
★
★
アメリカ亡命時代のバルトークをとらえた神...

投稿日:2010/10/04 (月)

アメリカ亡命時代のバルトークをとらえた神筆。著者アガサ・ファセットはバルトーク夫妻の友人で、バルトークのみならず妻ディッタの精神的な支えとなって行く。吉田秀和さんの「私の好きな曲」他、亡命時代のバルトークを語る上で最も重要な参考文献となっているのは良く知られている。この本を読めば、天才バルトークのいわゆる「夜の音楽」の濃密な調べが、その秘密が明らかになって行くのだし、バルトークがなぜあれほどサディスティックなまでに金銭を含めた倫理に潔癖なのか分かってくる。ああ天才バルトーク。彼はストラヴィンスキーやシェーンベルクとは全く違って、畑を耕す農夫のように音楽的表現、音楽でしか表すことのできない芸術に忠実だったし、新古典主義やいわゆる前衛とも全く違った道を行った。私はこの本と、ひのまどか氏の「バルトーク」(リブリオ出版)の2著をバルトークの伝記として人に薦めている。他にも良書はあるが、バルトークのピアノ協奏曲第3番のように感動的なのは他にない。最後に「無伴奏ヴァイオリンソナタ」の委嘱者であるユーディ・メニューインの言葉を引用してペンを置こう。「この本の発見は私にとって何という感動的な、心に触れて消え去らない経験であったことか!」

版画利案 さん | 埼玉県 | 不明

2

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 1959のコールマン

    ☆4.5。晩年のバルトークの伝記、というより小説に近い。ゆえに伊東信宏氏が言うように「厳密な意味での史料として扱えるものではない」。加えて文体はかなり古くさいし硬い(固陋なんて言葉初めて知った)。50年前の文だから仕方ないだろう。が、その欠点を上回る内容の面白さ。時々出てくるバルトーク流ユーモア。名言。それらが晩年のバルトークをうまく表している。「生命は途につくと同時に踏み潰されることの方が多いのだ。自然は豊かな生命を与えるとともに、同じだけの生命を奪うものなのだから」p5。

  • やいっち

    素晴らしい本でした。バルトークファンならずとも音楽ファンにはお薦め。戦時下ハンガリーからアメリカに脱出し活路を見出ださんとした夫妻のドラマとしても読み応えある。音楽にも疎い我輩には深すぎる内容の本。バルトークの自然を感じる特異な感性に(動物たちへの共感にも)驚嘆。我輩には感想は書けません。

  • くらぴい

    バルトークはピアノの教え子の女性と結婚し、戦争でアメリカに亡命し、夫婦で苦しい生活をしてました。演奏会に出続けながら、故国の田舎での民謡採譜活動に思いをいたし、発病後入院し亡くなる直前も未来に希望を抱いてました。

  • nobi

    読み終えてから、久しぶりに聴いた「管弦楽のための協奏曲」が、胸に迫る。東欧的な懐かしさと素朴さを持つ旋律とアメリカ的に派手な金管の使用が交錯し、時に、おどけた余裕の表情さえ見せる。特にフィナーレの、疾走感、力動感あふれるこの作品が、祖国ハンガリーからアメリカに亡命して3年間、全く作曲できなかった人の作品とは到底思えない。残念なのは、堅苦しい翻訳。(続きはfacebookで)

  • リリス

    他人の人生に巻き込まれた人が、他人のことをこうも尊敬して観察して描写できるということに何度でも驚く。 バルトークは芸術家だからって、めんどくさすぎだよ。反対に、同じく音楽家のアガタ・ファセットさんは人間が出来すぎてる!

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items