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J・m・クッツェーと真実

くぼたのぞみ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784560098684
ISBN 10 : 4560098689
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

クッツェー作品を俯瞰する、日本初のクッツェー論。ノーベル文学賞作家J・M・クッツェーの翻訳を80年代から手がけてきた著者が、作品の奥深くに埋め込まれた「真実」を解き明かし、作家の実像に迫るエッセイ集。巻末に年譜・全著作リストを収録。

目次 : 第1章 南アフリカの作家、J.M.クッツェーと出会う(ショッキングピンクの砂時計/ クツィアでもクッツィーでもなく ほか)/ 第2章 自伝、フィクション、真実(自伝、物語ること―『少年時代』『青年時代』『サマータイム』)/ 第3章 世界のなかのJ・M・クッツェー(驚異の自己改造プロジェクト―『ダスクランズ』/ 発禁をまぬがれた小説―検閲制度と『その国の奥で』 ほか)/ 第4章 北と南のパラダイム(「鯨」がいない―『三つの物語』『遅い男』『厄年日記』/ よみがえるエリザベス―カレンとコステロ ほか)/ 第5章 ジョン・クッツェーとの時間(少年の本棚―詩と写真と哲学と/ ヘンドリック・ヴィットボーイの日記 ほか)

【著者紹介】
くぼたのぞみ : 1950年、北海道生まれ。翻訳家・詩人。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • hiroizm

    翻訳家によるクッツェー論。クッツェーの作品の背景、特に自分のお気に入りの自伝的小説「サマータイム、青年時代、少年時代」の解説がいろいろ参考になった。クッツェー作品は一見単純に見えて実は仕掛けが多く多層的、読書会でも「?」となる参加者も少なからずで、面白さを説明するのが難しい作家の一人なのだけど、この本は良い参考書になると思った。著者とクッツェー、翻訳家と作家の交流エピソードも読んでいて楽しい。小説家クッツェーとその作品に対する著者の敬愛を随所に感じるテキスト集。クッツェーファン必読。

  • かふ

    J・M・クッツェー翻訳者によるクッツェーのガイド・ブック的な本だがクッツェーとの関係も面白い。それは著者がナカグロ・詩人と言っているように翻訳者になる前に詩を書いていて最初は南アフリカの詩人の翻訳からスタートしてクッツェーを知ったという。クッツェーも小説家以前に詩人であった人でイギリスのモダニズム詩人やヨーロッパの浪漫派が好きだということで言葉に対してのこだわりが著者と通じるのかもしれない。それはクッツェーの出自がアフリカーンスの白人ということでイギリス(英語)に対しての複雑な感情があるのだ。

  • nranjen

    全体的にまとまっている論文ではないが、重複を含め読み進めていくうちに著者像が浮かび上がってくる。『恥辱』しか今の所読んだことがないが、他の作品も読んでみたい。訳者ののめり込み方がすごい。

  • エオリアン

    クッツェー自身のことや時代背景などがくぼたさんによって丁寧かつ分かりやすく書かれており、クッツェー作品が好きな人は必読書といえる内容。クッツェーの厳しい自己詳察とアイロニカルなユーモアを持った人間性、初期エッセイ集「ダブリング・ザ・ポイント」に収められたインタビューで“自伝はすべてストーリーテリングであり、書くということはすべて自伝である”と語ったこと、英語が第一言語とするが母語ではないという信条を持ち、世界の英語中心の傲慢さに抗する姿勢は、クッツェー作品を読み解くヒントになると思った。

  • belier

    著者のクッツェーへの思いが込められた本だ。愛情があふれているし、この作家のすごさを再認識させられる。読んだ本で言うと『恥辱』の「ルーシー問題」に対する自分の解釈が妥当だったか再読しなきゃならないと思わされ、『マイケル・K」の荒涼とした美しさ(とでも表現したい世界)をまた味わいたいという気にさせられた。未読の初期作品や最近作「イエスの三部作」も読まねばならない。「自伝的小説」だが虚構が多いという作品群は、私小説のようでいてそうでない大江健三郎の作品と比較してみたくなった。課題は「注意深く」読むことだ。

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